
で、外回りもままならないので事務所で色々作業をしております。
「シルクスクリーン印刷は水と空気以外何にでも印刷可能です」

まぁ、厳密に言うとそうでもないんですが

では
「一度シルクスクリーン印刷すると二度と剥がれません」
は如何でしょうか

この問いはとても微妙

素材に対して、適したインクを使用していれば、この問いは正しい事になりますが、全く不適切なインクを使うといとも簡単に取れてしまいます

接着の原理を応用すると、印刷物とインクが化学反応を起こす結合であれば、剥がれる事は無く、
もし剥がれたように見えたとしても、それは印刷物が破壊されているだけです。これを「被着剤の破壊」と言います。
適さないインクを使って剥がれた場合、これは印刷物とインクの境界面で剥がれているので「接着破壊」と言います。
もう一つ、接着はしたけどインク表面が薄膜の様にこそげ落ちてしまったような

これは「凝集破壊」
簡単な例をあげると、
紙用のインクでステンレス板に印刷しました。
剥がれます

紙とステンレスが全く違う物質という事は容易に想像できます

この場合、ステンレスに刷ったインクが剥がれたのは「接着破壊」
紙に、ちゃんと紙用のインクで刷ったんだけど、爪でガリガリ擦ったら取れちゃったよ・・・という場合
これは紙が壊れている「被着剤の破壊」
ちなみに「取れちゃったよ」ではなく「あんたが無理しゃり取ったんでしょ


さて、わが社の得意な繊維製品に使うタイプのインクはどうでしょうか

繊維にも綿・ポリエステル・ナイロン・レーヨン・・・・・・色々な素材が有りますから、適したインクを使えば「接着破壊」は起きません。
勿論無理しゃり擦ったら被着物の破壊、すなわち糸がボロボロになってしまいます

でも、そうしても取りたい時って有りません

そうです、これが今日の本題です

はい
完全に固まったプラスチゾルインクにはこれ

そして、
完全に固まってしまった水性バインダーにはこれ

印刷に失敗してしちゃったけど、新しい素材を用意するには時間が足りないよ
とか
版に小さな穴(ピンホール)が空いていて、余計な印刷ができちゃった部分があるよ
とかいう時に
インクを接着破壊させます

ようは、綺麗に落とせます。
但し、ただしです
これを布などに含ませて擦っただけでは完全に落ちません

と言うのは、繊維製品は「編まれた」ものです。細かい糸の間に入ったインクをほじりだす事が必要になってしまいます。
そこで
これ

この「がん」を使うと簡単に取れます。
先日もお聞きになられた方がいらっしゃられたのですが、
ホームセンターや画材商で販売されている塗料を吹き付けるタイプのものでは無理です

必ずお話しするのですが、塗料用のスプレーを買うのであれば損を覚悟で試して下さいねってことになります

決して安いものではないんですが、お仕事として長い事お使いになられるのであれば相応の価値のあるものです。
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