撥水生地にプリントできる添加剤 | たか坊のブログ

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スクリーン印刷の資材・機械を販売している商社を経営しています。

日々の日報を兼ねた記事をUPしています。

前々回の記事 に書いてしまった性なのでしょうか、ここ最近ご質問・お問い合わせが莫大に増加して、非常にてんやわんやになっているあたくしガーン


やはりご質問が多い内容は「こんな生地にプリントしたら剥がれてしまうんですがどうしたら良いのでしょうか?」というものです。

色々やりとりさせて頂くなかで、非常に残念に思うのは「販売しておいて、お客様が困ったら解決できないところが多いのね」という事ですプンプン


そういった話はとりあえず置いといて


本日、緊急に弊社のホームページの「ある」ページ の文言を修正・追加しました。


発端は、プリントされている方からのお問い合わせで、弱撥水布ナイロンにプリントする為、プラスチゾルインク に弊社からお求め頂いた「ナイロンボンドエージェント 」を添加して使用したが、少し強く擦るとそのうち際が剥がれ、そうなると一気にペロリンと剥けるように剥がれてしまうという現象が起きたからなのですショック!


そもそも「撥水加工」は異物を接着不能にする為の加工です。「水」という文字があるので勘違いされやすいのですが「油性」の物は簡単にくっついてしまうという訳では有りません。


ここを詳しく説明すると、とても長くなってしまうのでいつの日かに譲る事にしましてガーン


このお客様と何度もメールや電話でやりとりさせて頂いた挙げ句、

結果は弊社で効果が確認できていない「プラスチゾルインク」だったのでしたガーン


そもそも、ナイロンボンドエージェントは「アメリカ製のナイロン生地」に接着できるようにする添加剤です。日本製の(弱撥水)ナイロン生地への保証はどこにもありませんガーン


ただ、弊社が確認しているプラスチゾルインクでは「撥水の程度」によってほぼ確実に使用できるという事なのですニコニコ


そして、本来は各メーカーそれぞれが自社のプラスチゾルインクに最適とした添加剤を用意しています。

カナダランサー社(エクスキャリバー)にはX150ナイロンボンディングエージェント
ポリーワン社(ウィルフレックス)にはハガーキャタリスト
という商品があります。


それぞれが、推奨添加量が違い、取り扱い方法(乾燥や保管期限など)も違います。

当然と言えば当然です。

プラスチゾルインクはPVCと可塑剤、その他の混合物で、それらの組成比率がメーカーによって違うからなのです。


また、ナイロンボンドエージェントの主な効果は「プラスチゾルインクをより硬く硬化させる」という事であり、弱撥水に密着(接着)させる効果は副次的なものであるという事です。

びっくりされるかと思いますがガーン


ナイロンボンドエージェントは主成分はイソシアネート基でできていて、これはポリオール類を架橋します。ポリオール類のなかで一番組成が簡単な物質が「水」です。
なので、ナイロンボンドエージェントを開封したまま放置しておくと、または容器の開閉を繰り返すほど、空気中の水分と反応してナイロンボンドエージェントは劣化します。はい、辻褄が合っていますよねニコニコ


繊維製品は拡大してみれば繊維の集まりです。
どのようなインクも、これらの繊維に絡みつくようにして入り組み、そして硬化します。

撥水加工された生地に対しても同様です。
極微細に細かく絡みついたインクも強固に固めてしまう事で密着を良くしている、という事に他なりません。


長々と書き連ねましたが

弱撥水生地とナイロンとは決して同一の物を指しません。「弱撥水」は(付加する)加工方法であり「ナイロン」とは繊維の物質名ですからガーン

日本で言えば、ほとんどのナイロン製品は撥水加工されていますが、アメリカでは撥水加工されていないものも多くあります。


プラスチゾルインクには「ナイロン用」という製品もありますが、それは「アメリカ製(撥水加工無し)のナイロン用」です。


撥水加工された素材にプリントする際、ナイロンボンドエージェントの効果がきちんと発揮できるプラスチゾルインクを確認した上でお使い下さい。


弊社にお問い合わせ頂ければ、今お使いのプラスチゾルインクで可能かどうかはお知らせ致しますニコニコ

ちなみに、弊社で確認している「アメリカ製」のプラスチゾルインク(低温硬化型を除く)では、ほとんどが使用可能です。



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