たか坊のブログ -23ページ目

たか坊のブログ

スクリーン印刷の資材・機械を販売している商社を経営しています。

日々の日報を兼ねた記事をUPしています。

お盆休みの前に、このシリーズを終わらせねばなりませんガーン

あ。弊社のお盆休みは8月13日から16日までです。続く土日も合わせると、13~18日は弊社はお休みになります。


では、表題のとおり、プラスチゾルインクの長所「比較的に再生(落版)し易い「耐油性」感光乳剤も使用できる」ですニコニコ

ここで不思議に思われた方もいらっしゃると思います。

プラスチゾルインクは耐油性版にきまってるだろぉおビックリマークガーン



いいえ。


決まっていませんガーン



そもそも、世の中の物質が「油性」か「水性」で分けられるものではないのですが、プラスチゾルインクを「油性」と表現する方は多いです。

も少し面倒くさい話をすると「疎水性=親油性」ではないのですね。



本来は、プラスチゾルインクは耐水性版を使用すべきです。
耐油性版を使って数十枚ではなくひと桁違う枚数をプリントしてみればわかりますガーン


じゃぁ、なぜこれほどまでに耐油性版を使う方が多いのでしょうかはてなマーク


それは、

使い終わった版のインクを綺麗にする際に、何らかの溶剤を使わねば、インクの掃除ができない、

そう思われてきたからですガーン

実際のプラスチゾルインク生産国に行ってみて下さいガーン


プラスチゾルインクを水洗できるようにする材料がございますニコニコ




でも、耐溶剤性感光乳剤の方が、耐水性感光乳剤よりも落版(版の再生)がしやすかったりしますから、これはこれでメリットです。


纏めますと、

本来のやり方は

 耐水性版でプリントし、インクの掃除は専用の溶液を使う。
 落版は少しやりずらいし、専用の溶液は少し高価なんだけど、溶剤臭は一切しないので、隣近所に迷惑もかけないし、自分の健康も気にならない

なんですよガーン

ついでに書くと、

 耐油性版でプリントして、インクの掃除は灯油などの溶剤で済ます。
 落版は少しやりやすいし、刷る枚数はそれほど多くないから良しとする。
 でも溶剤臭がするので、隣近所の目が気になったり、自分の健康も気になってしょうがないガーン


プラスチゾルインクの長所を書くつもりが、なんかそうではなくなってきた気がしますがガーン



もっとついでに書きますとガーン


プラスチゾルインクを水洗できるようにする溶液にも種類がありましてガーン

1.本当に無害なもので作られているもの
2.若干気になるものが入っているものガーン
3.本当は溶剤が入っているけれど、果物の匂いでごまかしているものガーンガーン

1と2は良いですが、3は如何なものかと私は思います。

勿論弊社で販売しているもの は1と2です。




昨日、久しぶりにガーン突然お店にお客様が。

弊社は、常時、全ての商品を在庫していないため、突然のご来店はお客様にとっても大変不便な思いをさせてしまっておりますしょぼん

昨日のお客様も、いつも弊社からシルクスクリーンの材料を納めさせて頂いている「札幌芸術の森 」様からご紹介を頂いたとの事でした。

お話を伺うと、謎の至急のミッションガーンがあってど~しても、急いでインクやその他の材料を用意したいとの事でした。

でも「謎の」って.....ガーン


中には小分けしなくちゃいけないものですとか、ご注文頂いてから作成するスキージとかガーン


無碍に「無理ですビックリマーク」とお答えするのも、と思いまして、近所でお時間をつぶして頂いて1時間弱でご用意させて頂きました。


でも、ほんとに携帯してから来て下さいガーンお願い.....


Kさん。謎のミッションの進行状況は如何でしょうかはてなマーク



と言う事で、プラスチゾルインクの長所「インクの劣化が比較的遅い」に入ります。



ここで「比較的」と書かせて頂いているのはなぜかはてなマーク

1.水性バインダーと比べると遅い
2.プラスチゾルインクは永久に劣化しない訳ではない

という事でございます。


勿論、保管状態にも依る訳ですが(勿論密閉して)、

水性バインダーは、インクの樹脂の性質にも依りますが、大凡半年。夏を挟むと3カ月位です。勿論、これは大幅に短くお話していますガーン保管場所の室温などなどで大幅に長くなります。
対して、プラスチゾルインクは...........................数年ニコニコ

プラスチゾルインクも「樹脂」と「顔料」、「可塑剤」などの合成樹脂ですので、長い間経つと、それぞれが分離し始めます。
インクの上に、水の様な液体が現れ出したら危なくなってきています。
おまけに灯油くさくなってきたらアウトですガーン

