現在、広島市立中央図書館移転問題で、広島市の専制的な政治に異議申し立てています。
2022年3月15日23時14分、中国新聞でこのような記事が出ました。
僕も、広島文学資料保全の会のメンバーとして、ここに同席させていただきましたが、我々が話したこととは論点がずれており、非常に腹が立っています。
この記事にはとても大事なことが一切書かれていないのです。
 
まず、我々が今回提出した要望書がこちらです。
 
 
中央図書館には、旧広島藩主浅野家から寄贈された和漢古書のうち、被爆による焼失から免れた「浅野文庫」を含めた江戸時代の資料や、地元文学者関連資料や、被爆関連資料など、数えきれないほど多くの貴重な資料が収められています。
現在、エールエールA館に移転したあとに所蔵する予定の資料は150万点です。これを超える場合は、そのときに考えるとのことでした。つまり、こんな大事なことについても未だ全く決まっておらず、保管場所も状態の悪いところになる可能性だってあるし、場合によっては捨てられる可能性もある、ということです。
このことは、著作権継承者らへの説明は一切されておらず、了承も未だ得られていないのが現状です。実際に、我々の会で県外にお住まいの著作権継承者らへ問い合わせたところ、「今、この電話で初めて知った」という人ばかりでした。このことについて「了承は得られているんですか」と問いただしても、担当課長は長々と説明するだけで、こちらが質問している「了承を得たのかどうか」ということについては全く答えませんでした。
 
このまま、エールエールに移転されるのであれば、中央図書館に寄贈している資料を引き上げるという話も出ています。
実際にこのようなことが起これば、図書館としての機能の1つである「図書館資料の保存」がなされていないことの象徴となってしまい、図書館の名を汚すことになります。
 
 
 
それだけではありません。
そもそもですが、図書館を作る際には、図書館のための建築基準法があり、それに則って設計しなければなりません。エールエールA館は商用施設であり、図書館のために作られたものではないため、図書館の建築基準を満たしていないのは明らかであり、「改修すればいい」という問題ではありません。これに関しても全く検討されていません。これについても、担当課長は「今後検討する」としか言いません。
もっと言えば、エールエールA館の8〜10階に移転するということになっていますが、8〜10階のみを改修しただけでは、図書館の建築基準を満たすことはできません。上下の階の影響を受けることは想像がつくでしょうし、なんといっても、11階にはレストラン街があるわけです。つまり、そこまでガス管が通っているということです。なんらかの原因でガス管に不具合が生じ、異常が発生した場合、収蔵している資料に影響が出ないという保証はありません。資料に影響が出てしまったときは、どう責任取るのでしょうか。
 
 
 
根本的なことを言えば、担当の生涯学習課からは、不公平な対応をされています。
賛成派の団体に関しては、市長との面談を取りつぎ、実際に面談を実現させた。しかし、反対派に関しては、生涯学習課長1人の判断で、「面談する必要はない」とされ、市長と話をすることを拒まれています。
広島市職員倫理規則には、

第2条 職員は、広島市職員としての誇りを持ち、かつ、その使命を自覚し、第1号から第3号までに掲げる倫理条例第3条の倫理原則とともに第4号及び第5号に掲げる事項をその職務に係る倫理の保持を図るために遵守すべき規準として、行動しなければならない。

(1) 職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならないこと。

(2) 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならないこと。

(3) 職員は、法律又は条例により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者から、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は供応接待(以下「贈与等」という。)を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならないこと。

(4) 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならないこと。

(5) 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならないこと。

とあります。第2条第1項について、守っているとは到底言えません。
これは、誰が見ても不公平であることは一目瞭然です。
差別・区別されているとしか言いようがなく、平和的な対応とは言えるはずがありません。
「国際平和文化都市」を掲げている広島市の対応がこんなもので、どうするんでしょうか。
 
 
 
現在、中央図書館移転計画を考える市役所本庁職員有志による文書が各方面に送られています。
僕のところにも、送られてきました。
 
今の広島市の対応は、市民の図書館に対する想いなどを完全無視した、利益優先の独裁政治にしかなっておらず、文化や市民の想いはどうでもいいという意思表示にしか見えません。
 
市の担当課長とやりとりをした後、記者会見を行いました。報道関係者に確認すると、この文書の中にある「音楽・舞台芸術ホール新設」ということは一切聞いたことがないとのことでした。
 
(少し話がそれますが、音楽・舞台芸術ホールを新設するにしても、そのための基準があり、そう簡単に決めることがで生きるようなものではありません。また、この文書の中にもありますが、音楽・舞台芸術ホールはここじゃないといけないというわけではありません。少なくとも、僕はこのような形で市民の意見もまともに反映されずに作られたホールでは演奏したくないですし、ここでの演奏を聴きに行くことすらもしたくありません。「国際平和文化都市」の名が泣きます。)
 
中身は全く決まっていないにもかかわらず、移転ありきで全てが進んでおり、不信感を抱かずにはいられません。
 
 
 
今回の中国新聞の記事は、このようなありのままは報道していないだけでなく、賛成派の意見だけを「市民の声」として報道し、反対派の意見についてはまるで市に楯突いて文句ばかり言っているかのような書き方をしてあり、非常に不愉快極まりない記事です。
報道は、民主主義を支える大事なものです。報道の仕方によっては、偏向報道となり、誤解を招くことになります。
報道機関としての自覚を持ち、ありのままをきちんと伝えていただきたいものです。
 
 
 

 

そして、2022年3月16日11時19分、速報が出ました。

 
市の説明不足などを理由に、当初予算案で計上した計1億7729万9千円のうち、寄贈資料の保管法の検討費53万円を除く大半を削除した修正案を、市議会の第4会派である市政改革・無党派クラブ(略称 市政改革ネットワーク)が14日に提出していましたが、否決されました。採決に参加した市議会議員45人のうち、この修正案に賛成した議員は21人。つまり、たったの3票差です。

これだけ大事な案件にも関わらず、わずかな差でも、簡単に「反対多数で否決」と決められるわけです。

それも、まともな議論もされずに。

 

市民へのまともな説明すらもなく、このような形で強行採決され、無理矢理物事を進められるのは、民主主義とは言いません。

非常に不愉快極まりない結果です。

 

 

 

今後、著作権継承者の方々と共に、再度面会をさせてもらえるよう要望していく予定です。

これからも、市民が納得できる、まともな説明を求めていきます。