女性の活躍を称えるシャンパン・メゾン | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

大手シャンパンメーカー、ヴーヴ・クリコは「ビジネスウーマン・オブ・ザ・イヤー」として毎年社会的に意義のある貢献をした女性経営者を表彰しており、過去にも日本の女性も何人か受賞しています。


以前、私の恩師がかつて受賞した時、私は、何故、ヴーヴ・クリコが女性の活躍を称えるのか、知りませんでした。それから、数年後、私は自分の授業の下調べをしている際、その意味を知りました。


何故なら、シャンパーニュを支えたのは多くの女性達の力があったからなんです。

特にヴーヴ・クリコは未亡人となったニコル=バルブが一代で、その基礎を固めたと言う歴史があったからでした。




ヴーヴとはフランス語で未亡人と言う意味。




ニコル=バルブ未亡人の嫁ぎ先は、父と夫が主に銀行業と毛織物の販売を行い、クリコ・エ・フィス(クリコ父子と言う意味)と言う会社を経営しており、いわば、シャンパンづくりは副業でした。

しかし、ニコル夫人が27才の時、夫が急死し、ニコルの義父は1人で商売を続けることが出来ないから会社を閉じる事を決意したのです。





そこに意を挟んだのがニコル夫人。亡き夫が情熱を注いでいたシャンパン業を潰してはいけないと、自分が引継ぐ事を申し出たのです。




それまで家業など殆ど手伝う機会もなく、勿論、シャンパンの生産や販売などした事もありませんでした。




シャンパン作りは他のワイン作りと違い苦労も多く、お金もかかります。

伝統ある大手メゾンが貴族やブルジョワ階級なのは、資本がかかる為なんです。



ですから、クリコ夫人が女だてらにシャンパン業を引継ぐなんて、「わざわざ苦労しなくても・・・・」と周囲は思ったのでしょうね。




でも、愛する亡き夫が情熱を注ぎ込んだシャンパン作りですから、夫の遺志を無視する事は出来なかったんです。

夫が果たせなかった夢を引継ぐ為、3才になる娘を抱えて、シャンパン作りに奔走しました。




ニコル夫人が最初に着手した事は、社名を「ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン」と現在の社名に変えた事。

そして、得意先であるイギリスとアメリカを無視して、販路を大陸ヨーロッパに集中させる事で、4ヶ月で業績を好転させました。


彼女は顧客の声、とりわけ苦情に耳を傾けました、




ニコル夫人の最大の功績は、ピュピトールと言う、澱を取り除く器具を発明した事。

そう、彼女に届く苦情には、澱によって液体が白く濁ってしまう事を指す物が少なくなかったのです。





シャンパンは瓶内で二度目の発酵が起きる為、澱が残りどうしても白く濁ったワインになる事が避けられなかったのです。


しかも、この澱を除去する事でシャンパンの泡の大半が失われたのです・




ニコル夫人はカーヴ主任である、アントワーヌ・ド・ミュレと共に、如何に泡の損失を最小限にし、澱を除去出来るか研究を始めました。




試行錯誤の末、穴の開いた2枚の板を三角形になるよう立てかけ合わせ、穴にワインの瓶を入れて、毎日1/8回転ずつ揺する事によって、澱を少しずつ壜口に集める事に成功したのです。

この板の事をピュピトールと言い、瓶を揺らし澱を壜口迄集める作業の事を日本語で動瓶、フランス語でルミアージュと呼ばれており、現在でも、この作業は、シャンパンを作るのに必須過程です。





現在は、時間短縮で機械化されていますが、原理はピュピトールと同じ。




今でも頑固にピュピトールを使って、11本手作業で澱を集める作業をしているメゾンも多くあります。




ニコル=バルブなくして、あの澄んだシャンパンカラーは生まれなかったんです。




時々カジュアルなレストラン等に行くと、店先にミニ版ピュビトールが置いてあるところがありますので、見てみて下さい。




ヴーヴ・クリコのシャンパンと言うと、誰もが知っている大手メーカー。

リザーブワインを沢山使ったヴーヴ・クコリのシャンパンは重厚さも兼ね備え、安定感があります。

フレッシュ&フルーティーがシャンパンの持ち味ですが、通好みのボランジェ、優美さのロデレールと並んで、ヴーヴ・クリコはしっかりとした存在感のある、大手メーカーながら、通にも好まれるシャンパンです。




また、どこか中途半端で美味しいロゼが少ない中、ヴーヴ・クリコのロゼはしっかりとベリー香も感じられ、軽いお肉料理なら合わせる事も出来るその品質の良さは、クリコ夫人の思いは受け継がれている様です。




愛する亡き夫の為に、生涯をシャンパン業に注ぎ込み、その基礎を築いたクリコ夫人。




女性だからこその気遣いと忍耐強さで会社を大きくした亡き夫人へのオマージュとして、現代を生きる頑張る女性に称賛を送り続けているのかもしれません。




シャンパン・セミナー開催のお知らせ。



日 時  44日(土) 14101610

     (受付14時開始)

場 所  ウィズビジネス ペントハウス 

東京駅から約3

     住所 東京都中央区日本橋3114

ステージ日本橋5F

     電話 0352013720

     地図 http://www.wissquare.jp/access/

   1FBarIN THE BARREL(インザバレル)

となっています。

     お店が閉店時間の為、正面黒い扉より階段で

お越し下さい。

会 費  ¥6,000.-(当日会場にて)

定 員  ¥5名(予定)。



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