アルコールの依存性 | あるちゅう司法書士の思うまま

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アルコール依存症のどん底を経験、現在は司法書士として第4の人生を歩む。アルコール問題のほか旅行記、鉄ネタ、たわごと…
2018年5月より前の記事はアカウント移行後の不手際により写真が消えているものがあります。

 同じ病気を持つ方のブログに「あるデータによると、依存性や離脱が比較的高いアルコールが合法で、比較的低い大麻が非合法。矛盾かもしれないがそれが世の仕組みだ」と書かれていました。

 同じ依存症者の立場で言うのも失礼ですが、この病気をよく勉強されているなと思いました。

 「世の仕組み」の部分はさておき前段について書いてみたいと思います。
 
 念のために先に書いておきますが、依存性の観点だけから見たもので、以下に出てくる薬の効用を否定するものはありません。
 これらの薬で病気がよい方向に向かっている人が大半です。

 ノバルティスファーマ株式会社のHPにわかりやすい図が掲載されていますが、私の主治医がほぼ同じ図を講義で使っています。



 この図からわかるように、アルコールはモルヒネやヘロインという「麻薬についで強い依存性物質」で、大麻よりはるかに強い依存性があります。

 ちなみに、アルコールと同程度の依存性があるとされるバルビツール類は、マリリン・モンローが服薬して死亡した睡眠薬の類であり、ベンゾジアゼビン類は精神科や心療内科で不安や不眠を訴えると比較的簡単に処方される薬で、代表的なものにはデパスがあります。

 ベンゾジアゼビン類はたとえ一度に何万錠飲んでもそれだけでは死亡することはありませんが、脳内でアルコールと同じ動きをするため、アルコール依存症に詳しい医師はほとんど処方することがありません。
 
 余談にはなりますが、ベンゾジアゼビン類を直接血管に注射して死亡したのがマイケル・ジャクソンです。



 もうひとつ見るべきは、大麻や覚せい剤(アンフェタミン類)には精神依存だけで身体依存はないかほとんどないという点です。
 こんな時に薬物を使いたいという精神依存だけで、薬が切れても大きな離脱症状は出ないということですね。
 
 いや、覚醒剤乱用者は幻覚をみるのでは?
 それは離脱ではなく薬物が効いて俗にいうラリっている状態になります。


 アルコールのように身体依存があれば、いついかなる状況でも脳が薬物を要求するので、どんな手段に出ても薬物を体内に取り入れようとします(取り入れることが出来なければ激しい離脱が出る)が、覚醒剤にはそれがありません。

 あの事件を覚えていますか?

 だから某元アイドルは警察から追われていると知った瞬間に乱用をやめて、数日間にわたって山中を逃げ回ることが出来たのですよ。
 身体依存のあるアルコール依存ではそうはいきません。


 アルコール依存症と闘っている人は知っておくべき知識ですし、健康な人もアルコールは結構怖いよという程度に知っておいていいと思います。


                   ※私は医師や薬剤師ではありませんので内容に不正確な箇所も含まれていると思います。ご容赦ください。