「成人のことば」虹色の式典in彩の国さいたま☆2020.1.25 | パンセクシュアルで四児の母☆よしのあいのブログ

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にじの絲 代表理事☆有機野菜食堂わらしべスタッフ
性の話とお酒と食べること好きです。

ありがたいことに・・

「成人のことば聞きたかった!」

「動画ないの?」という声をかけて頂いたので、動画はありませんが原稿そのままアップします。

 

 

「成人のことば」虹色の式典in彩の国さいたま 第4回LGBT成人式

2020.1.25

 

吉野愛と申します。私はパンセクシュアル当事者です。

数年前にパンセクシュアルという言葉を知り、自分のセクシュアリティがバイセクシュアルよりもパンセクシュアルの方がしっくりくるなと感じました。

男性女性どちらの性も性的対象となるバイセクシュアルに対して、好きになった人がたまたま女性だったり、男性だったり、トランスジェンダーの方だったり、インターセックスの方だったりと、相手の性自認・性的指向に関係なく好きになるのがパンセクシュアルだと思っています。

ですがこれは私の感覚なので、同じパンセクシュアルの方でも微妙に解釈が違うこともあります。性はグラデーションなので、それでいいと思います。

 

私が自分のセクシュアリティを自覚したのは中学生の頃です。

部活の先輩やクラスメイト、先生・・異性同性問わず好きになりました。

同性を好きになる自分はおかしいと思ったことはなく、ただ恋をすることを楽しんでいたように思います。

高校生になると、この気持ちを誰かに話したいと思うようになりました。でも家族には、セクシュアリティの話以前に自分の気持ち・意見・困ったことなど気軽に話せる関係性ではなかったので、カミングアウトしたいとも思いませんでした。

仲のいい信頼できる友人に話すことを決め、ドキドキしながらカミングアウトすると「へーそうなんだ」「びっくり!!」「えー変わってるよね」という反応が返ってきました。

でも、変わってることが悪いことだとは思わなかったので、特に傷付くこともなく、それからは性別問わず恋の話をするようになりました。

 

 

私が女性のパートナーとお付き合いしている時、ヘテロセクシュアルの友人カップルと遊園地でダブルデートしたことは、いい思い出です。私が大好きなパートナーを友人に紹介して、一緒に出かける・・・こんな当たり前のことがとてもうれしかったのです。今まで特にセクシュアリティのことで悩んだという自覚はなかったけれど、当たり前のことが当たり前に出来ていなかったからこそ、こんな気持ちになったのかなと今は感じています。

 

私は父が50、母が43の時に生まれました。15歳上の姉がいますが、歳も離れているせいか一人っ子のように育ちました。父は中学の数学教師でした。

両親には会話がなく、私は母から預かったメモを父に渡す役目でした。子育てに無関心な父に対し、母はいつも気丈にふるまい、とても厳しかったことを思い出します。私はいつも大人の顔色をうかがい、自分の感情は出すことは滅多になく、おとなしい子どもでした。

小学生になるといじめたりいじめられたり、中学生で不登校、高校生で万引きで補導され、万引きはやめたものの今度は援助交際をはじめました。その場限りでも、一瞬でも誰かに必要とされている実感が欲しい。私が生きていることの価値を必死に探していたように思います。時々死にたくなると私なんかエイズで死ねばいいんだと思っていました。

服も脱がずに手をつないでただ一緒に寝るだけでいいという、やさしいおじさんもいましたが、性欲のはけ口として道具のように扱われ、騙される出来事がありました。それはとても辛く悲しい経験でしたが、その出来事で私は何をやっているんだろう・・と我に返ることが出来ました。HIVと性感染症の検査をしっかり受け、もう援助交際は2度としないことを自分に誓いました。

 

小さいころから高齢の両親に早く孫の顔を見せてあげたい!早く結婚して子どもを産まなきゃ!と、ずっと思っていた私は、男性とお付き合いしていた23才で授かり、結婚しました。

