前回の投稿から、昨年12月20〜22日に行った鹿児島研修旅行の振り返りをしています。
前回の内容はこちら
今回は2日目です。
2日目の21日は、霧島市まで移動し、まずは日当山無垢食堂に行きました。
日当山無垢食堂は、西郷隆盛が愛したといわれている日当山温泉郷にある物産館とレストランです。
地産地消にこだわり、地元で採れた旬の食材をふんだんに使った料理を提供しているのですが、その料理がこちら。
とても美味しそうな料理ですが、今はこの料理は食べることはできません。
なぜなら、2週間ごとにメニューが変わるからです。
日本には春夏秋冬という四季がありますが、それを24等分し15日ごとに分けた「二十四節気」をさらに分割し、約5日ごとに分けた「七十二候」というものがあります。七十二候は、季節ごとの鳥や虫、植物、天候などの様子が時候の名前になっており、自然の変化に添っています。食材の旬は約2週間で移り変わっていくのですが、日当山無垢食堂ではこの二十四節気、そして七十二候に添って料理を提供しているため、まさにそのときそのときに一番美味しい食材を味わうことができます。
和食の基本となる「一汁三菜」。主菜と副菜を自分で選ぶのですが、僕はここに感動しました。
どんな組み合わせにしても、栄養の偏りが出ない、バランスの整った献立になるのです。
揚げ物なんかも、揚げ物独特の油気というか、あのしつこさは全くなく、味も濃すぎるものはなく、普段コンビニやスーパーの弁当を食べることの多い僕にとっては、青天の霹靂といっても過言ではないものでした。
そして、ひより保育園の見学。
ひより保育園は、内閣府の「企業主導型保育事業」の認定を受けた保育園で、園児のお父さん・お母さん、保育園の職員だけではなく、地域の人々とのつながりも大事にし、助け合いながら園児を見守り、成長を見守っていきたいという想いで経営されています。
その想いは、保育園のロゴにも表れています。
(ひより保育園HPより拝借)
「人」という漢字がモチーフとなっており、一番上の大きな「人」の文字の部分は「屋根」という意味もあるのです。
見学の際に、園内ツアーをしていただいたのですが、このひより保育園には、普通の保育園とは違うところばかり。保育園の職員の皆さんの想いとしては、自分たちの力で考え、行動する力を身につけてほしいというものがあり、その想いに溢れた保育園で、感動しました。
まず1つ目として、園庭の特徴。保育園の園庭にあるはずのジャングルジムや滑り台などの遊び道具は全くなく、その反対に大きな岩があったり、花壇の角も角張っていたりと、園庭らしくない園庭でした。遊び方が限定されてしまうような遊具を置いていないからこそ、「今日は何をして遊ぶ?」から始まり、園児たちが自分たちで遊び方を考え、工夫する。また、保育園の中を安全にしていたところで、一歩外に出れば危険ばかりであることから、大きな岩や角張っているものなどを置くことで、何が危険なのかを身をもって体験し、理解する。こうやって自分で考え、行動する力を養っていました。
そして2つ目として、「HELPカード」。園児たちが何か手助けが欲しいと思ったときに、「〇〇をしたいから、手伝ってほしい」と書く。それを見た職員が手助けをする。その反対に、職員が園児たちに手伝って欲しいと思ったときにカードを書いて、それを見た園児たちが手伝いをする。そのような仕組みがありました。これをすることで、自分で考えて人にお願いをする力が養われます。
3つ目は給食室とその向かいにある園児用の調理スペース。給食室は廊下から中を覗けるようにガラス張りになっているので、調理師と園児たちとの間でのコミュニケーションが取れます。また、園児用の調理スペースを設けていて、園児たちが自分たちで考え自分たちの力で調理をしています。その調理の様子は、YouTubeで見ることができます。
そして、園児たちの様子を見て感じたことが2つ。
まず1つ目は、クラスはあるものの、年齢関係なくみんなが入り混じって遊んでいたということ。年少の子たちは年長の子たちを見て学び、成長できる仕組みになっていました。
そして、2つ目は園内の見学をしているときに起こったある事件で感じたことです。ある男の子が落とした積み木が女の子の足に当たってしまい、その女の子は泣いてしまいました。そのとき、積み木を落とした男の子は、自分から「ごめんね、ごめんね」と、泣きながら謝っていたのです。これを見ていて、自分はどうなのかと、猛省しました。いい歳の大人でも、自分が悪いことをしても素直に謝るどころか逆ギレする人はたくさんいます。「自分は悪くない。むしろ、相手が悪いんだ」と被害者面しているところなんか、当たり前のように見かけます。子どもでもできることが、なぜいい歳の大人にはできないのでしょうか。自分の生活態度を見直させられた瞬間でした。
ひより保育園では、職員のものすごく大きな想い・エネルギーが形となり、それが実際に子どもたちに届いていました。人間として生きていく上で必要な「生きる力」を養うための最大限の努力がありました。
日当山無垢食堂とひより保育園を運営されている古川理沙さんは、SDGsについて、無意識で行っていることの何が環境に大きな負荷をかけているのかを知ること、そしてそれを変えることがまず大事と考え、「食」を通してCO2を削減していく取り組みをされています。
古川理沙さんは「普段、何かを買って→消費して→捨てるという行為を繰り返しているが、買うよりも前、あるいは捨てた後の循環がどうなっているのか、まずはここを知ろうとする努力、そして、循環の半径をできるだけ小さくする努力が大切ではないか」とおっしゃっています。僕は、知る努力をするだけでも、その先の行動は変わってくるのではないかと思います。
(日当山無垢食堂noteより拝借)
実際に、ひより保育園の園庭の片隅にもコンポストがありました。
園児たちは、調理したりするだけでなく、生きていく上で必要不可欠な食材を作る実験のようなことも行っていて、SDGsに触れていることに気づき、日当山無垢食堂・ひより保育園のプロジェクトの大きさを痛感しました。
僕は、古川理沙さんをはじめとする日当山無垢食堂・ひより保育園に関わっておられる皆さんのこのような活動を通して、SDGsに関しての問題提起がなされていると感じました。日本は諸外国と比べて、食料自給率が異常に低い国です。その割には、捨てられる生ごみの量はとても多く、プラスチックなどの資源までも当たり前のように捨てられ、結果的に環境破壊の原因になってしまっています。
いきなり変えるということは難しいかもしれないけど、変える努力は誰にでもできます。改めて、自分たちの生活を見直し、考えるべきだと思いました。




