リュリー・レ・サンジャック・ブラン2014 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

リュリー・レ・サンジャック・ブラン2014

エー・ピー・ド・ヴィレーヌ

 

ブルゴーニュ地方、コート・シャロネーズ地区にあるリュリー村のシャルドネです。

 

ワインに詳しい方は地理もしっかり頭に入っている事と思いますが、ブルゴーニュは南北に長い地域です。

 

シャブリのすぐ北にあるシャンパーニュ地方はコトー・シャンプノワと呼ばれる赤のスティルワイン(泡のない普通のワイン)も作っていますが、赤ワインと呼ぶには少々弱い。

ピノ・ノワールを使っているとは言え、やはりシャンパーニュは泡のある白ワインの地域。

 

その南にあるシャブリ地区はブルゴーニュ地方に組入れられますが、こちらも法律で認められているのは白ワインです。

 

シャブリを何かするとコート・ドール、コード・ド・ボーヌと続くのですが、コート・ドール最初の村マルサネは、今でこそ、赤・白・ロゼが法律で認められていますが、以前は白とロゼしか認められていなかった地域。

次のフィクサンと言う村も、クロ・ナポレオンでやっと赤らしい赤ワインが産出されるのですが、ブルゴーニュは地殻変動によって複雑に土壌が入り組んでいるとは言え、やはり陸続きに白向きの土壌、赤向きの土壌と繋がっているんだなぁと感じさせる地域です。

 

さて、今回ご紹介する、コート・シャロネーズはコート・ド・ボーヌが終り、その南に続く地区。

 

コート・ドールが銘醸赤ワインを生む地域なら、コート・ド・ボーヌは赤のグランクリュもありますが、どちらかと言うと白の方がグランクリュでは有名です。

 

その南のコート・シャロネーズになると、土壌に石灰質が少なくなるため、ボリュームのある柔らかい白ワインが出来る地域です。

 

コート・ド・ボーヌより果実味主体のチャーミングなワインが作られています。

コストパフォーマンスに優れた、カジュアルワインの産地です。

 

今回のレ・サンジャックはリュリーで最も有名な1級畑クロ・サン・ジャックの真下から造られる、一等地の白ワイン。

収穫量も徹底して抑えられています。

 

名前を聞いてピンときた方も多いかと思いますが、ロマネコンティを作る、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティのオーナ、ヴィレーヌさんご夫妻の作るプライベートワインです。

 

DRCのオーナーをお父さまから受け継ぐ以前から造っていたのが、このドメーヌ・エー・ピー・ド・ヴィレーヌ。

 

ヴィレーヌさんは、他にも、ブルゴーニュブランやアリゴテを作っていらっしゃいますが、やはり他の作り手さんより、ふくよかでヴォリューム感があり、まぁ、安心感のあるワインだった記憶があります。

 

さて、今回のワインですが香りは、熟したリンゴやアプリコット、ミネラルやハーブ、生のアーモンド等。

 

味わいはアタックに仄かな甘味を感じたあと、まろやかだかしっかりとした酸が口中に広がると直ぐに心地よい苦味が追いかけてくる印象。

全体的にスマートなワイン。

 

ブルゴーニュの白は美味しいワインも多いのですが、重い。

イタリアやオーストリアばかり飲むようになったら、その重さが際立って感じてしまう。

 

その重さの原因はMLF(マロラクティック発酵)をかけているからなの・・・・・悪くはないのですが量が減らないワイン。

 

見た目が非常に濃いレモンイエローの割に、アタックの印象が乏しいのが残念。

 

フランスワインを飲まなくなると、どんどん気持ちが離れてしまう。

 

勿論、カジュアルクラスでも、ローヌの良質のジゴンタスなど面白いワインもあるし、ブルゴーニュやボルドーの上級モノは確かに心を動かされるモノはあります。

 

が・・・・

 

フランスのカジュアル価格帯を飲むなら、イタリアやオーストラリア、ニュージーランド辺りを飲んだ方が余程面白い。

失礼な言い方ですが、やっぱり、雑魚はいいや、って感じ。

やや濃い目のレモンイエロー。艶やかです。