マヌエル・フォルミーゴ フィンカ・テイラ 2012
スペインの白ワインは難しい
赤ワインは幾らでも、安くて美味しいワインがあるのに、白ワインは酸に乏しく、お花の香り(吟醸香=第2アロマ)が強いワインと言ったイメージがあります。
例えるなら、イタリアのステンレス発酵・ステンレス熟成をして、何とか減酸を免れたシャルドネの様な、のっぺりとしたワイン。
以前お昼休みにパエリアを食べた時、グラスワインを頼んだところ、白ワインでも、それは中々美味しかった
シンクリアンサ位のワインだろうから、¥500か¥600位だと思い、もう1杯頼んだら、昼から2杯で¥1,600取られてひっくり返りそうになった経験があるのですが、スペインである程度、酸のしっかりした白ワインを見つけたら買いだと思います
このワイン綺麗な酸と果実味のバランスが良いと説明があったので購入してみたのですが、さて如何に。
先ずは、作り手さんについてですが、この作り手さんは、スペインの大西洋側、ガリシア州のリベイロと言う、ポルトガル国境に程近いところにある作り手さん。
根気強く几帳面な畑仕事と、優れたテロワールを反映した優れた品質の個性的な白ワインを造っているそうです(ワイングロッサリーHPより)
使用品種は、トレイシャドゥーラ70%、ゴデージョ20%、トロンテス10%。
発酵期間は16日。ステンレスタンク熟成との事。
樹齢は15年から30年の樹を使用。
外観は非常に濃いゴールド。この時点で凝縮感のある果実味である事が予想されます。
香りは、カリン、黄桃、パッションフルーツ。黄色い花。
グラスを回すと、少しエストラゴンの様なハーブ系の香りも感じられます。
ミネラルの香り。
更にグラスを回すと、石灰の様なミネラルの香りの方が果実の香りより感じやすくなってきます。
酸がしっかりしている事と、タンクで熟成発酵・・・嫌気的な条件下で作られている為、還元的な香りが強い。その為、樽を使っていなくても、ミネラルの香りがローストしたナッツの香りに似た印象で感じられます。
丁度サシャーニュ・モンラッシェの様な香りに似た印象。
この香りは、SO2を飛ばす(例えば10円硬貨を入れるとか)と消えると思います。
味わいは、アタックはふくよか。豊かな果実味に優しいがしっかりとした酸に支えられたワイン。
後から後から、綺麗な酸が続くのが印象的です。
苦味も若干あるにはあるのですが、酸と果実味のバランスが良く、苦味が吐出していない、綺麗に纏まったワイン。
前日、お魚とお肉のフルコースを頂いてしまった為、本日は海老やホタテ、タコなどシーフードで身体の負担を軽くした食事を選択。
他には、サラダ類で、全体的にはスペイン料理の前菜を集めた様なメニュー構成にしましたが、出来れば鶏肉や貝類を使った贅沢なパエリア等に合わせたいワイン。
ウサギ肉のソテー(ガーリックバターでソテーしてパセリなどを振りかけるイメージ)にも良さそう
シンプルでさっぱりとした料理より、シンプルで軽めながらも、コクのある料理に合わせたい。
久しぶりに美味しいスペインワインに出会いました。
これで¥2,000台ですから、コストパフォーマンスは良いと思います
ラベルに蟻の絵が描かれているのも、一族の名前フォルミーゴは蟻という意味だそうで、誠実な畑仕事を行う様子を蟻に例えて、ラベルに蟻の絵を描いたそうです。
コルクにも同じ蟻の絵がプリントされている、茶目っ気のあるラベルも好感を誘います。