「一見さんお断り」というシステム | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

かつてバブル時代に高級料亭等で「一見さんお断り」と言うシステム(システムと言う言葉が適当かどうかは分かりませんが)がありましたね。

当時TVで紹介されると「ってやんでい!お高くとまりやがって」(江戸っ子かい?)と内心思ったものですが、「一見さんお断り」とか会員制というシステム…あれはあれで理が通っていたのかなぁ、とも思うのです。

…と言いますのも、

少々話しが逸れますが、職場のトイレの洗面台ですが、ほぼほぼ100%、いつも水が飛び散っているんです。
勿論、社員の中では他人が汚した場所も拭き取って出る方もいますけど…。

そう言えば、以前、日本橋にある某百貨店新館のトイレを利用した時も、洗面台が水浸しで二度と入らない、と誓った事がありました。

新館は比較的カジュアルな感じだからなのでしょうか?本館が大体いつも綺麗なのに…トイレに入った自分を後悔する位。

不特定多数の方が使うので仕方がないと言えばそれまでですが、公共の場だからこそ綺麗に使いたいものです。

それで、何故トイレの話しが「一見さん…」の話題に発展したかと言いますと…

ここ数年、私、珈琲にハマってしまいまして…と言ってもそれ程詳しい訳ではありませんが…この日、通勤途中で購入した珈琲を飲みながら、食事をした後にBarの珈琲版の様な美味しい珈琲が飲めるお店があったらどうかな?等と妄想していたからなんです。

妄想が高じて、
「ワインの様に単一畑のモノとか、ブレンドもワインで言うボルドーやシャンパーニュの様に何か洒落たブレンドなんかも作っちゃったりして」

とか

「食後だけじゃなくて、本格的スイーツとペアリングして、昼間でも利用出来るといいな」
「珈琲専門店って店内が暗くて、オジサンがタバコを吸いながら時間を潰しているイメージがあったけど、もっとスタイリッシュで…高層階にあるガラス張りみたいな感じで…うーんスイーツも出すなヨーロッパのホテル風な内装で…」等々イメージが膨らんできてしまったんです。

その内、図々しくも自分がオーナーの様な気分になり、ふと「洗面台に水滴を飛ばしておいてそのままにする様なお客さんが来たら嫌だなぁ。次に使い人が不愉快になるし…そもそも、そう言うガサツな人ってさぁ…」と、これまた今度はネガティブな妄想が始まったんです。

そして、ふと気づいたんですよ。

住み分けではないけれど、そして、線引きをするのは良くないけれど…加えて、スピリチュアル的に言えば「分離」になっちゃうかも知れないけど(クドイ‼︎)、でもあえて言わせて頂くと、ある程度、門戸を狭くして、敢えて「こう言う人、お断り」と言わなくても良い様に出来たシステムが紹介とか会員制と言うシステムだったんじゃないかなぁ、って。

例えば、ご紹介なら「あの方のお知り合いなら…」と言う様に、信頼度が増しますしね。

お客さん側も、勿論きちんとされている方でしょうけれど「あの人の顔に泥を塗っちゃいけない」と思えばこそ、お店の方にも大切に接します。

特に料亭になると、特別なおもてなし等で人が殺到して欲しくないお店もあるでしょう。
また高級料亭となると、掛け軸や花瓶・器などお店の顔となる様な特別なモノを使用しますので、粗雑な扱いをして欲しく無いでしょうし、分かる人に使って貰いたい。

お酒が入るのですから、破損やお酒の席での揉め事と言ったトラブルも避けたいところです。

そう言った諸々の事を失礼なく避ける為にも必要な手立てだったのかも知れませんね。

尤も、一見さんお断りが無くなったお陰で、ツテが無い人でも訪問出来る様になったのですが…。

お店を育てるのはお客様と言いますが、訪問する側もお店に相応しい人となりが必要です。

ある意味、お店と客側が切磋琢磨して文化を作り上げていた…もう時代遅れかも知れませんが、バブルってそう言う時代だったのかも知れないと、懐かしく思うのです。


↑グラスに入ったキャウリのスープ。このスープを飲む為ならどんな無理も厭わない、愛して止まない一品。

美味しいモノを楽しむには、最低限の大人の品格も大事では?