今日は、8月6日。
あの日から79年。
以前のブログでも、この曲の歌詞について言及しましたが、
被爆80年という節目を目前に控えた今だからこそ、
改めて、『We are the world』という曲の歌詞の意味を考えたいのです。
①『We are the world』
アフリカの飢餓がますます深刻化していた1984年、イギリスのミュージシャンのロバート・フレデリック・ゼノン・ゲルドフが発起人となり、イギリスとアイルランドのロック・ポップ界のトップスターたちが集結し、Band Aidが結成されました。
エチオピアで起こった飢餓をきっかけにボブ・ゲルドフとミッジ・ユーロによって書かれたチャリティーソング「Do They Know It's Christmas?」は大ヒットしました。
それに触発される形で、アメリカの歌手のハリー・ベラフォンテがアメリカで同様のプロジェクトを作ることを提唱。
まずライオネル・リッチーに呼びかけ、そこからマイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダー、クインシー・ジョーンズなど、数々の大物アーティストが芋づる式に呼びかけに応じ、最終的に集まったアーティストは45人に達しました。なお、参加アーティストは全員が無償で参加しています。
マイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーが共同で曲を書き、プロデューサーのクインシー・ジョーンズの下、1985年1月28日、ついにレコーディングが開始されました。プロジェクトは「United Support of Artists」のイニシャルとアメリカ合衆国の略称とのダブルミーニングで「USA for AFRICA」と名付けられ、3月8日、「We are the world」がリリースされました。
この1985年は、飛行機事故が相次いで発生しており、8月12日には日本航空123便が墜落。坂本九さんをはじめとする520名もの方が亡くなりました。
他にも、ソ連が東カザフスタンで核実験を行ったり、 南アフリカが異民族間の結婚を禁止する法律を廃止したりと、さまざまなことが起こった年です。
それだけではなく、第二次世界大戦・太平洋戦争関連では終結から40年、広島県物産陳列館(現在の原爆ドーム)竣工70周年、国連発足40周年と、節目を迎えたものも多い年でもあります。
1985年にリリースされたこの曲は、世界で何か大変なことが起こるたびに、「力を1つに合わせて、ともにがんばろう!」というメッセージを込めて歌われています。
②歌詞
『We are the world』の歌詞は、次のとおりです。
There comes a time when we heed a certain call
When the world must come together as one
There are people dying
And its time to lend a hand to life
The greatest gift of all
We can't go on pretending day by day
That someone, somewhere will soon make a change
We are all a part of Gods great big family
And the truth, you know,
Love is all we need
We are the world, we are the children
We are the ones who make a brighter day
So lets start giving
There's a choice we're making
We're saving our own lives
Its true we'll make a better day
Just you and me
Send them your heart so they'll know that someone cares
And their lives will be stronger and free
As God has shown us by turning stones to bread
So we all must lend a helping hand
We are the world, we are the children
We are the ones who make a brighter day
So lets start giving
There's a choice we're making
We're saving our own lives
Its true we'll make a better day
Just you and me
When you're down and out, there seems no hope at all
But if you just believe there's no way we can fall
Let us realize, that a change can only come
When we stand together as one
We are the world, we are the children
We are the ones who make a brighter day
So lets start giving
There's a choice we're making
We're saving our own lives
Its true we'll make a better day
Just you and me
この歌詞を、ただの直訳ではなく、『曲に合うように』、僕なりに意訳してみました。
今こそ 拳を広げ
手を繋ぎ 前を向く時
自分の居場所を 失くしているあなたに
手を差し伸べる
これでもう 終わりにしよう
見て見ぬふりをするのは
僕らはみんな 仲間なんだ
必要なのは愛さ
世界は一つだから
今こそ手を取り合って 乗り越えよう
明るい明日を 平和な世界を
ともに作り上げてゆくんだ
そうだ みんなに 愛を伝えよう
仲間が 目の前にいるんだと
救いの手を 差し伸べよう
悩んでるのは あなただけじゃないんだ
世界は一つだから
今こそ手を取り合って 乗り越えよう
明るい明日を 平和な世界を
ともに作り上げてゆくんだ
例え 罵声浴び 絶望に襲われても
例え 朽ち果て 徒花と化しても
諦めなければ 全てが希望に変わる
何度でも 心を解き放て
世界は一つだから
今こそ手を取り合って 乗り越えよう
明るい明日を 平和な世界を
ともに作り上げてゆくんだ
③『We Are The World 25 Years for Haiti』
2010年1月12日に発生したハイチ地震。
マグニチュード7.0の大地震がハイチを襲い、国内の政情不安定による社会基盤の脆弱さもあって、死者が31万6千人にも及ぶ大被害が発生しました。ポルトー・プランス湾沿岸にあるグラン・ゴアーブでは、地滑りにより平均3mの高さの津波が発生し、複数の家屋が倒壊しただけでなく、津波を見物していた3人が犠牲となってしまいました。
心を痛めたクインシー・ジョーンズとライオネル・リッチーが全米の歌手に声をかけ、同年2月1日に「We Are The World 25 Years for Haiti」として再レコーディングされました。1985年版でMichael Jacksonが担当していたパートについては、2009年に亡くなったこともあり、哀悼の意を込めて当時レコーディングしたものがそのまま使われました。
また、「We Are The World 25 Years for Haiti」では、新たにラップが加えられ、一部の歌詞はハイチの母国語であるハイチ語に変更されました。
ラップ部分の歌詞は次のとおりです(イタリック表記はハイチ語)。
We all need somebody that we can lean on
when you wake up look around and see that your dreams gone
when the earth quakes we’ll help you make it through the storm
when the floor breaks a magic carpet to stand on
we are the World united by love so strong
when the radio isn’t on you can hear the songs
a guided light on the dark road your walking on
a sign post to find the dreams you thought was gone
someone to help you move the obstacles you stumbled on
someone to help you rebuild after the rubble’s gone
we are the World connected by a common bond
Love the whole planet sing it along
Everyday citizens everybody pitching in
Nou se mond la
nou se timoun yo
You and I
Uh, 12 days no water
wishing will to live
we amplified the love we watching multiply
Feeling like the Worlds end
we can make the World win
Like Katrina, Africa, Indonesia
and now Haiti needs us, the need us, they need us
ここも、僕なりに意訳してみました。
私たちはみんな、頼れる仲間が必要だ
目が覚めてから周りを見回すと、夢が消え去ってしまったのがわかる
地震が起こったら、私たちは困難を乗り越えるために手伝おう
床が割れたとしても、魔法の絨毯を敷いて立ちあがろう
私たちは、とても強い愛で結ばれた仲間なんだ
ラジオがついていなくても、仲間たちの歌が聞こえる
暗い道を歩いていても、仲間という光が導いてくれる
それは、消えたように感じた夢を見つけるための道しるべだ
何かにつまずいても、それを助けてくれる仲間
瓦礫がなくなったら、復興を手伝ってくれる仲間
私たちは強い絆で結ばれた仲間たちなんだ
地球全体を愛して、共に歌おう
みんなで協力しよう
世界は一つだから
君と私
12日間もの間、水がなくなったとしても
絶対に生きよう
愛が広がっていく
それが、世界の目標だろう
世界を導こう
ハリケーン・カトリーナのときや、アフリカ、インドネシアのときのように
まさに今、ハイチは私たちを必要としているんだ