ちなみに水性バインダーも、長期間たつと同じような状態になるものが多いです。


こうした様に、水性バインダーよりもプラスチゾルインクの方が、はるかに劣化が遅いのが正解です。

ただ、いずれのインクも、高温多湿を嫌います。
熱乾燥を行う環境と同じ場所に長期間保存するのは考え物ですニコニコ


スタンスのホームページ
少し気を緩めると、すぐ間が空いてしまうこのブログガーン

気を引き締め直さないといかんガーン


と、言う事で、今回からはプラスチゾルインクの長所第一回。「版上でインクが目詰まりしない」です。


ひつこい様ですが、プラスチゾルインクは一定の高温にならなければ一切固まる事はありません。
対して、水性バインダーは常温でも少しずつ固化していきます。

ご存知のように、版のインクが通過する部分は「細かい網の目」が密集しています。ここに少しでも通貨しきれないインクが残っていたらどうなるでしょう?

プラスチゾルインクの場合は、常温では硬化しないので(まだ)大丈夫なのですが、水性バインダーは徐々に硬化する事で版の網々を部分的に詰まらせてしまいます。そして、詰まってしまった部分は、以後インクが通過できないので、被印刷物にはインクが乗らない、という事になりますねガーン


この点から言うと、プラスチゾルインクの方が便利ですねニコニコ


ただ、何点か気になる事がありますガーン

と、言うのは、

インクが版を詰まらせる事は無い=インク返しをしなくとも良い

みたいな認識になっていないのか?と言う事なのです。


巷にあふれる情報には、全く「インク返し」をしていないものが多いのですが、これはシルクスクリーン印刷の基本原則から言うと間違いです。

あ。。。。。。

「インク返し」とは

 スキージングしたスキージを、スキージの角度(向き)は同じままで、インクを逆向きに押し返し、版の孔にインクを埋める

 作業の事です。

プリントの際のスキージングとは違い、インクを落とす訳ではないので、印圧(スキージにかける垂直の圧力)はかけません。インク返しをした直後の版は、あたかもパンにバターを塗った状態ガーンになります。



「シルクスクリーン印刷とは、孔版に一旦貯めたインクを、スキージングによって通過させる技法」

です。


一度お試し頂ければお分かり頂けるのですが、一度のスキージングで落ちるインクの量が変わります。
又、インク返しをしない場合に比べて、無用の印圧の必要が無くなります。


良く見かけるプリント風景に、むやみにスキージをぎゅ~っと押しつけて印刷されているガーン
インクをたくさん落としたいからなのかガーン
物理的に言って、やみくもに印圧を上げると、逆にせっかくのインクを掻き取ってしまいかねませんガーン

版と被印刷物の間の間隔(オフコンタクト)をちょうど0にする印圧があれば良いのです。

このパターンはプラスチゾルインクを使用している場合に多くみかけますガーン
ちなみに水性バインダーを使用している場合は、オフコンタクトをほとんど取らずに、印圧をほとんどかけていないパターンが多いのですがガーン


プラスチゾルインクを使用しているプリントで、スキージングした後のインクを、版枠のハジッコですくい上げて「よっこいしょ」っと、版の一番向こう側まで持っていく・・・・ガーン



と言う訳で、又今日も本題から離れていくガーン




インク返しを前提にして、再度まとめてみます。

プラスチゾルインクは常温で硬化しないので、版を目詰まりさせる事はありません。
 でも、インク返しはしましょうね。それと、インクが固まらないからと言って、掃除もしないで版を放置するのはよしましょうガーン → ここに書きました


水性バインダーは常温で次第に固化しますので、版を目詰まりさせる事があります。
 インク返しをする副次的な効果でこれは遅らせる事ができます。又、水性バインダーの自然固化お遅らせる助剤もあります。 →これ


 昔、歌舞伎の役者さんだと思いましたけどガーンこんな事を言ってらっしゃいました。

 「基本ができてはじめてできる事を独創的と言うのであって、基本もなっていないのにできる事は、我流と言ったり、タマタマとかなんですね」


スタンスのホームページ
4日連続とはいかず、間が空いてしまいましたガーン

それでも、今日のお題にて水性バインダーの長所は終了です。と、言っても、水性バインダーの長所がこれ4つだけと言う訳ではありませんがガーン


最後のお題は、インクの入手性ですニコニコ


水性バインダーは日本製です。
そして、プラスチゾルインクは以前は「アメリカンラバー」とも言われたように、海外製品です。

国内製と海外製。諸条件が一緒であれば、明らかに国内製品の方が入手性が良いのは明らかですねニコニコ


水性バインダーには様々なタイプのものがあります。そして加飾インクも様々なタイプのものが入手できます。

加飾インクには、発泡・ひび割れ・畜光などなど。

でも、プラスチゾルインクにもこれらは有ります。パフ・クラック・ルミ。呼び名がカタカナガーン


良く聞かれるのは、淡い色の生地に風合いを柔らかく(ラバーにならないように)プリントできるインクがプラスチゾルインクにあったらなぁ・・・・
という事ですが、これだって有りますニコニコ

