忘年会シーズン | あるちゅう司法書士の思うまま

あるちゅう司法書士の思うまま

アルコール依存症のどん底を経験、現在は司法書士として第4の人生を歩む。アルコール問題のほか旅行記、鉄ネタ、たわごと…
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 「1年間お疲れ様でした」。

 今週がピークだと思います。
 アルコール依存症者には危険な時季と言われ、年末年始に特別の例会やミーティングが行われたりします。


 
 入院患者のなかには退院を年明けに延ばしたり、逆に病院側からそれを勧められることもあるようです。
 断酒会の中にいるとお正月だから飲んだという話はそれほど聞きませんが、それでもないわけではありません。

 アルコール依存症の克服には「知識と技術」とよく書いているが。この時季はとくにそうなのです。
 飲んでしまった人に聞くと、行く前にまわりに飲まないと宣言したから大丈夫だ、断酒してもう6か月経ったから大丈夫だと思ったなど、同じようなことを言います。


 いやいや、そこが間違ってんのですわ…


 私のブログでしつこく書いていますが、アルコール依存症は飲酒のコントロールが出来ない「脳の病気」、簡単なことでお酒が飲みたくなる「病気」です。
 
 ある方からの相談にこう答えたことがあります。
 「がん」を患って気合いで治すという人がいますか?それと同じぐらいおかしなことですよ。
 
 このコントロール障害は一度発症すると元に戻ることはありません。

 飲んでしまったのは、意志が弱かったとか気合が足りなかったではなく、飲み会の雰囲気や飲んでいた時に食べていたものの味や感触が飲酒欲求(脳内でアルコールを要求する信号が飛ぶ)の引き金になったからであり、まして、断酒6か月ぐらいでは不安定期の真っ只中なので危険なのです。
 
 実際にはいろいろとお誘いがありますが、私がいつも言うのは「迷うのなら行かないこと」。
 
 一滴飲めばどうなりますか?止まりますか?止められますか? たとえ抗酒剤を飲んでいても同じですよ。

 その知識に基づいて忘年会に参加しないという行動(技術)が正解だと思います。最悪命に係わる「病気」と闘っているのですから、これぐらいの切り捨ては必要である。

 どうしても断れない集まりではどうしたらよいでしょうか?

 その時はアルコール依存症であることと、簡単な病気の説明を少なくともその場のキーマンにしておくと危険は減ります。


 私は友人にすべて打ち明けているので、今年もお酒を伴う忘年会のお誘いはありません。
 寂しいと言えばそうなのですが、人とのお付き合いはお酒を飲まなくてもできるし、依存症者はお酒の場に出ないのが一番安全なのです。

 とはいえ突発的にお酒の場に臨むことがあるかもしれません。そんな時に備えていつもこのカードを財布に忍ばせています。