マストロベラルディーノ社のイタリア カンパーニャ州の石灰質や火山灰の地層の土壌から作られるワイン。
グレコと言う葡萄品種を100%使用した、格付けD.O.C.Gのワインです。
作りはステンレスタンク発酵、ステンレスタンク熟成のフレッシュさが売りのカジュアルワイン定番の作り方。
正直に言ってグレコはヴェルデッキオやトレッビアーノとは違い、ハッキリとした味わいや香りの個性に乏しい。
ややグリーンがかった濃い目のレモンイエローの外観から、トロピカル系の香りとふくよかなアタックをイメージすると肩透かしをくらってしまう。
香りは、洋梨、びわを思わせる印象。ミネラルの香り。香りの要素に既に苦味(嫌味ではない苦味)を感じられる要素があります。この苦味を表現すると、オレンジピールやレモンピールのコンフィの様な、苦味の中にもお砂糖に漬けたような印象があります。
マーガレットの真ん中の黄色い部分や、黄色みがかった咲きたてのお花の様な印象。香りの構成要素はシンプルです。
ステンレス発酵、熟成のワインは香りの構成要素がシンプルで、フレッシュ&フルーティーが売りと思って良いワインです。
味わいは、アタックに若干優しい甘味を感じますが、すぐに優しいがしっかりとした酸が広がり、心地よい苦味が後から追いかけてくる感じです。
酸と苦味のバランスも良く、この2つの要素が最後まで引っ張る感じです。
イタリアの白ワイン選びは一寸したコツがあります。
個人的にはシャルドネで美味しい白ワインを探すのは難しいと思います。ヴェルデッキやトレッビアーノの様に暑くても酸が残る品種の白ならOK.
また、産地で言うなら、シチリアやサルデニアの土着品種も面白いです。
しかし、イタリアのシャルドネは酸不足をステンレス発酵・熟成でカバーしようとするのが見え見えで、発酵による香りが支配的で、酸も乏しい。
グレコも品種的な要素からだと思われますが、そのシャルドネにみる、果実のふくよかさが若干欠ける気がします。多分、私がはっきりとした味わいのワインを多く飲んでいるからだと思いますが・・・・。
さて、このワインに合わせる料理ですが、兎に角シンプルにつきます。
白身のお魚やお肉をシンプルに調理した物。
お肉なら、ささ身肉や胸肉をボイルしてフルーツを使ったソースか、ポン酢系。
お魚も鱈など至ってシンプルに。
そして何を隠そう、家で作る餃子。それもニンニクを効かす様なボリューム感のある餃子ではなく、キャベツや韮と豚肉に生姜、塩、コショウにお醤油といったシンプルな昔ながらの家庭の餃子に合います。
ニンニクが効いた外の餃子では、少しワインが負けてしまう感じです。
その家庭の優しい餃子に、お酢とラー油…あまりお醤油を濃くしないのがポイントでシンプルに頂くのが合う様です。
ハッキリとした個性が強いワインではありませんので、優しい味の家庭料理に合わせたいワインです。