果報は寝て待て!理想の結婚、それは落胆から始まった③ | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

前回はフェルディナント大公の人柄をみていきました。


さて、


一方、アンナさんはどんな女性だったかと言うと…


アンナは父王ウラディスラフの教育方針として、手芸や裁縫など王女に必要な家事一般の他、学問等の教育も受けていたのだそうです。


その為、アンナには政治の素養があって、アンナは、いつも状況に合った合点のいく答えを下す。


それに気づいたフェルディナントは、アンナを良き相談相手として、自分が国を離れる時はアンナを代理として国事を任せたんですって。

 

当時、この様な名誉を与えられる女性は極めて珍しかったそうですよ。


如何にフェルディナントがアンナをパートナーとして評価し、信頼を寄せていたかが伺われますねおねがい


自分の能力を評価され、パートナーとして必要とされるなんて、女性にとって、とても嬉しい事だと思います。

 

アンナにとってフェルディナントは最高の旦那様でしたが、同様にフェルディナントにとってもアンナは最高の奥様だったんじゃないかしら?


フェルディナントにとってアンナはかけがえのない存在で、アンナの為に、当時としては珍しい王妃専用の浴室を作ったり、どこに行くにも必ずアンナを連れて行ったんですってラブラブ


あら、羨ましい…酔っ払い

 

王妃が伴う旅はお付の侍女だけでも相当の人数となるのが、当時の慣例です。

加えて、アンナは始終妊娠していた為、従医を連れて行ったり、妊婦が快適に過ごす為の用意に家臣は大変ショックだったんですって


確かに皇妃に付き添う人件費その他を考えると、男ばかりの旅の方が気軽なもの。

 

ある時、家臣がそれとなく出費がかさむので、皇妃の同行は控えて欲しいと言うと「愛妾などに金を使うより、王妃の為に金を使う方が、余程良いじゃないかウシシ」と言ったと言いますから、アンナは幸せ者です。

 

まぁ、それを言われたら、家臣もグゥの音も出ませんね。


では…


もしここで、アンナの最初の希望通り兄のカールと結婚していたらどうだったか、チョット、スペイン家を覗いてみましょう。


カールはと言うと、皇帝と言う立場から、キリスト教圏の守護者として、問題解決の為に、人生の大半を旅に追われていたんですえーん


カールも奥さんを深く愛しましたが、次から次へと湧き上がる問題に忙殺されて、最愛の妃と共に過ごす事も殆ど無かったんです。

 

カールと妃の間に授かった子供はたった3人。


しっかり者の帝妃が3人の子供と共に、カール不在の王国の舵取りをし、夫は殆ど留守で仕事に忙殺されると言う寂しい家庭でした。

 

それに対して、アンナとフェルディナントの間に生まれた子供は15人!びっくり

 

実はこんな逸話が残されていて…


カールが旅の途中、オーストリアの宮廷に立ち寄ると、小さな子供達が、後から後から湧いて出るが如く、尊敬する皇帝カール叔父さんの周りに集まって来たとか・・。


子沢山だと噂には聞いていたけれど、まさかこれ程までガーンとは思わなかったカールは、余りの賑やかさに立ち往生してしまったのだそうですよ。


大勢の子供達は、初めて会う皇帝に珍しい旅の話しを聞きたくて、きっと夫々袖を掴んだり、手を引いたりと賑やかに纏わり付いていたのでしょうね。


何ともほのぼのとしたエピソードです。


いづれにしても、子宝にも恵まれ、これだけ旦那様から愛されたのですから、アンナにとっても大金星の結婚だったと思います。


これで文句を言ったらバチが当たるで〜(笑)

 

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↑カールおじさん…じゃないか

↓もとい、カールおじさん。甥っ子や姪っ子ちゃん達にとっては、皇帝でも優しい叔父なんです。
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若かりし頃のカール5世。青年期、晩年…あまり変わってないですね。
※写真は全てお借りしました。


余談ですが、世界史でスペイン国王カルロス1世と出てきたら、このカール5世の事だとお忘れなく。ハプスブルグ家を中心に世界史を見ると解りやすいよ〜。(王朝が変わらないから、流れが掴み易いの)



・・・・・to be continued