撥水にプリント | たか坊のブログ

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スクリーン印刷の資材・機械を販売している商社を経営しています。

日々の日報を兼ねた記事をUPしています。

寒くなってきたのでジャンパーやブルゾンの季節です。

と、無理やり本日のお題に関連させてみますガーン



ナイロンのジャンパーと言えば撥水加工されているのが常ですが、Tシャツやポロシャツなど、綿100%やポリエステル混紡(100%も含む)などの生地と違って、撥水加工されたナイロンの生地には普通はインクが密着しません。

別の記事で書いたので詳しくはそちらをご覧頂ければと思うのですが、撥水加工された物質に何かをくっつけようとしても、その「接触角」が小さくなるのでくっつかないのです。説明をとっても簡略化しましたガーン


とにかく、水性バインダーは勿論、プラスチゾルインクも溶剤型インクも接着しづらくなります。


今回、御相談頂いたお客様は、普段、プラスチゾルインクをお使いで、弱撥水のナイロンブルゾンに印刷したのだけれど、他販売店から「ナイロンボンド」を購入して使用方法通りプリントしたそうです。

そうしたら、剥がれたそうですショック!


プラスチゾルインクは、ナイロンボンド を添加して使用することで、撥水繊維にも密着させる事ができます。
が、撥水の度合いも問題なので、超撥水など、撥水度合いが強くなれば密着しない事もあります。
しかし、お聞きしたところ、今回のブルゾンはわが社の経験上でも問題なく密着可能なものです。

実は、このお客様、以前わが社にお問い合わせ頂き、わが社からナイロンボンドをご購入になられたいとの有りがたいお申し出を頂いたお客様。

しかし、現在お使いになられているプラスチゾルインクは、わが社で取り扱っていないメーカーでした。
原理上では問題は起きないと解ってはいたのですが、念のため
「わが社で検証が取れていないので。これまでインクをお買いになっているお店から、検証の取れているものをお買い求め頂いた方が万全ですよ」とお話していたのです。


通常、この種類の商品は、プラスチゾルインクメーカーで微妙な違いは有れど用意されています。

ただ、シアノ系のものなので、空気中の水分を吸収すると劣化(硬化)が始まってしまいます。
ですので、容器を開け閉めする度に劣化が進行します。
この度合いは商品によって微妙に違うので、わが社ではユニオン社のナイロンボンドをお勧めしています。


さて、戻って、先のお客様は、購入先に「どうして剥がれるのか」を聞いたそうなのですが、お答えは次の通りだったそうです。


・ナイロンボンドを添加してプリントした後は、熱乾燥後「5日経たないと」硬化しません

如何なもんでしょうかはてなマーク

お客様は困っておられました。5日間も商品を放置しておかないなんて、仕事にならないショック!

私もそう思います。それに、そのような条件が在るのなら、事前にお客様に説明しておくべきです。


このお客様にはナイロンボンドとエクスキャリバーインクのサンプルを少量ですが送らせて頂きました。
今お使いのインクの検証が取れていないので、エクスキャリバー+ナイロンボンドでの密着を確認して頂いたうえで、お持ちのインクにも添加してお試し頂こうと思ったからです。



このブログを書き始めた頃は、結構他社さんの批判を書いたりしていましたが、最近は温厚になっていたはずなのにガーン今の私はとても、腹にすえかねています。


実名は出しません。が、


販促の為でしょうが、ネット上に色々な動画を載せている時間を、少しでも自社商品の検証などに当ててみたらいかがでしょうか?
プリントスクールを開講しておられますが、本当に大丈夫ですか?


撥水にプリントされようとしている方々。
乾燥条件・使用方法など、念入りにお聞きの上ご購入なられた方が宜しいと思います。


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