機那サフラン酒本舗① | あるちゅう司法書士の思うまま

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アルコール依存症のどん底を経験、現在は司法書士として第4の人生を歩む。アルコール問題のほか旅行記、鉄ネタ、たわごと…
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 雨に降られたり元々のスケジュールが無茶だったりで、行先や順番を変えながら旅は続きます。

 十日町で「へぎそば」を頂いたあとは長岡市の摂田屋地区へ車を走らせました。下調べをしていたときに目に留まった蔵に向かいます。

 ガイドの写真のほか知識もなく訪ねたのですがどうやら商家のようです。

 車を停めると案内の方が出てきてくださいました。

 

 屋根に載っている瓦も半端なく立派なものです。

 養命酒はご存知かと思いますが、それと人気を二分したという「サフラン酒」で巨万の富を得た吉澤仁太郎という人のお屋敷跡。「機那サフラン酒本舗」です。

 ちなみに「サフラン酒」はサフラン、はちみつ、桂皮、丁子、甘草など20種類以上の植物などを調合した薬用酒なのだそう…

 

 稼ぎに稼いだ仁太郎氏の興味は建築や造園、古銭蒐集など趣味と広がっていきました。

 庭には大きな石灯篭や様々な岩石が。なかには浅間山の鬼押し出しから取り寄せた溶岩も並んでいました。

 

 離れ座敷のなかも案内していただくと…

 縁側の柱は18mもある一本杉。仁太郎氏が集めた美術品の数々。

 部屋ごとに材質や造りのちがう床の間。

 

 天井に欄間。

 凝った装飾。

 

 高価なものが惜しみなく使われています。

 贅沢を楽しみたかったのか、富を自慢したかったのか。まあ、そのような気持ちも皆無ではなかったでしょうが、「家が完成した時には屋根から小判をまいた」とか、「不景気の時には、職にあぶれた人たちを呼んで庭の草取りをさせ、日当を払っていた」とういう話もあって、仁太郎氏は決して富を独り占めするようなお方ではなかったようです。

 だからこそこの繁栄があったのでしょうね。

 

 その離れ屋敷ですが…

 外から見ると屋根が傾いていたり瓦が剥がれていたりと結構傷んでいます。

 

 仁太郎氏の没後しばらくは裕福だったようですが、その後は管理が行き届かなくなって荒れ果て忘れられていったそう…

 このお屋敷のある摂田屋地区の歴史的な建造物を保存しようとする地域の人をはじめとしたボランティアの方が掃除と修復を続け、3年ほど前から公開されるようになりました。

 

 私たちを案内してくださった方が「私は向こうの掃除がありますから、あとはごゆっくり…」とおっしゃったようにまだ修復は途上で、7年後の観光施設として生まれ変わりを目指しているとのことでした。

 

                                             つづく