創元のスミス、バローズ、ブラウン
私が見逃していただけなのかもしれないけれど、久しぶりに東京創元社が新旧のSFタイトルのキンドル本をセール価格で販売中だ。
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古参ファンにとっての創元SFといえば、E・E・スミスのレンズマン・シリーズ、E・R・バローズの火星シリーズ、そして、フレドリック・ブラウンの短編集ではないだろうか? そのいずれもが今回のセールにエントリーしている。当初は小西宏らによって訳されていたものだが、現在はすべて新訳が投入されている。
『銀河パトロール隊』以下全7作から成るレンズマン・シリーズは、あのブライアン・W・オールディスが “ワイドスクリーン・バロック” と命名した、きらびやかな作品群の一角を占める、スペース・オペラの雄である。
今回残念なのは、書籍にある解説が電子書籍版には収録されていないことだが、訳者の小隅黎によるあとがきはすべてキープされているので、特に “おまけ部分” にこだわりのない人には絶好の買場だろう。
かつてのドル箱だった火星シリーズが書店店頭から消えて久しいが、第一作の『火星のプリンセス』(厚木淳訳)が218円とは……(^^;
ちなみに、これを英語で読んでみたいという人で、CASIOの電子辞書をお持ちの方は、メニュー内にある「世界文学1000作品」を覗いてみていただきたい。モデルによっては、Burroughs, Edgar Rice の名前で A Princess of Mars が収録されているかもしれない!
さて、SFとミステリー両分野で活躍したフレドリック・ブラウンの諸作品は、近年新訳による復刊があいついでいるが、なかでも、SF短編については、安原和見訳で全4巻に集成されている。これが、紙のハードカバーでは各巻3850円とけっこうなお値段なのだが、電子版はそのほぼ半額で販売されている。
ただし、『真っ白な嘘』はノンSFなので別扱いだ。
ブラウンは、私も中学時代によく読んだものだった……(^^;
