中国においては「矛盾」は存在し得る   2024/3/21 | 日記「ウクライナ人の戦い」 Masanori Yamato

日記「ウクライナ人の戦い」 Masanori Yamato

「ウクライナ戦争」を描くことで、プーチンとは何者なのかを書きたい。

 

中国においては「矛盾」は存在し得る   2024/3/21

 

 

3/20、香港議会は「国家安全維持法」の施行令に当たる香港版安保条例案を可決した。23日から施行するという。施行にあたって、犯罪の対象とその範囲は香港行政長官がその都度定めるというのだから、およそ条例とはいいがたい。曖昧を越えてでたらめという他ない。

 

香港行政長官は「外国人と外国組織を念頭に置いた条例である」という。香港に駐在する海外企業は否が応でも敏感にならざるを得ない。

 

3月初め「全国人民代表者会議」の冒頭3/5、李強首相が「中国経済の建て直しのために新たな成長エンジンを探さなければならない。改革と変革が求められる。そのためには経済と社会の信頼を取り戻さなければならない」と述べたのは記憶に新しい。

 

香港は世界有数の金融都市である。流通の拠点である。香港株式市場は外資の受け入れ窓口であり、株式と債券等の取引の拠点である。物流においても、輸入される物資の多くは香港経由で中国国内に入っている。その香港が外国資本に警戒を抱かせるきわめて曖昧な安全保障に関する法整備を整えたというのであるから驚きである。

 

国内経済の建て直しを探求しなければならない状況にありながら、その手段として外資の導入を促進しなければならない状況であることが明らかであるにもかかわらず、外国企業の従業員等の言動に厳しい監視体制を敷くというのだから解せない。

 

中共政権は香港の治安がそんなに重要というのか。経済回復よりなにより、香港の不安が国家の安全を脅かすというのか。その危機を遮断することが最重要と考えているのか。もう香港から外資が逃げ出しても構わないというのか。

 

「反スパイ法の改悪」といい、中共政権の政治と経済への舵取りがあまりにも矛盾していて理解に苦しむ。