街にイルミネーションが溢れ、今年もクリスマスシーズンがやって来ました。
クリスマスと言えば、トニーのパンと言う名前のお菓子「パネトーネ
」は昨年ブログでもご紹介させて頂きました。
クリスマスに食べると恋が成就すると言われているパネトーネ。
日本でも最近では、パネトーネを始め、キリストを包んだ衣を意味する、ドイツのシュトーレン等、伝統のお菓子が見られる様になりました。
これら伝統のお菓子は、洋酒に漬け込んだドライフルーツやオレンジピール、スパイスが使われています。
ヨーロッパの伝統のお菓子には、必ず願いや意味が込められています。
クリスマスはキリストの誕生と同時に1年の収穫と無事を神様に感謝するもの。
日頃の感謝を込めて、貧しい人や弱者に施しをし、皆で幸せを分かち合うのがクリスマスです。
富の象徴であるフルーツ、富を意味し滋養強壮に役立つスパイス。
これらをお菓子にいれて、健康(不老長寿)と繁栄を願って食べられていたのが伝統のお菓子です。
さて、駆け出しのパン職人に身分を偽って、恋するパン屋の娘との恋が真実の愛かどうか確かめた貴族の息子ウゲット。
侯爵家のクリスマス用のお菓子のコンテストに出す為、親方アントニオの作ったパンを見よう見真似で作り、見事、公爵様から褒美を貰い、親方に娘との結婚を認めて貰ったと言うエピソードがある、縁結びのお菓子です。
そこで、今年のクリスマスは、パネトーネと共にヴィンサントは如何でしょう。
ヴィンサントとはトスカーナ地方を中心として、ウンブリア州、トレンティーノで作られている、陰干しした葡萄を酸化熟成させたワインで、ドルチェ(甘口)とセッコ(辛口)の両方があります。
今回お勧めするのは、勿論!ドルチェの方。
タルトタタンの様な、リンゴや洋梨、かりん等のフルーツを煮詰めた様な、また若干、軽くキャラメリゼした様な香りが楽しめます。
実は、私はデザートと一緒にデザートワインを出されるのが好きではありません。
皆さん、干し葡萄を思い出して下さい。
確かに甘いですが、最初に甘味を感じた後から、噛んでいると酸味を感じる筈です。
デザートワインも、エキスの様な甘味を、もったりと感じさせない様、酸がしっかりと支えています。
この酸味があるから、甘くても美味しく飲めるんです。
もしこれが、ガムシロップやみつ豆に入れる白蜜や黒蜜の様に、ベタっとした甘味だけでしたら、とてもではありませんが飲めません。
残念な事に、このネクターの様な甘さと、お菓子に使われているお砂糖の甘さは、甘さの種類が違い、ワインの甘味が消されてしまいます。
最初の1口、2口が酸っぱく感じたり、苦く感じてしまうのです。
ですから、私はデザートワインを飲む時は、単体で飲むか、ブルーチーズ、又はブルーチーズにドライフルーツか蜂蜜を添えた物と一緒に出して頂き、デザートはその後でコーヒーなど一緒に楽しむ様にしています。
パネトーネは、ブリオッシュ生地に、レーズンやオレンジピール等が混ざった、ほんのり甘いパンです。
これなら、デザートワインの邪魔をしません。
しかも、パネトーネにレーズンが入っていますので、相性はバッチリです。
クリスマスディナーを楽しんで、お腹もこなれた頃、夜食としてヴィンサントと一緒に頂くのは如何でしょう。
折角ですから、テーブルにキャンドルを灯す等、演出にも凝ってみて。
また、パネトーネは日持ちしますので、食べきれなくても大丈夫。
おやつとしてティータイムをデザートワインと一緒に楽しむのも、オトナ女子ならではの提案です。
勿論、朝食代わりにコーヒーと一緒に頂いても良いでしょう。
クリスマスケーキも良いですが、シンプルだけど、エスプリの効いた大人のクリスマスを楽しんで頂けると思います。
ヴィンサントは350mlで5千円位するものもあるけれど、これは2千円チョット。お手頃です。