当時は親のための結婚、そして現実から逃げるための結婚でもありましたが、大好きなこの人と一緒になりたいと思ったのも事実です。

私はパンセクシュアルではありますが、男性とお付き合いしてまともに続いたのは今の夫だけです。

 

私は、両親や姉にはカミングアウトをしていませんが、夫と子ども達には、パンセクシュアルだということをオープンにしています。自分のことを理解してほしいという気持ちよりも、何でも話してほしいので私も何でも話すよというスタンスでいたいからです。

と同時に、身近な家族に話せても話せなくてもいい。理解されても理解されなくてもいいとも思っています。

親や生まれてくる環境は選べないけど、これからつながる人、友人やパートナーは自分で選べます。血のつながりも一つのご縁ですが、親に対しては今まで産み育ててくれてありがとう!以上・・でいいと思っています。

親とこれからも付き合いたければ付き合えばいいし、付き合いたくなければ付き合わなくてもいい。

子どもは、無意識に自分を犠牲にしてまで親のために生きるものです。でも、親のためになんて生きなくていいんです。自分が自分らしく生きれば、それでいいんです。

 

私のように異性と結婚していると、日常的にカミングアウトをする必要はほとんどありませんが、子どもたちからは「〇ちゃんは男になりたいんだって」とか、親から「女のくせに!」と言われて入りたい部活に入れなかったというリアルな話を聞くことがあります。でも、そんな話を聞いたこともそんな人に会ったこともないという人は、LGBTなんて身近にはいないよねと言います。だからこそ、ここにいますよ!と声をあげていきたいです。

そして、カミングアウトするしないは自由だけど、話したい!と思った時に当たり前に話せる人がそばにいること。カミングアウトという言葉を使わなくても、パンセクシュアルとかヘテロセクシュアルとか、セクシュアリティの話が普通に出来る。そんな世の中にしたいと思っています。

 

私は今、LGBTを含むすべての人がその人らしさを尊重し合える社会、性と命の健康と権利が守られる社会を作っていくためのNPO法人を作るために準備をしています。

今までの経験を生かしての活動なので、過去の人生に悔いはありません。よく過去は変えられないと言いますが、今どう生きるかで過去の意味付けは変えることが出来ます。私自身に悔いはなくても、子ども達や若者には同じような経験をしてほしくはありません。そんな想いが活動の原動力になっています。

 

レインボーさいたまの会ではチームときがわとして、パートナーシップ制度の要望書・請願書の提出に関わらせて頂きました。そこでの目的は、パートナーシップ制度を作ることでしたが、そこでいろんな人たちに出会えたことが私にとってはとても意味のあることだと思いました。

署名活動でも、署名の数を集めることよりも、この問題を話題にするきっかけになったこと、普段セクシュアリティの話をすることもないママ友たちともこの話題について話せたことが大収穫だと感じました。

パートナーシップ制度の導入という結果ももちろん重要なことです。でも、制度が導入されていてもいなくても、理解が進んでいてもいなくても、セクシュアリティのことや性のことついて、「今日ごはん何食べる?」と話すくらい当たり前に話しあえたらいいなと思っています。

 

私は、二十歳の成人式には出席していません。大雪の中、自転車を転がして新聞配達をしていました。でも、今日こうして生まれ育ったこの川越で成りたい人に成る成人式に出席出来たこと、「成人のことば」という貴重な機会を頂けたことを本当にうれしく思います。

ありがとうございました。

 

☆イベント☆


クラン女子会
「恋愛、性、パートナーシップ」
やすこだま×よしのあい
2/6(木)10:30-12:00
@まるさんかくコーヒー
https://facebook.com/events/s/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E5%A5%B3%E5%AD%90%E4%BC%9A%E6%80%A7%E6%81%8B%E6%84%9B%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%95/476172936618074/?ti=cl

 

 

コビト族と行く!大人の社会科見学❤️
2/8(土)16時~
@TENGA STORE、VIBE BER
https://www.reservestock.jp/events/403857

 

 

武蔵ワイナリーマルシェ出店
2/16(日)
@小川町武蔵ワイナリー

 

 

2/17(月)10時~
NPO法人設立総会
@都幾川公民館