こんばんは(^-^)
今日も12歳まで親元を離れ寮生活を送ってた私が映画を紹介して見ようと思いますよ・・・
【八日目の蝉】
妻子持ちの秋山丈博と交際した挙句に子供を身籠り堕胎した野々宮希和子
その後、秋山丈博の妻・恵津子は妊娠するが旦那への嫉妬と憎しみからか希和子へ精神的な追い込みをかける
堕胎し子供を産めない体になってしまった希和子はそのショックと恵津子からの嫌がらせで追い込まれていく
そんな中で秋山夫妻に子供が生まれた事を知った希和子は、秋山夫妻の子供を一目見れば丈博への想いを断ち切れると思い雨の日に秋山家へと忍び込む
しかし希和子は衝動的に恵理菜(子供)を抱いて連れ去ってしまう
希和子は生まれてくる筈だった自分の子供に付けようとしてた“薫”と言う名で子供を呼び、逃避行を始める
先日、日本アカデミー賞で10部門も受賞しちゃった作品です
まぁ・・・受賞したからと言って面白い、自分に合う作品とは限りませんがね・・・ケケケッ・・・
借りる適当なのが無かったから借りてどちらかと言えば期待もせずに観たし、タイトルの「八日目の蝉」もなんのこっちゃと思って観たんですが・・・
いやぁ・・・これ素晴らしい作品ですね・・・
最後、号泣しちゃいました
なんでしょうね・・・これは・・・
本来、とんでもない話なんですよ
不倫した挙句、その家庭の子供を誘拐して逃げるんだよ
普通に考えると許せない話なんですよね
希和子に同情する余地なんて全く無い話なんですよ
なのになんなんでしょう・・・希和子に感情移入しちゃってるんですよ・・・
色々、観終えて考えてみました
まず、秋山と岸田の無責任不倫男が一番最悪なのは間違いないです
しかも2人とも同じ逃げ口上
あと希和子も恵津子もそれぞれの行動に問題があり悪いと思うんですよ、でもどっちも悪くないとも思うんですよ
恵理菜ちゃんが事件後にああなってしまうのも、秋山家がそうなってしまうのも想像に難しくないんですよね
マロン、千草ちゃんもね・・・
大人の無責任な欲望とエゴとPRIDEと嫉妬の果てに犠牲になった子供達
始まって5分過ぎの誘拐シーンでは「生後間もない子供を戸締りもせずに置いて外出するなんて・・・んなアフォな!!」ってズッコけたけど、
恵津子の希和子へ行った行為やその後の行動や言動を考えると、恵津子は子供が欲しくて産んだんでは無くてひょっとしたら旦那を取り戻す為に“恵理菜が必要だった”だけじゃないのかと決めつければ、あんな状況を作り出したのもあながちムチャクチャな話じゃなく有り得る事なのかなと・・・
そんな中で救いだったのが希和子が恵理菜、薫に対して注いだ愛情が“本物”だったこと
希和子が、彼女が薫に注いだ愛が最終的に芽を出せば結果オーライのハッピーエンドで、芽が出なければ全員バッドエンドのギリギリの話だよね
希和子に感情移入したのは彼女の薫への愛情が本当の親子もしくはそれ以上のモンだと感じてしまったからだろうね
永作博美の演技によるのも大きいだろうね
その他の役者さん達も悪くは無かったけど、やっぱり永作博美には拍手を送りたい作品ですね
劇団ひとりは普段のコントでも変に巧過ぎるから、逆にちょっとシリアス系の映画は出て欲しくないなぁ
あと個人的にエンゼルさんのキャラがツボでした
観終わって「八日目の蝉」ってタイトルは絶妙なタイトルだと思いました
地上に出て七日目で死んでしまう蝉の中で八日目まで生きてしまった蝉が見る世界
八日目は哀しい世界か、素晴らし世界か
それはきっと生まれて地中で暮らした7年間
八日目にきっとどんな世界を見せてくれるのかはその7年間が重要になってくるんだと思うんですよ
恵理菜ちゃんは“地中で暮らした日々”が、倫理観や過程はどうであれ素晴らしい4年間を過ごしたんだと思うんですよねぇ・・・
でもそれは“希和子のおかげ”と言うのもまた簡単に言う事が出来ないし納得できないのもまた事実ですよね
この作品をどの立場で観るかで全然感情の持って行き方が変わると思います
矛盾と倫理観と愛の狭間で大切な事は何かって事が微かに見えてくる・・・そんな作品かと・・・思います・・・
是非、これはお薦め作品ですね
薫役の子役はガチで可愛いですね・・・