哀しみ溢る季節には 花七色に咲くといふ
雨に歌えば涙さへ 紛れしものと誰が伝ふ
咲く花は雨に変化す街なれど
ただひと筋に涙とどむる
(風早)
染めし色も 花打つ雨の強さによりて
鮮やかに咲きもし・・・枯れもする・・・
ひとへに 君の情けの雫 信ずる他に手立てなしとて・・・
神水のこころならばと思ふれど
疑ふほどに花打つ雨は
(佳小雨)
哀しみ溢る季節には 花七色に咲くといふ
雨に歌えば涙さへ 紛れしものと誰が伝ふ
咲く花は雨に変化す街なれど
ただひと筋に涙とどむる
(風早)
染めし色も 花打つ雨の強さによりて
鮮やかに咲きもし・・・枯れもする・・・
ひとへに 君の情けの雫 信ずる他に手立てなしとて・・・
神水のこころならばと思ふれど
疑ふほどに花打つ雨は
(佳小雨)
君が切るシャッターの音と共に生きた あの日 あの刻のわたしは なんと無邪気な笑顔を浮かべているのだろうか・・・
伝えても 伝えきれない 君への感謝と慕う気持ちを 永久にそのほとがらに残したまま わたしはもう 消えてもいい・・
うねるとも潮耀やふ砂浜に
花の形のこい貝ひろふ
unerutomo usio kagayou sunahamani
hananokatachino koikai hirou
渚にて貝を集めし吾にひとつ
給ひし団栗 君山幸の神
nagisanite kaiwoatumesi anihitotu
tamaisi donguri kimi yamasachino kami
溶くるとも溶け敢へぬとも海の青
光は波を混ずごとく初夏
tokurutomo tokeaenutomo uminoao
hikariwa namiwo mazugotoku shoka
(佳小雨)
かいなきと言ひて彷徨ふ浜辺には
藻屑耀ふ朝をぞ知る
kainakito iitesamayou hamabeniha
mokuzukagayou asitawozosiru
(風早)
飛び立とう 夏へ!
真っ直ぐに大空駆ける飛行船
真白き夢をひとつ渡して
(風早)
またひとつ めくるこよみに夏の風吹く わたしは恐れ多くも古代エジプトのクレオパトラになった心地して 遠き町に住む愛しいカエサルに逢いに行く・・・
この空は あの海峡と同じ・・・わたしは薔薇を抱えて往こう
船が見えなくても わたしが近くまで来ていることを あなたに報せる為に・・・
銀色の翼の船は舞ゐ飛びぬ
雲間に薔薇は香らぬや君
(佳小雨)
覚めぬ夢の星空は 冥き色して君を抱く
やがて山際白みても 紫雲たなびく西の空
さあ そのかほ東に向けて 来る朝(あした)を凝視せよ
青き地平に差し込む光を
村先に宿りし花の一片を
手折りて染めむそら藍色に
murasakini yadorishihanano hitohirawo
taoritesomemu sorarannsyokuni
(風早)
おとがひに 君 指先を差し伸ばし 明るき空へ導けど
長く涙も干ぬ目ゆえ 醜き目元憚られる・・・
あまた靡くむらさき房の花の波
なんぞ吾を選る藍に染むるや
amata nabiku murasakifusano hananonami
nanzo awo yoru aini somuruya
(佳小雨)