レストランの意外な特等席ってどこだと思いますか?
私の場合ですが、キッチンに近いサーヴィスの方が必ず通る場所。
落ち着かないと言えば落ち着かないかも知れませんが、色々な料理の香りがして、「あっ、この香り前回食べた料理だ!」等、お腹に入れなくても香りだけを楽しむことが出来、レストランらしい香りがする楽しい場所です。
勿論、窓際の階下や夜景が見える場所も素敵ですが、レストラン全体を見渡せるちょっと特別な席です。
…と今回は、グループで来店された方2組程いらして久しぶりにキッチン付近の定位置に。
全体を見渡せると言うことは、こちらも見られているという事なので気恥しいんですけどね。
さて、20数年前にワインスクールに通っていた頃、ホテルのレストラン主催のワインセミナーに参加したり、スクールの仲間と食べ歩きを楽しんでいたのですが、スクールが終了すると徐々に皆で集まる事も少なくなりました。
当時、定年後にでもワイン教室を開催しようと思っていた事もあり、おひとり様ディナーを楽しんでいましたが、段々酔いはせずとも身体がアルコールを分解し辛くなり、「ワインは皆様ご自由に」と言うスタンスになってからは、毎月の様にレストランに行く事は自分にとって本当に必要なのか考える様になりました。
それに年齢を重ねるとコレステロール値も気になるし、すると乳製品を使う料理が多いオーストリア料理はね・・・・と言う気持ちなってきたり。
そのたびに、「いつまで続けるつもりですか?」との内なる声に「最長、定年を迎えて会社を辞める迄」と引き延ばしてたものの、とうとうその日は目前となりました。
スピリチュアル系の学びも中々お金がかかりますし、少し断捨離をする必要を感じて「今回を最後に定期的に訪問するのを終わりにしよう」と決め、最後の訪問へ・・・・となる筈だったんだけど。
やっぱり美味しいモノを出されると決意が鈍るわねぇ。
もう自分にとって学びがなく単に習慣化しているだけの存在なら断捨離をした方が良いと思いますが、何か訪問すれば惹かれるものがあるのなら、そこは無理のないペースで継続することで最適化されていくのだと思います。
心はその時々で移ろうものですが、自分と向き合う良い時間になりました。
アミューズに登場したのは人参とオレンジのスープ。
ちょっと想像し辛いですが、キャロットラぺのスープ版と言ったところでしょうか。
ピリッと生姜が効いた優しい味わいのスープで、こちらは前にも2,3回飲んだ事がありますが、やはり「あぁ、この味なんだよねぇ。このお店の味・・・良いだよなぁ。落ち着くなぁ」とすっかりハートを掴まれてしまいました。
来月も予約をさせて頂きましたが、何もスッパリ辞める事もない訳ですし、その後は気分が惹かれる時だけ、年に数回お邪魔させて頂くつもりでいます。
先程お話しした人参とオレンジのスープとほぐした蟹肉のコロッケ。カリフラワーのソースと一緒に。
前菜はブイヨンで茹でた牛肉に茹で卵とカボチャの種のオイルのソース。沢山の野菜と一緒に。
オーストリアらしいお料理
付け合わせの野菜たちも、そえぞれ違った味付けがされていて…・これだけ野菜が食べられるのは嬉しい。
最初の訪問から10数年食べ続けた、ハムの概念を覆したバインシンケン。
久し振りにやんばる豚のハムを頂きました。
ホースラディッシュがピリッと効いたタルタルソースはメープルシロップが隠し味に使われています。
これがまた美味。
やはり最後はリンドズッペ。ウィーンのコンソメスープ。
今回が最後のつもりだったので、ジャガイモのスープからコンソメに変えて頂きましたが、細切りにたクレープとコンソメの相性はバツグンです。
多分、次回もコレ! 最愛の一品です。
不知火のソルベ。心地よ苦みの和の柑橘の味わいは落ち着きます。
平目のソテー。ハマグリの出汁でとったソースと一緒に。
ハマグリのソースの旨味が濃ゆい!!
そこにカリッとしたベーコンの触感とほうれん草の甘味がきて最高のコンビネーションに。
当たり前ですが、口に入れた瞬間「ハマグリ~」って感じ。
あまりにハマグリ感が強いので、出汁をとった後のハマグリは何処へ?と聞いたところ、細かく刻んでミキサーにかけてハマグリの出汁と一緒してソースになっているとの事。
だからトロみがあって白濁しているのね。
さて待望のデザート。
ヨーグルトをムースの様に固めたシュニッテンに金柑など柑橘類を添えたデザートの他、アプフェルシュトゥデューデル、リンツァトルテ、チーズケーキ、ザッハトルテなどのケーキ類から選べると言う。
今回は「何でもいい」と言うお任せ気分だったので、これがまた迷ってしまう。
折角なのでヨーグルトのシュニッテンをお願いしたのですが、ここの粉類の扱い方は好きなんです。
アミューズを食べ終えた後、何となく口がシナモンを欲していて、リンツァトルテとチーズケーキの二種盛に変更していただきました。
そうそう、ここでなんとも嬉しいサプライズです。
今回はパティシエ君自らデザートを運んで下さった…それだけでも十分サプライズなのですが、お皿には誕生日おめでとうの文字が‼
んっ?私の誕生は先月なんだけど・・・まぁ、それはそれで嬉しいな!と思ったところ、先月にしようか迷ったのですが、これから益々活躍して!という「これから感」を込められるかなぁと思い、1月遅れになってしまったのですが・・との事。
嬉しいなぁ…・・こういう暖かさを感じちゃうと益々卒業出来ないっす。
デザートのお供はカフェ・モーツァルト。
ホイップクリームの入ったコーヒーにチョコレートリキュールとスライスアーモンドを加えて頂きます。
メインとデザートの間に頂いたのがブラウフレンキッシュ100%のワイン。
2016年ヴィンテージで落ち着き始めたところ、との事。
色は濃いですが、ピエモンテ当たりの軽めの赤を思わせる様な、凝縮感を持ちながらチャーミングに仕上げたピノの様な好感度の持てる赤。
スワリングすると少しずつ樽の香りが開いてきます。
いつも、白ワインを炭酸で割り、エルダーフラワーのシロップを加えたカイザースプリッツァの後、白と赤のワインを飲むと翌日何となく胃が熱い。何かを食べると胃が重いと言うか、胃にアルコールが残るんです。
そこで、今回はカイザースプリッツァを2杯(アミューズからメイン迄)頂き、赤ワインを飲んだのですが、今回はお水も全部飲み切ったせいか何だか胃にアルコール感を感じながら寝る事に。
そこで急遽エレメンタル使いに変身!!
身体を司っている肉体のエレメンタルと土・火・水・風・空の5つのエレメンタルに「寝ている間にアルコールを分解しておいて。明日はスッキリしているように調整をお願い」と頼んでおいたところ、起きるころにはバッチリ!
消化もしておいてくれた様です…・と言うか、その前に暴飲暴食は止めようね。
※投稿の都合上訪問日よりだいぶ遅れてのアップロードです(2/16訪問)