オーストリア秋の味覚 part1 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

オーストリア料理を一言で説明するのは難しい。

 

例えば、今でこそ和食はブームになっている様ですが、欧米人からみれば、中華料理もベトナム料理もそして日本料理も似た様に移るかも知れないのと同様に、ヨーロッパ全土を見ると、レストランで出される洗練された料理に国境は殆どないと思います。

 

レストランの料理は、宮廷で一流の料理人達によって洗練された料理をルーツに持ちます。

その宮廷自体、大陸の花嫁たちが持ち込んだ料理や、領土を獲得した地方の料理を元に宮廷人の口に合う様に改良されていった為、ベースは似てしまうんですね。

 

ですから、その土地ならでは食を楽しむなら、郷土料理が一番「らしさ」が現れていると思います。

 

その様な意味でも、結婚によって領土を増やしたオーストリアは、ヨーロッパの様々な国の影響を受けています。

その為、オーストリア料理って?と言われると、フレンチの要素あり、スペイン料理の要素あり、勿論、統治をしていたイタリア料理の要素ありで「これぞ」とは言えないんです。

 

強いて言えば、11つの素材の味がきちんと味わえる料理。

 

例えば、今回もご紹介しますが、お肉を根セロリのピュレを一緒に供する事で、素材と素材の味がプラスされて、何を食べているのかはっきり分かる、非常にシンプルな料理。

それだけに、1つ、1つのパーツに誤魔化しが効かない、非常に繊細な料理だと思います。

そして、食べる側には、どこか懐かしい味です。

 

さて今回は、アミューズに卵のタルタルと一緒にリードヴォーのフライが出ました。

 

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yumiさん(実際は苗字ですが)、リードヴォーとか大丈夫ですか?」とサーヴィスのY氏。

「私、何でもOKなんですよね。カエルも食べられますよ」と私。

 

我が家の近辺でゲコゲコしているカエルは気持ちが悪くて見るのも嫌なんですが、食べるのは大丈夫なんです。原型を留めていないからOKなのかもね。

 

なんでも、エスカルゴと言えばフランスですが、オーストリアでもエスカルゴが食べられているのだとか。

 

言われてみれば、エスカルゴってブルゴーニュの子供達のおやつみたいな物ですから、昔、ブルゴーニュ辺りにも領土があったのですから、オーストリアっ子が食べていても不思議はないんですよね。

 

他にも、勿論カエルや猪、熊なども食べられているとか。

 

私もジビエの季節は、鹿だけではなく、猪や野性の野ウサギ、鳩や青首鴨などを食べますし、牛肉なんかよりも大好きなので、野性的なオーストリア料理を是非食べてみたいものです。

 

こんな話が出るのですから、すっかりお料理も秋景色です。

 

秋は薬膳でも根菜を頂く事で、喉や肺を潤して冬に風邪を引きにくい身体を作ると言われていますが、今回は、メニューも深まる秋を感じるがごとく、根菜が大分多く使われています。

 

 

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佐助豚頬肉を根菜で煮込んで、根菜のマリネと林檎・パンプキンシードのソース。

 

お花畑の様な綺麗な一皿。

根菜でポシェした佐助豚の下には、根セロリのピュレが隠れています。

 

根菜のマリネは、マリネ液にコリアンダーやジュニパーベリーを使っているので、若干エルダーフラワーの様な青く甘い香りが微かに感じて、とても美味しいんです。

 

全体的に控えめな味わいの滋味深い1皿。

 

因みに、カボチャの種のオイルって日本では余り使われませんが、ビタミンEが豊富で少し香ばしくて美味しいんですよ。

家庭で簡単な使い方として、私はアボカドや納豆に少しかけるなど、手軽に使用しています。

香ばしさが加わって面白いですよ。

 

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アミューズからハム、こちらの前菜迄、マラートのピノノワールで頂きましたが、この前菜は白(グリューナーヴェルトリナー)が断然合うと思います。

 

 

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トプナンブールのスープ メランジェ仕立て

鴨腿肉のコンフィと秋トリュフの香り

 

トプナンブールとは菊芋の事。

昨年のオーストリアの食文化のコラムにも書きましたが、秋から冬にかけて菊芋が出てきます。


我が家の近所のオーガニックのお店にも菊芋が出る様になりましたが、こちらは、シェフがオーストリアから菊芋を持ち帰り、シェフの地元で育てていらっしゃるとか。

 

菊芋は少しゴボウに似た香りがあり、サラダでも食べられますが、火を入れてもシャキシャキした食感が残ります。

スープは綺麗に裏ごしされていますが、若干分からない程度に名残が感じられます。

 

鴨肉のコンフィは、お肉に程よい甘味が感じらて、部位的にも鴨の味が濃いの。

「あぁ、鴨ってこう言う味だったね」と改めて感じてしまう。

 

そうそうクドイ様ですが、単なるスープではなく、ちゃんと浮身が加わるのが、こちらのお店のスープ。

 

鴨とトリュフが贅沢にも浮身です。

 

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しっかりとした白ワインでサーヴされましたが、むしろ、こちらのスープはマラートのピノノワールの方がしっくり来る感じ。

 

メランジェ仕立てなので、しっかりとした重めのピノノワールはNGですが、丁寧に作られたフォンをベースにゴボウの様な土っぽい香りのある野菜のスープにトリュフ、そして鴨の3点セットですから、これは絶対に軽めのピノです。

 

本当はスープ迄ピノノワールを合わせる予定だったのですが、ハムで飲み終えてしまい……すっかり、うな垂れている私の頭に中では「チーン」と鐘がなっていました(´༎ຶོρ༎ຶོ`)。


アイスが外せない私は、ザクロのソルベをお願いしました。


もぉ、この1ヶ月身心共に・・・特に精神的にボロボロだったのよぉ私。

内臓を冷やすといけないと言いますが、そんなの無視!


こう言う時は、思いっ切り自分を甘やかしちゃえ‼︎

 

上品な酸味があって、美味ですよ、ざくろのシャーベット。

少し大きめに持ってきて下さいました。有難うねっ!

 

写真を掲載したら1ページを収まりませんでした、残念。


残念ですが、メイン以降は明日。

 

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