アルコール医療従事者にとっての体験談 | あるちゅう司法書士の思うまま

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アルコール依存症のどん底を経験、現在は司法書士として第4の人生を歩む。アルコール問題のほか旅行記、鉄ネタ、たわごと…
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 昨夜は病院のある市の断酒会に出席しました。

 退院した頃、しんどい顔で通っていた私の姿をよく覚えてくれていて、本当に久しぶりでしたが多くの人が声を掛けてくれました。 

 
 出席者の中にN看護師の顔があった。

 N看護師の話されたことを要約すると、おそらくこういうことなのでしょう。

 「私たち医療従事者はアルコール依存症者と毎日接しているし、勉強もしているので知識としてこの病気を知っているが、本当の患者の気持ちはわからない。
 こちらの思うように患者が自助会に通ってくれないと、どうして回復に向おうとしないのかと苛立ちを覚え、患者に厳しくあたるときもある。とくに、しばらくの間体験談を聞くことがないとその傾向が顕著になる。
 そんな時に院内例会や地域の断酒会に出席して体験談を聞くと、患者にもいろいろと抱える思いがあることに気づき、医療従事者としてしっかり支えようという気持ちに戻してくれる。
 そしてお酒を切ってどんどん回復していく人の姿が何よりの励みになる」

 いつだったか、外来でアルコール病棟の看護主任に「今から実習生の前で体験談を話してほしい」と声を掛けられ、大学の先生1人と生徒4人の前で話をしたことがある。
 彼女たちに感想を求めてみると、アルコール依存症者が抱える複雑な経験や感情に、抱いていたイメージと全く違ったと口を揃えました。

 飲酒のコントロール障害。
 
 病気の本体は単純ですが、患者それぞれが抱える複雑な問題があります。
 しかもそれは酒が先なのか複雑な問題が先なのか?
 患者本人はだから酒を飲むと言いますが、端から見ると酒を飲むからそうなるのだと思えたり…

 アルコール病棟の看護師の苦労は、酒を止めて時間が経てば経つほど想像以上に大変なものだと思うようになりました。
 
 N看護師の括りの言葉は、断酒会および会員の活動に対する感謝でした。
 お世話になった看護師や、これからこの病気に携わる看護師になろうとしている学生さんから感謝を述べられると恐縮します。
  

 ところで医療従事者でさえ難解なこの病気を、家族がすぐに理解してくれるはずもありません。

 回復するための行動を続ける姿見て家族は徐々に理解しようという気持ちになるのだ思います。
 
 酒を止めたばっかりで「うちの家族は理解も協力もしてくれない」と、不満を言う患者さんを時々見かけます 
 
 さすがに口はに出しませんが「あなたまだ何もしてないよ」と言いたくなるのが本音なのです。