女性の感情は、細やかで繊細です。
何気なく投げつけられた言葉に傷ついたり、表情や言葉の裏側にある思いに心が突き刺さったり
でも、そんな繊細な想いを抱くと嫌われるよね、とか、こんな事で落ち込んでいたらダメだよね、しっかりしなくちゃ!と無理に自分を鼓舞してしまうのが現代女性。
今迄、外国の、昔々のお姫様達の話を沢山書いてきましたが、いざ、自国の話となると恐れ多い気がするものです。
しかし、今回は、次の様な話を紹介させて頂きますね。
私が通ったお菓子教室「今田美奈子芸術サロン」の主催者である、今田美奈子さんは10代の学生時代、美智子皇后陛下とお知り合いだった事や、秋篠宮妃 紀子様が独身時代から今田先生のお菓子のファンで、妃殿下になられた後も展覧会にお越しになられる事もあり、分室でのレッスンでも時々ロイヤルの話題に触れる事があります。
民間から初めて皇室に嫁がれた美智子皇后陛下のご苦労は、大変なものだったと想像に難くありませんが、それでも、書籍で学生時代の皇后陛下のご様子に触れると、優秀で、活発で、意志の強い方と言う印象で、この様な方は、落ち込む事も少なく、どの様な重要な課題(責務)でも、怖いモノ無しで、難なくこなしてしまうのだろうなぁ、と勝手思っていました
しかし、ある時、内親王であられた紀宮清子様のご結婚が正式に発表された頃の胸中を記された、次の様な文章を見つけました。
清子様はお小さい頃から、美智子皇后陛下が落ち込んでいらっしゃると、いつの間にかお側にいて「ドーンマイ」と言って下さったのだとか
それが、どれだけお母様である皇后陛下を勇気付けて下さった事か。
これから清子様の「ドーンマイ」が聞けなくなる事への寂しさと、幾度となく勇気付けて下さった時間の懐かしさが伝わるお話でした。
私はこの話を知った時、恐れ多いのですが、皇后陛下とは言え、あれだけ素晴らしい方でも落ち込む事があると知って、少しホッとした気持ちになった事を覚えています
同時に、自分の手に負えない程迷ったり、深く傷付いた時、その想いに蓋をするのでなく、静かに辛さと向き合い、寄り添う事で自分自身に愛を注がれて乗り越えられて来られたのではないかと思いました。
その姿を目にした清子様は、思わず「ドーンマイ」と励まされたのでしょう
清子様が嫁がれる前に、娘として皇后陛下を「決して器用な方ではありませんが…」とおっしゃった事に、改めて清子様が皇后陛下に送られた「ドーンマイ」の力強さと優しさを感じました。
ある人には何でもない言葉でも、別の人にとっては衝撃の大きな言葉になる事があります。
人は、自分が投げかけた言葉や何気ない態度が、相手にどの様に届くか深く考えないものです。
特に、世の中は騒々しく、荒々しい態度や言葉で溢れ、どこへ行っても殺伐としています。
私達の気持ちは、常に荒々しい世界に無防備に晒されていると言っても過言ではないんです。
その様な日常の中で、心が擦切れたり、傷付いても不思議ではありませんよね。
落ち込む事や誰かの心ない言葉に涙する事は、弱くも恥ずかしくないんですね。
むしろ、人として当然の事であって、喜怒哀楽はしっかり受け止めてあげた方が良いと思います
自分はこんな事が幸せに感じるんだな。
こうされたら悲しいな。
それが分かるから、自分以外の人も同じ様に大切に出来るのではないでしょうか?
自分の心の痛みを十分に感じて、その痛みに寄り添う事。
自分を大切にして、自分に愛を注げる人が、自立した女性だと思います
その為にも、繊細で傷つき易い自分でいて良いんです。
無理に、自分の気持ちに蓋をしなくて良いんですよ。
美しい女性は、強さだけではなく弱さもちゃんと合わせ持っているんです
弱さがあるから、人の温かさが分かり、弱さや繊細さ、脆さ等、その全てを受け入れられるから、完璧ではなくても、愛されるんですね
現代社会は、往々にして女性は男性以上に頑張ってしまいがちです。
「自分が頑張らなきゃ、回っていかないし」と、女性本来が持つ感情に蓋をしてしまうんですね。
だから、服装や外見は女性でも、どこかギスギスとしたり乱暴だったりする女性が増えてしまうのだと思います。
頑張る事は素敵ですが、美しい物を慈しんだり、直線的で荒々しい感情に違和感を覚えたりと言った、自分の中の感じやすい繊細な部分を大切にしたり、時には、女性らしい感情を表現してみて下さい
完璧ではない、弱さも併せ持った本当の貴女を受け入れてくれる・・・・そんな優しく、自然体の人間関係を作っていかれるのも素敵だと思います。