昨年、cordeliaの彩さんにセッションをお願いしたところ、「うーん、ユミさん、見せるセミナーをすると良いですよ。食器とかをセッティングしたり、居るだけでお姫様になった気分になれる様な雰囲気で、皆が楽しいそうにお茶をしたり話を聞いている画像が見えます」との事。
確かに、私が恩師の様な人になりたいと憧れたのも、イタリア製のテーブルと椅子、華やかにセッティングされた食器達・・・お教室に居るだけで夢の世界を体験出来たから。
「私、こう言う所で教える人になりたい!」強く心に感じたんだっけ。
・・・とは言え、お道具の搬入は?
面倒くさい事は避けたい性格の私と、空間をこだわりたい、こだわるならトコトンこだわる私がせめぎ合う。
翌々日、電車の中でふっと頭をよぎったのは「美輪さんのコンサートに行ってみようかな?」でした。
美輪明宏さんは、演出が徹底的に凝っていると聞いた事があるから。
ロビーに入った瞬間から、時代背景まで徹底して資料を調べて演出されるらしい。
私の怠け癖に喝が入るかも!
早速、インターネットで調べたら、丁度、チケットの発売中。
という事で、昨日、ゆうぽーとホールにて「ロマンティック音楽会」に行ってきました。
しかも、前から8列と言う、良いお席。
幕が開くと、とても良い香りが会場を包みます。
第1部を明治、大正、昭和に歌われた、情緒豊かな日本の歌。
第2部はシャンソン。
舞台セットやお衣装も素敵ですが、1曲1曲がドラマ仕立てになっていて、人間の喜怒哀楽がヒシヒシと伝わってくる。
本当に、細部にまで手抜きがありません。
しかも、美輪さんのステージって「聞いて、聞いて」「私を見て」と言うのが全くないの。
主人公を演じ切っていると言う感じ。
大きな愛で包まれている感じで、何度も目頭が熱くなりました。
勿論、有名な「ヨイトマケの唄」に至っては、心をぎゅっと掴まれる様な、母の愛が温かく感じられる様な、気が付くとすーっと涙が伝っていました。
2部の最後は「愛の賛歌」。
私達が耳にする歌誌ではなく、エディットピアフが歌っていた言語を美輪さんが訳したバージョン。
ストレートに無私の愛を歌った、シンプルな歌詞なだけに、人間の本質に迫る様な崇高な気分にさえなる様な、ステキな一夜でした。
感動だけでなく、美輪明宏さん独特のシニカルなジョークで、しっかりと笑わせて下る、ステキなステージでした。
クラシックのコンサートやバレエなど良く行きますが、そのどれとも違う、心が浄化される様なステージ。
無償の愛を頂いた感じです。
見せ方の勉強をするつもりで伺ったコンサートでしたが、ご縁あって、私のセミナーに来て下さった方のお役に立てる様、奉仕をさせて頂く、そんなスタンスでやっていきたいな・・・・美輪さんの姿勢から学ばせて頂きました。
写真はロビーにあった、ディスプレイです