「Mr. ゲイジャパンが語る"性教育"(オンライン)」開催報告 | パンセクシュアルで四児の母☆よしのあいのブログ

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にじの絲 代表理事☆有機野菜食堂わらしべスタッフ
性の話とお酒と食べること好きです。



一昨日(3/31)、初代Mr.ゲイジャパンであり現役の高校教師であるSHOGOさんをゲストにお招きし、オンライン座談会を開催しました。
内容の一部を紹介します。

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オーストラリアの学校は、日本で中学校にあたる学校がなく小学校6年・高校6年で構成され、15歳までが義務教育とされている。

性教育に関しては国からの指示やカリキュラムは大枠しかなく(ほぼないようなもの)、学校単位で(校長先生の意向により)自由に決められる。

セックスの経験率が高い学校では早い段階で避妊や性感染症予防等について伝えなければならないが、国が細かいカリキュラムを決めてしまうと現場の先生の制約も増えてしまうため、大雑把な方がやりやすい。
自分たちで授業をつくった方が、最新の情報でフレキシブルに対応出来、子ども達が知りたいこともダイレクトに伝えられる。
専門的な医学用語ではなく、子ども達が日常で使っている言葉でわかりやすく伝えている。

誰が性教育を担当するかについては、教員・養護教諭・外部の専門家など、その時の学校の予算や状況に応じて決める。

家庭の事情で性の授業を辞退(事前に同意を取る)することも出来るが、そのようなケースはほとんどなく、すでに家庭で話しているので学校でわざわざ受ける必要はないという理由で辞退する場合もある。

オーストラリアの家庭では、(日本と比べて)性についてわりとオープンに話している様子が見受けられる。

初潮を迎えた時に、お赤飯を炊くような習慣はない。
日本でも初潮⇒お祝い⇒赤飯と一辺倒にやるのではなく、本人の意思を確認してからがいいのでは?

生徒が本名以外の名前で呼んでほしい場合、公的な書類以外の日常で使う出席簿などの名前の変更は、本人の自己申告でOK
公立私立問わず制服はあるが、性別での区分けはなく自由に選べる。髪型も自由。
授業中にお化粧する男子生徒に対して、「お化粧すること自体は否定しないけれど、授業中はやめてね」という注意をする。


カミングアウトをする必要がない。
そもそもが多国籍で宗教も様々なので、わざわざみんなの前で人種やセクシュアリティを公表する必要もない。
オーストラリア人は他人にあまり興味がないので、カミングアウトしたところで「だから何?」という感じである。
日本では、カミングアウトしなければ「ヘテロセクシュアル(異性愛者)である」という前提になってしまう。
セクシュアリティは流動的であり、高校生は性に多感な時期でもあるのでいろいろ試したいという生徒も多い。

どの宗教でも、性に関して教えてはいけないというものはないように感じる。
イスラム教徒の生徒がいつも頭に巻いているものをある時外してきて「なんで?」と聞いたら「暑いから」という返答だった。
人によって信仰心の強さも様々である。移民だからということもあるのでは?

学校・家庭以外に数多くのコミュニティグループ(居場所)があり、マイノリティだからといって、一人で悩むということはあまりない。
居場所がありすぎて混乱するほどである。

選択制の科目が多いため、1人の生徒に対して10人前後の先生がかかわっている。
いろんな先生が見ているので、生徒の変化にも気付きやすい。

学校に死角がなく、トイレの前にはセキュリティカメラがあり、先生は休み時間も見回りをしている。
生徒たちが隠れてコソコソというのがやりにくい状況。
日本の学校は死角だらけ?

日本にはカウンセリングを受けるという文化がない。
オーストラリアの学校には毎日、スクールカウンセラーが来ている。
教員も年4回カウンセリングを受けられることになっている。
休みも取りやすく、いちいち休む理由を言わなくてもいい(聞いてはいけない)

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長文ですが、これでも一部です(笑)

お話をお聞きして、参加者さんが調べてくださった去年の幸福度ランキング(オーストラリア10位、日本58位)に顕著にあらわれているなと感じました。
自分自身が多様な人間の一人だと自覚して生きることは、マイノリティのみならず誰もが幸せになるために必要なことなのだと思います。

SHOGOさん、大変興味深いお話をありがとうございました!
参加者のみなさま、延長戦まで長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。
第2弾も企画しますので、ぜひ次回もよろしくお願いいたします。