マンセルの和食の店は、連日客入りが多く。
地域でも有名な繁盛店だった。
その店に、住み込みでまかない付きで、洗い場回りの
仕事(追い回し)の仕事からスタートしたグラハム。
一人前の料理人になるにはまだまだ先の様にも思えるが、
繁盛している店内。
お客1:ここのお寿司がホントに美味しいんだって!
お客2:ちょっとお値段が高いんじゃないの・・・?
もしゅもしゅ:へい!ミッツねえさん!
ヒラメのエンガワおまち!
ミッツ:これよこれ!礼華!!このエンガワには目が無いの
アタシ・・・。
礼華:あたしはサーモンが欲しいわ・・・。
ミッツ:イケメンに握ってもらうお寿司ほど、美味しいモノは無いわねw
もしゅもしゅ:ミッツねぇさん、ぼくはそんなにイケメンじゃないですよ。
ミッツ:大将~wおたくのイケメンが、イケメンって認めないわよぉ~w。
マンセル親方:家はお寿司を顔で握って無いので、弟子の腕を褒めて
やってくださいよw。
ミッツ:親方のイケメンも見て食べるから美味しいんじゃないのよw!
マンセル親方:それはそれはw毎度あり!
もしゅもしゅ:創作料理の方はどうしますか!?
マンセル親方:こっちでやるから、表を頼むわ!
もしゅもしゅ:へい!
そんなカウンターでの、お客さんとの会話には一切参加せず。
グラハム:ごしごしごし・・・。
礼華さんも、厨房で働くグラハムくんを脇目に見ていた・・・。
礼華:ところで、こちらの職人さんは新入りさんなんですね!?
グラハム:は、はい。今日からお世話になります。グラハムです。
礼華:がんばってね!
もしゅもしゅ:とうとう、オイラにも下ができたっていうか・・・。
今までいたのが腰抜けばっかりでさぁ・・・。コイツもどんだけ
やれるかねぇ・・・楽しみっちゃぁ~楽しみだぁ。
グラハム:がんばります!
もしゅもしゅ:頼んだぜぇ~い!
マンセル親方:グラハムくん!さっき作ったまかないのお味噌汁。
こちらのお客さんに提供してみてご覧なさい。
グラハム:い、い、いいんですかw?
もしゅもしゅ:親方!いきなりいいんですか!?
マンセル親方:もちろんだとも、当然。まかないだから、お代は
頂けないが。店からのサービスだよ。
礼華:お味噌汁、頂けるかしら。
グラハム:それでは・・・準備します・・・。
さっき作ったばかりの、まかないで出すお味噌汁。
もしゅもしゅ:気をつけろぉ~、手元が震えているじゃないか!
ミッツ:そりゃそぉ~よぉ~!いきなり出せって言われてもねぇ~。
グラハム:親方!これでよろしいでしょうか?
マンセル親方:ん!まあ、良いだろう!
もしゅもしゅ:早いな・・・。
ミッツ:良い匂いがしてきたわね・・・wアタシにも頂けるかしら?
グラハム:親方、ぼく・・・初めてお客さんに・・・ぼくの料理が・・・。
マンセル親方:自信持って出しなさい。親方が認めたんだから。
もしゅもしゅ:お前、すげぇ~なw!
マンセル親方:料理は教わるよりも、その人のセンスの問題でもある。
今日のまかないはなかなかだったぞ!
マンセル親方:まあ、そういう訳ですから。常連のお客様に
新入りのご挨拶代りに飲んで行ってくださいな。
良い線行っていると思いますよ。
マンセル親方:さ、お出しして。この分はお代はいりませんよ。
私からのサービスですから・・・。ご遠慮くなくどうぞ。
礼華:まぁ~・・・美味しい。このお味噌汁・・・。
この時の出会いが、この二人の運命を結び付ける事になるとは・・・。
もしゅもしゅ:お~っす!お疲れさん!
グラハム:お、お、お疲れ様です!
もしゅもしゅは、グラハムの肩をポンと叩いた。
もしゅもしゅは、グラハムの背中からささやいた・・・。
もしゅもしゅ:あのさ・・・今日一緒に来ていた。オカマじゃない方。
あの子な、オレタイプなんだよぉなぁ~w・・・。
グラハム:えっ!?そーなんですか?
もしゅもしゅ:だからよぉ~。手ぇ~出すなよw。
しかし、それから3カ月後・・・。
もしゅもしゅは、礼華さんに告白するも。
あっさりと断われる運命だった・・・。
そしてある日の事だった・・・。
礼華:あの~・・・グラハムさん・・・。
グラハム:どうしましたか・・・?
礼華:今度のお休みの日に・・・映画とか観に行きません?
礼華:もちろんよw!
グラハム:良いですよ・・・。水曜日が定休なんで・・・。
グラハム初めての恋は、そのまま成就して・・・。
まだまだ一人前には遠いが、この頃から二人は将来を約束
しあっていたのだった・・・。
明日引き続き、【舞台:65年目の恋文(ラブレター)第3幕⑩】
をご覧ください。






















