どこにも苛めはある!栄光の中に地獄を見たデュバリー夫人⑥ | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

デュバリー夫人の章も今回が最終章。


前回はルイ15世の逝去に伴って、ヴェルサイユを追放されたデュバリー夫人の生活を見てきました。


デュバリー夫人を慕って多くの貴族達によって、かつての賑わいが戻ったデュバリー夫人のサロンでしたが、フランス革命の足音は、デュバリー夫人の元にも押し寄せてきていました。


革命が起り、パリに国王夫妻を連行した騒ぎの中、負傷した2人の若い将校をルーヴシエンヌ城にかくまい、手厚く看病したデュバリー夫人。


かつての旧敵にお礼の手紙を送ったアントワネットに、デュバリー夫人は、ルイ15世から与えられた物を多難な財政の為に提供したいとさえ申し出たのです。


その後、イギリスに亡命したデュバリー夫人は、イギリスの社交界で花形として迎えられましたが、優しい性格故、亡命貴族達に手を差し伸べるデュバリー夫人の行動は、革命政府からスパイ活動と見なされてマークされていました。


しかし、フランスから亡命した、かつての知人達が他人のお情けにすがって生活している事を知ると、20万リーブルの義捐金を送り、ルイ16世が処刑されると、革命政府のスパイに囲まれている事を承知で、喪服を着用し、スペイン大使館で行われたミサに出席すると言う様に、あれ程自分を虐め抜いた宮廷に対して、恨みを抱く事もなく、大らかさをもって、心から祖国や旧友を思いやる素朴な女性だった様です。


国王に続き、王妃達も処刑される中、ルーヴシエンヌの館の事が気になり、イギリスから戻った際、革命軍に捕まってしまったデュバリー夫人。


ギロチンの歯が落される瞬間まで、命乞いをし、生きる事に執着した姿に、彼女の生涯を評価する者はいませんでしたしょぼん


高貴なる者として生まれた者には義務が課せられます。


アントワネットが死を持って革命を終わらせる事を義務とし、尊敬する母の娘として恥ずかしくない様、毅然と死を受入れた事が、後世に評価されましたが、王者としての教育を受けていない寵姫に、同じことを求めるのは酷と言うものです。


お姫様である事は、命に代えても責任を全うする事。


後世、デュバリー夫人の品格を落としてしまったのも、彼女が、余りにも普通の女性だったからではないでしょうか。


一般市民に生まれ、国王に愛され、トップに登りつめたが故に、この世の地獄を見る位に憎まれた生涯。


しかし、本当の彼女は、高慢な女性ではなく、華やかなパリを謳歌した普通の女性が、偶々おとぎの世界に住んでしまっただけだったのでしょう。


ブティックの店員時代、美しく高価なドレスを身に纏う貴婦人達を目近に見ては、その世界に憧れた事でしょうドキドキ


宝石に目を輝かせ、社交上手な貴人に囲まれ、きっと、嵐がさって、またお伽話の世界に戻れる・・・・無邪気なパリジェンヌの彼女は、断頭台の露と消えていったのだと思います天使


ここぞ!と言う時に、その人の人間性、本性が出ます。


集大成の時、皆さんは何を残せますか?