お家の事情と言うのかどうかはわかりませんがガーン
プラスチゾルインクは海外から輸入される製品が故に、使用頻度が低いインクは、長期在庫や、最悪不良在庫になりかねないので、特殊なインクになればなるほど輸入される確率が低くなっているのです。

その点国産の水性バインダーは、よほどの事がない限り長期欠品する事は、まずあり得ません。

特に、海外P社製のプラスチゾルインクは、夏になったら良く欠品しますガーン
これは、メーカーが悪いのではなく輸入元が悪いガーンと私はふんでいます。


次回からは、プラスチゾルインクの長所に入りますニコニコ


スタンスのホームページ

近来稀にみる連続更新でありますガーン

ちなみに、近未来的に新たなサービスを解するために、最近はパソコンのキーボードではなく、ペンを使ってノートにカキカキする事が多くなっています。
ただし、このブログは下書きなしにドンドン書いています。UPする直前に見直しはしておりますがガーン


では、お次の目次は「インクの粘度が比較的柔らかい」です。

これは水性バインダー側から見た表現です。


大雑把に言ってガーン
水性バインダーはプラスチゾルインクより粘度が低く(柔らかく)作られています。

ただし、一部特殊なバインダーは粘度が高いものがあります。例えば「ひび割れバインダー(クラックバインダー)」とかですね。

又、プラスチゾルインクもメーカーの種類によって、インクの種類によって粘度が大幅に異なる場合があります。これは、プラスチゾルインクに使われている可塑剤の種類や割合によって違いが出ています。


粘度の違いは、印刷状態は勿論、作業性にも大きな影響を与えます。

まず、粘度が低いと滲みやすく、硬いとシャープに刷り易い。
しかし、粘度が高いとスキージ圧が余計に必要になり、特に女性がプリントするには不向きなプラスチゾルインクも散見されます。

でも、粘度が低かろうが高かろうが、シルクスクリーン印刷の基本を理解していれば有る程度は対処可能ですニコニコここについては、本論とかけ離れていきそうなので、いつか書きます。



では、粘度が高いインクを柔らかくするにはどうしたら良いのでしょうはてなマーク

まず、巷で時々聞かれる以下の事はよしましょうガーン



水性バインダーを水で薄めるガーン
プラスチゾルインクを灯油で薄めるガーンガーン


どちらも、著しく洗濯堅牢性(接着性)を阻害します。

まずは、木工用ボンドを水で薄めたらどうなりますかはてなマーク
とっても接着力が弱くなる事はお分かりになられると思いますガーン

 水性バインダーは常温でも次第に硬くなってきます。でも、水を添加するのはよしましょうガーン
 専用の添加剤 が有りますからそちらをお使い下さい。


いつか書いたかもしれませんがガーンとっても劣化したプラスチゾルインクは灯油くさくなってしまいます。
それでも灯油を使って柔らかくしますか?ガーン

また、プラスチゾルインクを柔らかくするにはレジューサーを入れる方法も無くはないのですが、隠蔽性を損ねます。要は濃さが減る=インクの色が薄くなってしまうのです。

レジューサーを入れたがために、黒のシャツに白くプリントしようと、何度スキージを動かしても白くならない。なんて事態に陥ったりしますしょぼん

プラスチゾルインクの粘度を落とすには、まずは、インクを練る事ですニコニコ
プラスチゾルインクは練れば練るほど柔らかくなりますから、ヘラなどでまずは突っつく事から始めましょう。


「インクが硬くて疲れる」
「インクが柔らかくて滲んじゃう」
「インクが硬いのか、うまく(版を)通過しない」

プリントの際に使っているものは、インクだけではありませんから、単にインクの粘度のせいだけではない事が多いです。
スキージの硬さも関係してきます。
版の設定の仕方も関係してきます。

これって、お客様から良く状況を聞いてみないと適切なアドバイスができません。
でも、インクの粘度も関連しているのも確かな事です。


弊社のホームページ