ボーグル・ヴィンヤーズ オールドヴァイン・ジンファンデル2012 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

ボーグル・ヴィンヤーズ オールドヴァイン・ジンファンデル2012


ジンファンデル(葡萄品種)100%のカリフォルニアワイン。

アメリカンオークで12ヶ月の熟成です。


縁が紫がかった非常に濃い目のルビー色。


・・・・大変申し訳ありませんが、私は好きじゃない!です。

従って、今回は辛口ワイン評です。


アメリカンオークはフレンチオーク(※オークって樫樽の事ね)に比べて、バニラ香りが強いのですが、果実香りをすっかりマスキングしてしまっています。


カリフォルニア州の中でも、暖かく日照量の多い場所で栽培されている感があり、種までしっかりと熟していると思わせる苦味もありますが、葡萄のポテンシャルの割に樽香りが強過ぎ、エレガントさに欠けるワイン。

このワインを飲んだ時は風邪を引いていた為、味覚嗅覚いずれも鈍っていますが、香りは一瞬ラムレーズンの様な香りを感じますが、プラムやブラックチェリーのコンフィの様な香り。



そして正にバニラの香り。カカオ、エスプレッソなどのロースト香。バニラシュガー、木の皮の様なバルサミック系の香り。

ワイングラスを顔に近づける度に、バニラアイスクリームの蓋を開けた時の様な香りは興ざめです。



味わいは、アタックにふくよかな果実味を感じると直ぐに、ガツンとしたタンニンがやってきます。やや暴力的な印象。

酸味は穏やかですが、タンニンが非常にアグレッシブな為、果実味と渋みで広がりをみせる印象。


樽からのタンニンに合わせて、種までしっかりと熟している苦味が重なって、苦味がコクを与えているものの、味わいを支える酸味が弱いので、余りバランスが良いとは言えない。

南イタリアのアドリア海側の地酒を飲んでいる様な印象。


ワインデータの相性料理に、炭火焼系、うなぎとありましたが、ウナギは止めた方が良いと思います。

と言うのは、ウナギって意外と繊細な味。ウナギならボルドーのメルロ主体のワインの方が良い。



このワインならスペアリブとかバーベキューの様な、甘い系のたれを使った焼き料理向き。


このワインの様に、アタックにボリューム感があるワインは、普段余りワインを飲まない方、ハッキリした味わいがお好きな方には受け入れやすいワイン。

チリやオーストラリア等のスーパーで売っている安価なワインは、この手のタイプの味わいに少し酸味が乗っているものです。

しかし、こう言う味わいになれてしまうと、アタックがスマートなフランスワインは「酸っぱい」と評価されて終わってしまうのが、怖いところ。


こう言うジンファンデルを飲んでしまうと、果実味がきちんとありながら、酸味とタンニンのバランスが取れたエレガントなワインの良さを痛感してしまう。



こう言うワインが、日本人の舌をおかしくしちゃうんですよねぇ。


私は、ジンファンデルを使ったワインでも、作りの良いワインはコストパフォーマンスも良く好きですが、この様なワインを飲んでしまうと、もう少し出来の良いワインがあるのにと残念に思う。


ジンファンデルって、結構面白い、可能性を秘めた品種なんだけどなぁ・・・・それだけに非常に残念です。


しかも、評価が高く売れている作り手(らしい)だけに、ホントに残念。



非常に不愉快。


※濃い味、ハッキリした味わいが必ずしも良いワインではない為、敢えて良くないワイン評もブログにアップさせて頂いています。