喧嘩両成敗、お姑さんにも言い分はある⑧-皇妃失格!- | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

家族に付添われてミュンヘンの町から帝都ウィーンへやって来たシシィ。


故郷ミュンヘンや道中の村人からの歓声に、何とか笑顔で応えていましたが、内気なシシィはウィーンに着く頃には笑顔が無くなっていました。ショボーン


宿泊先のシェーンブルン宮殿に着く頃には、か細い神経は限界に達していたのです。


翌日、ホーフブルク宮に向かう馬車の中では、未来の皇妃一目見ようと集まったウィーンっ子の視線にさらされ、緊張と恐怖で泣きじゃくっていたシシィ。えーん


真っ赤に泣き腫らした目をして、ティアラを馬車に引掛けて足を滑らせる失態をしたシシィを、ゾフィーは非難するのではなく、「すっかり怯えてしまって・・・。でも、泣いている時のシシィは更に魅力的で人を惹き付けるのです」と、労りと好意的な気持ちを日記に綴っていました。


シシィは、確かに可愛らしく可憐なお姫様でしたが、子供部屋から皇妃の座に直行してしまった様なもの。


大人になりきらないまま「国母」を要求される地位についてしまったのです。


皇妃とは宮廷の女性では最高位の地位です。

宮廷では、身分が下の者から上の者へ話しかける事が禁じられていました。


ですから、宮廷では、皇位の者が率先して下の人に声を掛けてなくてはなりません。


だって、皆、新しい皇妃様と話しをしたいでしょう!?

そこを、いかに汲み取って会話を弾ませられるかは、皇妃の資質に掛かっています。


しかし、


外国語が苦手で極度に内気なシシィでは、お目通りの挨拶も場が持たない。

そればかりか、大勢の賓客の前で、従姉妹の姿を見て嬉しさのあまり抱きついてしまい、体面を気にする宮廷貴族達から、「皇妃にあるまじき行動」と顰蹙を買ってしまう。


「だって、あの人は私の従姉妹なのよ」と言い訳をする皇妃を、別室に連れて行って、「ここではそんな事をしてはいけないの!」とゾフィーに諭される始末。


乳白色の歯の色を気にして口を余り開かず、ボソボソと小さな声でしか話さないので、皆シシィの会話を聞きとる事が出来ずに困ってしまう。ムキー


田舎娘がいったいどんな皇妃様になるのかしら?そんな意地悪な視線が集まる宮廷で、シシィは最悪なお披露目をしてしまったのです。


そして、


宮廷生活が始まるにつれて、シシィにとって尤も最悪だった事は、ゾフィーと皇帝が、若い皇妃に政治に参加させるのは好ましくないと、国の情勢は何も知らせなかった事。


ついには、シシィは無口になってしまい、宮廷中から「顔は可愛いけれどお馬鹿さん」とレッテルを貼られてしまう。ショボーン


シシィだって一生懸命なのは分かるけれど、如何に価値観が違うか、育ちが違っていたかが、お分かりですよね。


シシィの内気さを、控えめで上品と褒めていたゾフィーも、流石に、これでは、宮廷でやっていけないと危機感を感じた事でしょう。


人間関係で問題になるのは、価値観の相違です。


だって、視点を変えれば、それぞれに言い分があります。


それだけに、こればかりは、相手の考えを変えさせることは出来ません。


やがて、この小さなほころびよって、シシィは宮廷からの孤立し、全国民の批判の的になってしまうのです。

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↑折角の美男美女カップルだったのに…。

次回は、遂にお嫁さんとお姑さんの激突です。

・・・・to be continued