前回迄のお話は、父の遺言通りフランス王と結婚したエレオノールですが、幸せは得られず、11歳年下のヘンリーと再婚し、キャリアと夢を実現させところまで、でした。
さて、魅力に溢れた実力者ヘンリーを育てた母とはどんな人だったのか。
今回は、エレアノールとお姑さんとの関係についてお話しましょう。
エレアノールは初めてヘンリーの母マティルダに会った時、マティルダと自分が非常に良く似ている事を感じました。
マティルダも同様で、2人は会うと直ぐに、互いの中に共通する物を感じ取っていたのです。
実際、マティルダはヘンリーに強い影響を与え、マティルダの言う事は大変良く聞いていたヘンリー。
エレアノールとの結婚に踏み切る時も、エレアノールの中に母マティルダを見てとったからでした。
マティルダが息子に教えた帝王学の1つに、「相手の前に獲物を見せたら、相手が飛び付く前に引っ込める事。その相手はその魅力に引き付けられ、いざと言う時に強力な力を発揮するだろう」と言う事がありました。
やがて、エレアノールはヘンリーとの間に生まれた8人の子供のうち、生き残った4人の王子達をこの方法で育てあげるのでした。
そして奇しくも、10年後ヘンリーの裏切りにより結婚が破綻した時、ヘンリーはこの方法により息子達から弓を引かれるのです。
とは言え、家族争いによって二人が築いた王国が崩壊するのは、まだ先の話。
2人にとって、結婚後10年間は、2人の共通の夢である、領土拡大と中央集権国家の建国を目指して、子宝にも恵まれ、その子供達の縁組を次々と纏めると言う、まさに運に恵まれた時期となったのです。
<ポイント>
出来る男性には、強く賢い母親が付いている事が多い。
相手の母親の美点を真似よ。夫の母を手本とする事で無駄な争いは回避されるのだから。
・・・・to be continued