自宅は小さなオーストリア…レストランの味を家庭で | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

毎月、自分へのご褒美としてお邪魔させて頂いている、レストラン銀座ハプスブルク・ファイルヒェンさん。

 

ここは私の「好き」が沢山詰まったレストランさんなのですが、昨今のコロナ禍で、私の会社も会合禁止令が通達されてしまいました。

 

尤も、高級レストランは席と席の間隔も非常に広く空いていますし、私は1人訪問ですので密じゃないんだけどなぁ…と思いつつ、予約をする際「団体さんが入っているんですけど、yumiさん(実際は苗字ですが)宜しいですか?」と気遣って下さった事を思い出し、また折しも、喉が少しカサカサしていたので、万々が一何かあった時は、お店にも迷惑がかかる事を考慮して、泣く泣くキャンセルをした私えーん

 

ところが、ナント!

「レストランの味を家庭でも」と言う事で、家でもシェフのお味を楽しめる事になりました。

 

勿論、全てのお料理がお家で頂ける訳ではないんですけどね。

 

そりゃ、そうですよね。 


例えば、お魚料理や鳥などは、冷蔵・冷凍輸送をして再び加熱してしまうと食感が台無しになってしまいますし、デリケートな食材は何か事故でも起こったら大変ですから。

 

なので、お料理はスープ、グーラッシュ等、冷凍・冷蔵に耐えられる品目のみです。

 

お菓子は以前から郵送をされていたのですが、お料理も頂けるなんて!!

お知らせを頂いたその日に、即、オーダーです。

 

あぁ、これで今月もレストランのお味が楽しめる!と言う事で、週末はお家レストランでした。

※この記事は4月25日に脱稿。


しかもに、お家レストランを実現出来たなんて、なんて嬉しい采配。

 

オーダーしたのはメインのお料理「グーラッシュ」。

私が作ったのは、サラダ3種のみ。

夕ご飯の支度もだいぶ楽をさせて頂きました。

 

{1AC120CB-0500-4081-8382-C06B98AFA047}
↑豚の肩ロースのグーラッシュとショートパスタ


本当はウィーンで買ったアウガルテン「マリア・テレジア」シリーズのディナーセットのディナー皿に盛り付け様と最初は張り切ったのですが、ピアノの下に置きっぱなしの段ボールから取り出すのが面倒臭く…挫けちゃったてへぺろ

{097E16C8-81F3-4F1A-9974-F9BBFCF267AD}
※写真はお借りしました(そりゃそーだ!だって出すのが面倒臭かった位だもん←って、開き直るな!)

次回は出すよ!…頑張れたら。


さて、お家レストランの醍醐味は、オーストリアに限らず、自分が合わせてみたいワインと合わせられるところ。

 

そうなるとワインはどうしようかなぁ?とこれまた楽しみが増える。

 

と言う事で、今回はイタリア ヴェネト州のヴァルボリチェッラで合わせる事に。

 

{D7285382-44FD-4456-93A8-93DD991E8313}


ヴァルボリチェッラはアマローネと言って、ブドウを陰干しにして糖分や香りを凝縮させた葡萄果を使って辛口に仕上げる製法で作られてるタイプと、普通のワインと同じように摘果した葡萄をそのまま使って醸造するタイプがあります。

 

私はアマローネの官能的な複雑香が「ザ・イタリア」と言う感じがして好きなんです。


ここ数年、家でも外でも白ワインばかり好んで飲んでいるので、偶に赤が飲みたいと思う時に、ふっと鼻腔で香りを思い出す時は(変な言い方ですが、鼻が香りを記憶していると言うか…そう言う事ありません?)アマローネの香で、特に最近はアマローネ飲みたい病に憑りつかれている位。

 

で、最初はグーラッシュは煮込み料理なので、味もインパクトがありながら柔らかい…対するアマローネも酒質が柔らかいので、イケちゃうかな?と思ったのですが…

 

ホント、これ、お家レストランだから分かった事なんですけどね…グーラッシュって煮込み料理といいつつ、すっごく繊細な料理だったんです。

 

レストランだと、アミューズ、前菜、スープと完成された料理の数々を既に食しているから、メインに来る頃には「そこの味(お店の味)」に慣れてきちゃっているのね。


ある意味、舌と鼻がバカになっていると言うか…しかも、ワインも飲んでいるので、イイ感じになっちゃっている。

それだけに、味わいや香りの構成要素の分析が大雑把になっているんですよねぇ。

 

袋からお鍋に移した時の、まだ冷たい状態の香り。

ソース等が温まって、立ち上る時の香り・・・・温度によって、どの香が前面に出るか、これはワインと一緒でホンの一瞬を逃すと捉えられない香もあるのですが、お鍋から立ち上る芳醇なフォンの香り、パプリカのスパイシーな香りも本当に繊細で、これは普通のタイプのヴァルボリチェッラ向き。

アマローネにしたら、全てが台無しになってしまう。

 

…と言う事で、写真のヴァルボリチェッラに決定。


な~んて、理科の実験室みたいな感じですが、そんな事を1つずつ確かめながらお料理と向き合えるひと時もとても幸せでした。

 

レストランで豪華な雰囲気を楽しみながら頂くのも素敵ですが、こんな風に1品とじっくり向き合うのも楽しかったです。


何より、こんなに手の込んだ、良いお料理を食べさせて頂いていたんだと思うと、改めて感謝ですおねがい

 

家族といると私の我儘でTVをお気に入りの音楽を聴きながら…とは言えないので、TVをBGMに楽しくお喋りをしつつ頂きましたが、もし音楽を流すとすれば、ショパンの英雄ポローネズとか華麗なる大ポロネーズって気分かなぁ。

 

グーラッシュはハンガリーの伝統料理なので、本来ならハンガリー狂詩曲なのでしょうけれど、はやりレストランのグーラッシュは華やかさがあって、ポローネーズの独特なリズムとショパンのどこか貴族的で散文詩的な雰囲気すら感じさせる華やかなメロディーがピッタリな気がします。

 

あっ、勿論、お料理と私セレクトのワインとのマリアージュは最高でしたよ。


思わず「あぁ~、私って、やっぱり天才!!デレデレ」と漏らした位です(って、いい加減にしろ!)

 

こちらは、翌日、お茶の時間に楽しませて頂いた焼き菓子。

 

{32B12DD9-1937-42E1-B0E5-EB87A97B65E2}


{300E7507-9CF4-42B4-B808-8681B6C78EFB}


洋酒が利いたチョコレートの焼き菓子で、お酒が好きだったエリザベート妃に由来して「Si Si」と言うお菓子です。

 

以前パティエールさんが、「本当はドライフルーツも1年位漬け込みたいんですけど、それだと追いつかなくって…」とおっしゃっていた事があるのですが、中に入っているレーズンもしっかりとお酒に漬け込まれていて…それでいて、アルコールに角がなく、とても美味しいお菓子です。

 

普段ゆっくりコーヒーを飲む時間がない為、我が家は焙煎して頂いても豆の状態で購入するには不向きです。


その為、普段はネスプレッソか個装されているドリップコーヒーで済ませてしまうのですが、最近の私の楽しみは、ネスプレッソにチョコレートリキュールをいれてカフェ・モーツアルト風にしたり、グランマニエを入れてマリア・テレジア風(マリア・テレジアはこれにホイップクリームにオレンジピールが付くのですが)にして飲む事。

 

自宅で「ちょこっとウィーン」を楽しんでいます。