さて、ではまずM&Aを取り巻くプレイヤーにつき、
いくつか書いていきたいと思います。
・買い手
事業会社、投資ファンド、金持ちオーナーなどが
挙げられます。
このうち投資ファンドは2003年ぐらいから乱立してきており、
競合環境が激化してきています。
通常であれば事業会社はシナジーを見込んで買収するため、
投資ファンドより高い価格を提示するのが一般的ですが、
つい最近までは入札になると投資ファンドのほうが高い札を
入れてきたりしていました。
リーマンショック以降、ファンドはすっかり影を潜めています。
・売り手
これも事業会社や個人オーナーなどが一般的です。
売りニーズとしては、事業会社はノンコア事業の売却、
不採算事業の売却、オーナーは事業承継問題の解決、
などでしょうか。
・FA(フィナンシャル・アドバイザー)
上記の買い手、売り手に対して総合的にアドバイスを行い、
ディールを仕切る役割をします。経験豊富な買い手、売り手で
あれば、必ずしもFAは必要なかったりしますが、
特に上場企業の場合には、取締役のリスクヘッジのためにも
必要不可欠です。
・銀行
特に投資ファンドがレバレッジをかけるために、
買収資金の一部(あるいは大半)を銀行借入により調達します。
銀行は融資手数料として、融資額の1~3%程度を
融資実行時に取るため、収益源として強化していました。
が、やはり金融危機以降、すっかり及び腰です。
・弁護士
契約書のドキュメンテーションや法務面の
デューデリジェンス(買収監査)で登場します。
不眠不休で働いてくれますが、タイムチャージなので・・・
・公認会計士・税理士
会計・税務デューデリジェンスで登場します。
弁護士と比べずいぶん冷遇されていましたが、
昨今は強気に転じてきています。
でもまだ弁護士とは報酬格差があります。
・不動産鑑定士・環境コンサルティング
買収対象企業の土地、建物を鑑定します。
特に製造業などは、土壌汚染のリスクの有無を
あらかじめ認識しておく必要があります。
「汚染があるので、全部土を入れ替えると●億円かかります」
などと教えてくれます。
・社会保険労務士
特に事業譲渡や会社分割などで、従業員が転籍するときに、
同意の取り方、協議方法、就業条件の変更等の
コンサルティングをしてくれます。
・司法書士
M&Aにからむ商業登記、不動産登記、
株主総会や取締役会議事録の作成等を行ってくれます。
作業量は結構多いですし、国家試験も難しいので、
もっと報酬が高くてもいいと思うのですが、
リーズナブルです。
・戦略コンサルティング会社
投資ファンドがビジネスデューデリジェンス
(事業計画の精査、マクロ市場動向分析など)を
外注する先です。これも昨今まではかなりのビジネスの量が
あったみたいです。
こうやってみると、投資ファンドは外注してばっかりで、
自分では何にもしていないようにみえますが、
まさにそうなのかもしれません。
・その他
PMI(Post Merger Integration)といって、
買収後に事業や組織をどう統合するか、
といったコンサルティングを行う方や、
あるいはシステム開発会社なども
いらっしゃいますが、きりがないのでこの辺で。