嫁と姑と介護 | あーすはーとのブログ

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現在、過去の出来事や体験談、役に立ちそうな情報なんかを日々発信していきます。よかったらいつでも気楽に立ち寄っていってください^^

私のいる有料老人ホームに以前いた人の話なんですが、利用者Sさんという女性の方がいました。Sさんは糖尿病を患っていて視力を徐々に失い、右足も切断しています。月に一度家族の人が見舞いに来るんですが、それはSさんの次男さんのみ。


次男さんとよく話をする機会があったのですが、いつもとても疲れている様子でした。あるとき次男さんが言われました。


「僕は将来結婚する気にはもうなれないんです」


実はそれはSさんがこの施設にやって来るいきさつと関係していたんです。まだ施設に来る前にSさんの介護を実家でされていたのは長男のお嫁さんだったそうです。とても優しい方で、Sさんのことをまるで自分の母親のように介護されていたといっていました。


しかし、このSさん、それが当たり前のように思っていたそうで、このお嫁さんに対しとてもひどいことを言い続け、全く感謝の気持ちを表そうとはしなかったそうです。それどころか、日々お嫁さんを罵っていたと、暗い顔をして次男さんが教えてくれました。時々こういう話って聞きますよね、非常に残念ですけど。。。


そしてある時、次男さんは長男さんとお嫁さんと共にこの施設の見学に来たのです。その時のお嫁さんの表情は完全に疲れきっていて、目に涙をためていたそうです。長男さんも実はSさん同様糖尿病を患っており、仕事を続けることができなくなっていたとのこと。


Sさんの介護に疲れ果て、この3人、もうどうしていいかわからずこの施設に母親を預けに来たそうです。


その後お嫁さんはもう施設の方にはめったに足を運ばなくなってしまいました。次男さんは自分の兄のお嫁さんが非常につらいめにあったのを目の当たりにし、自分は絶対将来結婚したくないとまで思ってしまったそうです。


このSさん、最後はこの施設で静かに亡くなられました。が、その間ずっとSさんのお嫁さんに対する態度はそのまま私たち職員に向けられていたんです。


家族の介護ほど大変なものはないと思います。それは身体的というよりもむしろ精神的に想像を絶するものがあるといってもいいんではないでしょうか。やっぱり家族って甘えが出てしまうんですよね。だから境界線がなくなってしまう。


愛し合っていたはずの家族の愛がどんどん崩れていってしまう。辛いけど現実です。


介護される方は家族に不満がつもり、介護する方は自分の生活を犠牲にしてまで面倒を目ていることに対する不満が出てくる。これって悪循環です。この問題って昔からずっとあったはずです。でも表に出てこなかったのはそれだけ女性、特にお嫁さんの立場が社会的に弱かったからだけではないでしょうか。


次男さんは兄のお嫁さんには本当に気の毒なことをしてしまったと、最後泣いていました。なんでもっと早く母を施設に委ねなかったのだろうと。次男さんがそのご結婚されたかどうかはもうわかりません。


施設に家族を入れることは決して悪いことではありません。確かに後ろめたいっていう風潮はあるかもしれませんが、この介護を取り巻く家族の健康そのものが損なわれてしまう可能性って大きいです。


健康であるに越したことはありませんが、もし家族介護で悩んでいる方、ぜひ一度近くの役所に行って相談してみてください。同じことで悩んでいる人って実は周りにもたくさんいることに気づかれると思います。