喧嘩両成敗、お姑さんにも言い分はある⑨-あの人大っ嫌い!全ては価値観の違いから- | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

王族としての公務を苦とせず(多少の不満はあっても)、人から注目される事に喜びを感じる人もいれば、公務を苦にしか思わず、多くの視線にさらされる事をおぞましいと感じる人もいます。


前者がゾフィーやシシィの息子ルードルフのお嫁さんシュテファニー王女であり、後者がシシィでした。


そして、シシィは前者に値する人を憎み、シュテファニーが自分より注目が集まって来くると復讐したいとさえ思っていた様です。ムキー


後年になって、シシィは決してゾフィーに悪意はなかったと言う事に気付いたそうです。


しかし、


1日中、女官が貼り付いては、シシィの様子監視し、事ある毎にゾフィーから叱られては、ストレスが溜ってしまう。


後に気のおける女官に、シシィは「あんな事をされた」とか、「ポシ(※)に帰りたくて毎日泣いて暮らした」と語っていた位ですから、言葉は悪いですが、現代風に言えば「なによ、あのガミガミばばぁ!」位に思っていた事でしょう。ショボーン


シシィや宮廷を思っての事とは言え、確かに、ゾフィーのやり方は、思いやりに欠ける所が多分にあります。



しかし、どうしても越えられなかった壁は、価値観の違いでした。


シシィの家では使用人は居ても、召使の様に面倒を見てもらうのではなく、自分の事は全て自分でやる様に育ち、物を大切にし、義務感からではなく、自分の良心に従って弱者には手を差し伸べる様に育てられて来ました。


それ故、人の手によって着替えさせられ、一度履いた靴は捨てるという宮廷のしきたりには馴染めなかったし、宗教や宮廷の決まりという理由で、貧者や負傷者に、義務的に施しをする事に反発を感じた・・・自分が納得しない事はしたくなかったんです。


その反面、感受性が強く、他人が自分の事をどの様に見ているか、直ぐに感じ取ってしまう。


子供の養育も、母親ではなく乳母や教育係によって養育されるのが宮廷の伝統でも、エリザベートには、それが分からない。許せない。


ゾフィーはシシィも貴族の娘だから、きっと王室の伝統を理解し慣れてくれると信じて、ああしてはいけない、こうしてはいけないと言ってきたけれど、正反対とも言える価値観の違いを、互いに相容れない為に、溝は深まるばかりだったのです。


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※ポシ:ポッセンホーフェン。シシィ一家の夏の住まい。湖の湖畔に館つ自然に恵まれた城館でシシィのお気に入りでした。(写真)

・・・・to be continued