私のいる有料老人ホームでは入居者さんの看取りも行っています。私もまだ入社1年未満ですが、すでに3人の入居者さんたちを看取ってきました。
生と死がともに存在するこの環境の中で、今日も笑顔がとっても素敵なMさん(女性)という入居者さんがいます。このMさん、あと2か月の余命と先生から宣告されており、本人もそのことは理解されています。認知症は全くありません。肺がん末期とのことです。
今日で入居約1か月目です。今は一人でシルバーカーを押して食堂まで毎回出てきますが、今日の夕食後、いつものようにMさんが食べ終わって席から立ったのですが、ちょっと様子が変だったのですぐ近くまで行きました。
Mさんは苦痛を隠して苦しそうに笑いながら何も言いません。ただ黙ったままその場に立ち尽くしていました。物凄く精神の強い方です。私もその時のMさんの周りへの気遣いを察し、何も言わずにMさんの横について、腕を支えながら共に部屋まで送っていきました。
廊下まで出るとMさんが一言「この道が長いのよ」。
Mさんの言う「この道」は部屋までの距離ではなく、Mさんの残りの命のことだとすぐ気が付きました。私も何気なく答えました。「そうですか。できることがあれば遠慮せず、なんでも言ってくださいね」。
入居者さんにはいろいろな人がいます。当たり前ですが。。。中には口癖のように「早く死にたい」という方もいます。でもそんな人に限ってよく食べて、「痛い痛い」と訴えられています。そういう人を別に非難したり批判するつもりは全くありません。
だって誰もこんな風に生きていたいとは思ったりしませんから。
でも中にはMさんみたいに自分の余命を知り、なおそれでもその苦痛を人に絶対に見せたくない強い人もいます。きっと怖くてしょうがないはずなのに、そんなことを一言も言いません。いつも笑顔でいっぱいなんです。
Mさんと共にいられるこの素晴らしい時間を大事にしたいと思います。