敗北の弁 | あるちゅう司法書士の思うまま

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アルコール依存症のどん底を経験、現在は司法書士として第4の人生を歩む。アルコール問題のほか旅行記、鉄ネタ、たわごと…
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 私とAちゃんの関わり方には疑問を持つ人も多いかもしれませんね。
 あなたが相手にするから酒が止まらないのですよ。そんな声も聞こえてきそうな気がします。

 昨日の例会でうちの会の会長と一緒になりました。

 帰りの電車で話したことは命だけは落としたらあかん…



 3回目の入院の終盤、私が外泊をしていた日にある患者が突然の大量吐血を起こし他の病院に搬送されました。

 食道静脈瘤破裂。ほぼ助からないですね。そのまま還らぬ人となりました。

 ずいぶん後から聞いたのですが、彼が救急車を待つ間に最後に口にした言葉。

 「こんなことになるんやったら言うこと聞いとけばよかった…」
 
 そう…

 アルコール依存症者も飲みたくて飲むのです。
 病気ですが酒を口に持っていくのは自分の手なのです。

 それまでに何度もアルコール依存症から脱出するチャンスはあったはずですがものに出来なかった。

 命を落とす何十分か前になってようやく気づいたのですね。

 40代の男が言うとは思えない子供じみた言葉ですが、私にはこれが彼の人生敗北の弁に思えました。
 彼は地球上のどこを探してもいません。命を落としたら何を言っても後の祭りです。

 Aちゃんの体も傷んでいます。
 9月には健康診断の結果ゆえにある会社を不採用になりました。

 そんな簡単に命は落としませんが、落とすときは落とします。

 彼女が私に連絡をしてくるときは必ず「やめたい」と訴えるのですよ。

 なんとか最初の一歩を踏み出せるように背中を押してやりたいと思うのです。たとえ今までの経験上困難だとわかっていても…