いまさらですが、今回の月9をご覧になったでしょうか?

リン・チーリンさんがきれい過ぎてびっくりしているのですが、他に注目しているのが原作が道尾秀介さんというところです。「向日葵の咲かない夏」や「シャドウ」等、人間の内面を描きつつ、ストーリー展開力がある作家さんだなーと思っていたので、月9はどうなるんだろうと思っていました。どちらかというと、暗いというか、最近見た映画でいえば「シャッターアイランド」のような感じの作品でしたので。
いまのところ、月9に関しては、正直普通のドラマで、道尾さんっぽくないなぁという印象でした。

しかし、今回「ソロモンの犬」を読んでみたところ、こういった作品も書くなら今回の月9の話もありえるかな、と個人的に納得できました。amazonのレビューでは、かなり厳しい評価があるようですが、「向日葵の咲かない夏」や「シャドウ」のような作品を期待した場合は確かに違和感を覚える作品になっているかと思います。ただ、純粋な青春ものサスペンスとしては、これはこれで爽やかさも残るし、ありかな、という感じです。
ソロモンの犬 (文春文庫)/道尾 秀介
¥610
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一方、桐野夏生の「東京島」は、彼女らしく、本性がむき出しの作品でした。おもしろいです。個人的にはこちらの方がお勧めです。
東京島 (新潮文庫)/桐野 夏生
¥580
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これは映画化されるというのですが、R15でしょうか。。
しかも、3Dの予告編もあるとのこと。どうなってしまうのでしょうか。



ヘヴンという小説を読みました。
ヘヴン/川上 未映子
¥1,470
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確か本屋大賞にノミネートされていたので、読んだ方も多いと思います。
忘れないうちに感想を。

本書は、中学で悲惨ないじめを受ける斜視の「僕」と同じクラスでいじめをうける女子の「コジマ」とのやりとりを中心に描かれている。

この本の奥深さを感じたのは、単なるいじめという現象への問題提起ではなく、学校でのいじめという、ある種人間として無垢な、むき出しの行為、且つ社会的には悪として捉えられるものを通して、善悪への問いかけや人の強さという本質的なテーマを扱っている点である。

本書では、いじめる側の論理として、できごとに良いも悪いもない。すべては結果にすぎず、偶然のめぐりあわせであり、いじめる理由は斜視でもなく、対象は「僕」である必然性はまったくない、という言葉がでてくる。

また、コジマも自分の信じた正義を自分の中で絶対化し、冒頭の弱々しい姿から場面を追うごとに強く、そして最後には誰にも触れられない境地にまで達する姿が描かれている。

本書に流れているのは、すべては自分の捉え方次第であり、絶対的な基準はどこにもない、つまり、自分さえ納得できれば、完全に何でもありの世界観だ。自分と他人とは影響しあうものの、決定的に切り離されており、他人のことは「知ったこっちゃない」わけである。

この世界観には、2通りの感じ方があると思う。一つは、個の世界という自由。もう一つは、他人とは相容れないことに対する孤独感。

自由という意味では、コジマのように絶対的な基準を自分の中に持つことができれば、強さと纏えると思う。それが、神や宗教というものかもしれない。ただ、コジマのように生きるのは困難だろう。

それは、自分が納得するためには、他人から承認されているということが適度に重要だからだと思う。

人は、他人から承認されたいという欲求と他人とは相容れないという孤独感の間で、揺れ動きながら生きているのかもしれない。

であるならば、他人から承認されたときには素直に喜び、承認されない時には自分の基準を信じていきていく、ということが生きていく術なのかもしれない。
店主とその従業員
店主が従業員に給料袋を渡しながら「この給料の2割を貯金しなさい」というと
従業員は「そんな事は無理だ」と顔をしかめる。
今度は店主が「では給料の8割で生活してみなさい」というと
従業員は納得したように「やってみる」と応えた。

以前、上記のような大和証券のCMがあった。

おわかりの通り、店主が言っていることはどちらも同じだ。だが、言い方によって、従業員の行動がまったく異なってしまう。

このような不合理な人間の行動を研究する「行動経済学」という分野があるらしい。


そもそも経済学では、人間は合理的である(ホモ・エコノミクス)という前提を置いている。

Wikipediaによると、

経済人(けいざいじん)またはホモ・エコノミクス (homo economicus) とは、経済活動において自己利益のみに従って行動する完全に合理的な存在。実際の人間の行動を近似したモデル。(一部抜粋)

ということらしい。

ただ、我々の日常生活は非合理な行動をとることが多い。(非合理な意思決定をしてしまうからこそ、ロジカルシンキングやファクトベースといった考え方が有効でありえる、とも言える)
むしろ、自分の経験に照らし合わせると、合理的な行動をとることの方が少ない。ビジネスの時くらいだろうか。(合理的な判断をしていると信じたいが、実際は違う気もする。)

冒頭のCMの話しは、合理的でないと誰しもが理解できるが、従業員の行動が言い方によって変化することも非常に納得できる。

今回、そのような行動経済学の分野での面白い本があったので、紹介したい。

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」/ダン アリエリー
¥1,890
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である。行動経済学の入門書であるが、ここでのポイントは、なんといっても「予想通りに」不合理であることである。不合理な行動をとることは、規則性があり、予想できる、という。

本書内でも説明されているが、これは、錯視に似ていると考えると分かりやすい。
同じ大きさや長さであるはずなのに、どう見ても片方が大きかったり、長かったりする。

同じように、人は比較しやすいものを好む、アンカーを置かれると価格が変化する、先延ばしにする、失うことに対し過剰反応する、現金を介した取引では正直になる、といった傾向がみられる。

これはマーケティングの分野ですでに応用されているらしい。
たとえば、レストランで非常に高いメニューを用意しておくと、他の少々高いメニューのオーダーが多くなる、といったようなものだ。

また、このような思考のクセを知っておくことは、自分の行動を律するのに役に立つかもしれない。


行動経済学の本は、これ以外にも読んだことがあったが、その時はあまり印象に残らなかった。だが、この本は読みやすく、非常に面白い。
その理由としては、

①実験自体がユニークなものである
②実験結果のみならず実験プロセスを紹介している

ところにあると思う。また、

③MITやハーバードのMBAの学生といった、頭がよく、論理的と思われている人々も同じように不合理な判断をしてしまう、ということがわかる。

といったことも面白さの一つかもしれない。

このように、ジェラシーというのも不合理な行動を引き起こす要因かもしれない。