この違いを理解しておくことは物理学・工学を勉強する上で重要なのですが、まったく知らないというパワエレ技術者も少なくないようです。
というわけで、パワエレ技術者としてこの違いをどのように理解しておくと良いかを解説します。
●分布定数回路
空間的な位置が違えば、それぞれの位置の物理量が違う回路モデル。
当たり前のことを言ってますよね。
つまり我々が通常見ている空間は分布定数回路です。
数学的には
f(x,t) g(x,y,z,t)
こんな関数で物理量が表されます。
●集中定数回路
空間座標という概念を用いずに記述できる回路モデル。
オームの法則やキルヒホッフの法則に空間座標はないですよね。
つまり基礎的な電気工学は集中定数回路であり、パワエレも基本的に集中定数回路で扱います。
数学的には
v(t) i(t)
こんな関数で表されます。
どういうことかというと、電気や電磁波というのは有限の速度で伝わるために空間的な差異が存在するので「分布定数回路」で表現されますが、これを無限に早い速度で伝わり空間的な差異が存在しないと「近似」したのが「集中定数回路」です。
通常のパワエレはこの近似したモデルで扱うことができるので「集中定数回路」で考えますが、この近似モデルでは誤差が大きすぎる場合(周波数が非常に高いなど)は「分布定数回路」で考える必要があります。
特に、ワイヤレス給電を理論的に扱うためには、最初にどちらの回路モデルで考えるのかを明らかにしておくことが重要です。
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