思春期を通り過ぎるために | メルボルン ベビーシッター&子育て奮闘記

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オーストラリア メルボルンにて、2009年2月生まれの娘ローズと、2013年8月生まれの息子ディー君の子育てに励む日々。

メルボルンでベビーシッターサービスを提供しています。

先日、ブログにも書いた「舞い降りてきた本」ですが、

「拒食症と過食症 困惑するアリスたち」

(著者:山登 敬之氏)

という本です。
そこに、わたしが最近感じていたことが、本当にうまく表現されていました。

いつどこで買ったのかもらったのか記憶にない、突然見つけた本ですが、
そこにこんな表現がありました。

”病気(拒食症)は、少女たちや親たちにこう告げているのだ。
「いままでのやり方では、この先きつくなってきますよ。そろそろなにか新しい方法を見つけなくては」
かくして、拒食症の回復過程は、その「新しい方法」を探す試行錯誤の道のりに重なってくる。

それはなにも病気に限らず、子どもが思春期を経て大人になるときにだれもが通るあの道のことなのではないか。
拒食症が治るということは、思春期を生きることと同義である。

病気という非日常的な経験が、その道筋をはっきりと照らし出しているだけだ。”

”拒食症の少女たちは、病気にならなければその道を通れなかったということなのではないか。
いろいろな事情から思春期を上手に通り過ぎることができず、その手前で、あるいはそのただなかで立ち尽くす子供たちがいる。
彼らのうちのある者は、自らの成長のために病気を必要とするのである。”

”子供の精神科領域の病気には、子どもの成長のプロセスを修正したり促進したりする機能があると私は思っている。”

 

(以上「拒食症と過食症 困惑するアリスたち」より引用)

 

専門家が難しいことを述べている、と言ったらそうなのですが、

でも、この部分はわたしにとってすごく響きました。

 

前回書いたブログにもつながるのですが、

娘の拒食症は、思春期を迎えた娘が、これまでの生き方ではもう無理です!と悲鳴を上げて、

母親であるわたしに、必死に助けを求めているのではないかと思うようになりました。

 

そんな辛い思いをさせてしまった自分の子育てを、後悔してもしきれませんが、

でも、わたしも、最大限頑張っていました。

ただ、自分のことを後回しにして、その不満を心にためながら子育てをしてきたため、

それを、そのまま、娘が真似してしまったのでしょう。

 

どんなに辛くても、弱音も愚痴もはかず、ただただ、優しく完璧な娘としてわたしを支えてくれていました。

でも、そんな自己犠牲の精神で、そのまま大人になれるわけがありません。

もしなったとしたら、自分の欲しいものも好きなものもわからない、幸せさえわからない、

人の顔色を窺い、人から評価されることだけが喜びの、自己肯定感の低い大人になってしまったでしょう。

 

それ、まさしくわたしです。

ブログでも時々顔をだしていた、自己肯定感の異常に低い、人からの評価がないと何の価値も感じれない、

自分を愛することがすごく難しい困った大人です。

 

情けないことに、わたしは、娘に自分と同じ道を進ませようとしていました。

 

でも、娘はここで、爆発してくれました。

わたしはママの言いなりにはならない、と、立ち上がってくれました。

 

ただ、その方法が、その時の娘にとって一番コントロールしやすかった、

「食べない」ということだったのでしょう。

 

そして、なんでも完璧に、人より優れた結果を出してきた娘にとって、

この拒食症も、完璧にやりとげようと思っているのかもしれません。

もしこれが競争なら、きっと、水さえ飲まない娘の徹底ぶりは、上位に入るのでしょう。

 

そして、この地獄からどうやったら抜け出せるのか、

わたしも娘もわからないまま、専門家のアドバイスも何も効果がないまま、

ずっと苦しんでもがいている状態ですが、

 

でも、この辛い日々の中、

「娘の成長のために、未来の幸せのために、この病が必要だった」という考えは、

かすかな光と救いを与えてくれます。

 

いつか、一緒にこのトンネルを抜け出る日が来ることを夢見て、

娘と一緒に、闘っていこうと思います。

 

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秋休みに入り、息子にも楽しい時間を過ごさせてあげたいと奮闘しています。

娘は入院中で、付き添いのために一人にする時間も増えますが、

お友達にも協力してもらって、なんとかスクールホリデーを乗り切ります。

 

今週末娘が退院できるかもしれないので、

どれくらい家で過ごせるか分かりませんが、親子3人でまた近場に出かけられたらいいなと思います。

 

そして、今年の目標は、娘も一緒に日本に一時帰国すること。

わたしの両親は娘と5年以上会っていません。(コロナもあったので、、、)

なんとか体調を安定させて、1週間でも良いので、日本に帰れたら良いなと夢見ています。

 

 

・・・闇に飲まれそうになることも何度もあるけれど、

わたしがくじけるわけにはいきません。

前を向いて、一歩一歩、歩いていきます。