嵐山花灯路、昨夜までは付近をライトアップするイベントが開催されていて、観光客でごった返したに違いない。一夜明けて、愛宕山の麓の里はがらりと表情を変える。これが本来の姿なんだろう…
嵐山からは少し奥へ入った鳥居本あたりを歩いてきた。
落柿舎からスタート。
松尾芭蕉の弟子・向井去来の別荘として使用されていた草庵で、庭に柿の木が40本ありその柿の実が 一夜のうちにほとんど落ちつくしたのが落柿舎の名の由来だという。
外からも見えるほど背の高い柿の木があった。
少し南にある野宮神社あたりと雰囲気が似ているが、こちらは竹ではない。
ここから鳥居本に続く道は、愛宕山山頂付近にある愛宕神社への参詣道であり、その門前町として栄えた場所である。愛宕山の『火迺要慎』(ひのようじん)のお札は京都の家の台所でかなりの確率で見かけるものであり、それだけ篤い信仰を集めたことが窺える。
沿道のお店も開けてはいるものの、この日は訪れるお客さんも少ないようだ。
化野念仏寺を一旦通り過ぎさらに奥へと進む。いつの間にか民家の屋根が瓦屋根から茅葺に変わっている。
一の鳥居に到着。山頂への登り口である。
これから愛宕さんを目指し、また降りてきた人たちがしばし足を休めた茶店が始まりなのだろう。料理屋が2軒あった。
今日はその足音や話し声も聞こえることもなく、しみわたる静寂…