

何日振りでしょうか


これまで何度か「インクの隠蔽性」に関して書いた事が有りますが、このブログも少しずつアクセスして頂く頻度が増えてきておりまして、検索ワードにも「隠蔽性」というものが頻々と使われていたりします。
で、ありがたい事に、お電話やメールでお問合わせ頂くことも多くなって来たのですが、
色々とお話を伺っている内に、お悩みの本質はインク自体の隠蔽性ではなかったりする事が度々有ります


って~のは、
勿論、「インク自体」にはそれなりの隠蔽性が無くては話にはならないのですけど、
簡単に列記してみますと
1.ポリエステルの素材に印刷して再昇華(ブリード)してしまっている場合
2.途中に中間乾燥を入れずに、スキージングを何度も繰り返して「濃くならない・・・」とお悩みの場合
3.オフコンタクト(版と生地の隙間)を全くあけずに刷っている場合(※この場合はバインダーの粘度との絡みが有ります)
が多いです。
そして「インク自体」の問題として
3.濃色生地(黒・青・赤など)にプリントする際に、透明のバインダーに水性顔料を添加している場合
4.胡散臭いインクを買ってしまっている場合

他に細かい事を言えばもっともっとありますが

隠蔽性を求めるのであれば、インク自体の隠蔽性を見直すと共に、少なくとも上記の5点を見直してみてくださいね

1に関しては、これまでに何度か書いていますからその項をご参照頂くとしまして、
本日は「2」に関して書きます。
理論的には中間乾燥をいれずに、何度も何度もスキージでインクを落とせば「それなりに」少しずつ色は濃くなって行きます

勿論、インクやバインダーの粘度にもよりますし、使っているシルクスクリーンの番手にも因ります。
ジャギーを考慮した上で、なるべく低番手をお使いになれば、一度に落ちるインクの量は増えますから、その分スキージング回数も少なくて済みます。
当然「3」のオフコンタクトを取ったほうがインクは多く落とせます。
ナイロンなんか、熱乾燥を途中に入れたら生地が微妙に縮んじゃいますから

ブリードを起こしそうなポリエステルは、熱かけたくないですし

スキージのを柔らかめに替えてみるとか(同じ印圧で使えば、スキージが寝るのでインクが落ちやすい)
スキージのエッジにかる~く鑢をかけるとか
ひょっとしたら、印圧が水力にかからずに、生地を毛羽立たせている性かも知れません

本来、スキージングは「引っかく」ものではなく、インクを波の原理の様に「ローリング」させて孔版の「孔」に落とし込んであげるものですし

問題の本質を見極める事が大切です

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