Delight Slight Light KISS | 音楽動画ここだけの話

音楽動画ここだけの話

音楽・動画鑑賞記録 

1988年

 

小学校高学年からしばらくユーミンの曲が好きだった。

アルバムでいうと本作から92年Tears and Reasonsまでの全部、そして97年のCowgirl Dreamin'まで。それ以降はあまり聴かなくなった。

 

ユーミンの著作物も読んだけれど、正直そこから受ける人柄はちょっと意地悪気味なのかなあと・・・だから作詞中の登場人物もあまり性格がよろしくないのかしら。よく比較されていたらしい中島みゆきと比較すると中島みゆきのほうが知性があって素敵な部分がある気がする。中島みゆきさんの楽曲ってドロドロしてるというイメージもあるけどわりと社会風刺というか、なんか信念のようなものを感じる。ユーミンの世界のほうが実のところはジメジメしてるように思うのだけど。その話はさておき。

 

でもユーミン、なんといっても、とにかく詩が巧い。1曲で物語が完成されるし、光景もわかりやすいし、場面のきりとりがめちゃくちゃうまい。松任谷正隆さんの作る曲もいいし。完成度は高い。

 

大人の洗練された世界観と、近未来的な80年代っぽさのつまった感じが好きだったのだと思う。97年のアルバムでは熟成しすぎた年寄り感のようなものを感じたのかそれ以降ユーミンの音楽を求めることはなくなってしまった。87年含むそれより前の楽曲で好きなものもあるけどそれらはちょっと古臭いというか昔感があって、なんかユーミンの声とあいまって少しおどろおどろしさというか乾いた情念のような若干怖さを感じる。やっぱりキラキラでどことなく切なさもある80年代ぽさを感じる楽曲のほうが好き!本作と89年のLove WARS,90年の天国のドアの3作は特に大好物。

 

 

本作全体だと季節は冬の感じ。CDジャケットのイラスト写真がおしゃれで素敵。この中から好きな4曲。

 

 

リフレインが叫んでる

このアルバムの中では一番有名な曲なので飽きた感はあるけどすごくきれいな一文があって

 

「岬の明かり冴え始める 同じ場所に立つけれど潮風肩を抱くだけ」

この岬の明かり冴え始める、って文がすごい。これで時間までわかる天才。サビよりそれ以外のほうが言葉選びも美しくて味わい深い。

 

 

Nobody Else

 

これも未練がましい内容なんだけれど曲調がしんみりしつつもポップ寄りだから必要以上に暗くならない。冒頭の「通り雨 すべてがあなたに見えてしまう街は」ってところが秀逸。情景が浮かんでそこに心情が載る感じでまとめあげるところが唸る。ユーミンの曲ってやっぱ技巧的。

 

 

ふってあげる

 

これも冒頭からしんみりしつつわりとポップな曲調なのに

「今夜私死んでしまおうかな 脅かしたって帰らぬ心」というぎょっとする歌詞が飛び込んでくる。しかしそれをちょうどよくポップに流して最後には「ふってあげる」と上から目線で強がって〆てくれるから悲壮感なく仕上がっている。やっぱり巧い。

 

 

幸せはあなたへの復讐

 

未練あるのにほかの男とくっつく強がりみたいな話がユーミンの曲にいくつかあって、こういう物語情景浮かぶような歌がほんとうまい。

「心ほどいて」につながる感じか。

 

「昔のように気安くしないで私にはもう恋人がいるの」といってるわりには「いつかこのぬくもりが誰のものでもいいと思うときがくるまで 私楽しく生きるの」ってところがもうこの登場人物の心情を余すところなく描ききっていてほんと作詞の天才だなあと思う。国語の教科書に載せたほういい。

 

冒頭で中島みゆき比較を書いたけど、詩のあざやかさというか伝わりやすさでいえば松任谷由実のほうがいい。中島みゆきはちょっと場面設定がわかりにくいところがある。ユーミンは場面を洗練された表現で的確に届けてくれるある意味明快さがある。