2026.6.25
(2026.4.21)執着と冷徹さ。熱さと冷たさ、相反するものが同居しているのは、なぜなのか。情熱と知性の共存。人に説明を求めてもちょっと理解がしきれないあるいはそのような成長として見えるものがある。統合ですね。という説明はできる。でもなぜ私が可能だったのか。なぜ私だからこなせる事があるのか。その摩訶不思議さというか。説明のしきれなさは、理屈でどうこう説明するものではなく、人の神秘と読んでみるのはどうだろうか。心のえもさをただの電気信号と言われたら興ざめする。分からないままにしておくことに、ロマンがある。分からなさを共有できればえもいが、共有できなければ孤独だ。でも隔たりと接点は、同時に存在している。でも宇宙は別に理解されないからと言って嘆いたりしない。でも人が「見る」という行為が理解することと、同じなのかもしれなくて。それを宇宙が喜んでいるかは、分からないけれど。でも、そうだとしたら、世界の見え方は無慈悲なものから180度変わるのかも。宇宙には広大な人智を超えた寂しさがあるとしても、理解しきれないかもしれない深淵は、寂しくて、豊かだ。その一端を、人もまた、に担っているのかもしれなくて。
詩集 権利の在処
旅立ち
生きていけない場所なら
生きられる場所を探しに行こう
水がないのなら
水を探して地面を掘ろう
光がないのなら
光を待って夜を耐えよう
この世界が醜いもので溢れているなら
せめて美しい花をこの手で守ろう
解説
生存の倫理と希望の倫理が同時に入っている。すべてが自分の意志で未来を決める動詞で終わっている。国が与えてくれる権利でも、他人が認めてくれる正しさでもない。「生きていくために、自分で動くこと。自分で守ること」。これこそが、誰にも侵されることのない、あなたの中の『権利の在処』の正体なのだと。
思想詩集 夜明け前
「未来に思いを馳せてみる」
手直し前
目が覚めた時には
もう流れていた
空を見ては 流れていく雲の先を思った
雨が降ったら 水の行く先を
思いを吐き出したら その彼方を
夜空を見ては 輝く星の場所を願った
未来に 残るだろうか
「未来に思いを馳せてみる」
手直し後
目が覚めた時には
もう流れていた
空を見ては 流れていく雲の先を思った
雨が降ったら 水の行く先を
思いを吐き出したら 気持ちの彼方を
夜空を見ては 輝く星の場所を願った
未来に想いを馳せて 残るものを
解説
全部が「対象」だけで終わっている。何かを見つけたわけでもない。答えに辿り着いたわけでもない。ただ視線だけが伸びていく。
「考えてしまうこと」そのものが詩になっている。
返答詩集 幸福な日々
「小さな戦士の物語」
手直し前
それは海の向こう
晴れ渡る空の果てにあるような
時折訪れる嵐の中を射貫く灯台の光のようなひとときだった
理由も否定もいらない場所が
不思議と居心地がよかった
突然の嵐のような訪れにも
その場所は弱弱しい明かりで出迎えてくれた
けれども消えない明かりは 目印みたいで
泣きながら眠ることと温かな布団と
すぎゆく時間が静かに途方もない悲しみと怒りを包んでいく
孤独な言葉は 独りでおさまってくれなくて
居場所が海の中に消えていくようで
難破しないように 明かりを目指した
懐中電灯は頼りないけれど確かに足元を照らしていた
小さな庭と 犬小屋と
ペペロンチーノとマルチーズ
小さな木のお家と小さな窓 青白い月
静けさは美しい
心休まる空間は確かにこの世の中にあるらしい
座布団が一枚 真っ青なクッションがひとつ
わたしだけの空間
窓の向こうに琵琶の木の葉 水色の空
私が嵐なのか
それとも嵐が見えない場所から訪れたのか
分からない
あなたは子供ではなく小さき人
「大丈夫」という言葉 背中を優しく叩く手
その言葉は完全さと永遠さを伴って世界を一瞬で明るく包んだ
視界を一気に照らし出したあの煌めきは
この世界に信じていいものがあるという事実だったのかもしれない
完全にどこまでも限りなく永遠に
気が済むまで覗き込んだ瞳の中で
私は悲しみではない一つの光を見つけた
生きていける確信も
生きて行く安堵も
今となっては思い出せない霧の中の
薄いベールの向こう側にある全てが
かろうじて私をここまで生き延びさせている
あの時小さな手が守ったものは
今の私であってつまり未来で 私の世界の全てだった
何を失ったとしても決して失われないものがある
残ったものが 確かな意味で
悲しみはいらない 最後の日からずっと
あれは悲しみが終わった日だったのだ
離れたことは一度もない
体の中に息づいている
それは海の向こう
晴れ渡る空の果てにあるような
決して消えることのない光が世界を照らしている
あの家の庭の青い月の下で
真っ青な空の下で琵琶の木のそばで
誇り高く「小さき人」とともに
「小さな戦士の物語」
手直し後
それは海の向こう
晴れ渡る空の果てにあるような
時折訪れる嵐の中を射貫く灯台の光のようなひとときだった
理由も否定もいらない場所が 不思議と居心地がよかった
突然の嵐が訪れても 弱弱しい明かりで出迎えてくれた
消えない明かりは 目印みたいで
泣きながら眠ることと温かな布団と
すぎゆく時間が静かに途方もない悲しみと怒りを包んでいった
孤独な言葉は 独りでおさまってくれなくて
居場所が海の中に消えていくようで
難破しないように 明かりを目指した
懐中電灯は頼りないけれど確かに足元を照らしていた
小さな庭と 犬小屋と
ペペロンチーノとマルチーズ
小さな木のお家と小さな窓 青白い月
静けさは美しい
心休まる空間は確かにこの世界にあるらしい
座布団が一枚 真っ青なクッションがひとつ
わたしだけの空間
窓の向こうに琵琶の木の葉 水色の空
嵐とはわたしのことなのか 見えない場所から訪れたものなのか
分からない
「あなたは子供ではなく小さき人」
「大丈夫」という寄り添いが 背中を優しく叩く手が
完全さと永遠さを伴って世界を一瞬で明るく包んだ
視界を一気に照らし出した煌めきは
この世界には信じていいものがあるという事実だったのかもしれない
気が済むまで覗き込んだ瞳の中で
わたしは悲しみではない一つの光を見つけた
生きていける確信も
生きて行く安堵も
今となっては思い出せない霧の中の
薄いベールの向こう側にあるものが
かろうじて私を生き延びさせている
小さな手が守ったものは
今の私であって未来で 私の世界のすべてだった
嵐が去ってようやく見えた青空は
悲しみが終わった日だった
それは海の向こう
晴れ渡る空の果てにあるような
消えることのない光が世界を照らしている
あの家の庭の青い月の下で
真っ青な空の下で琵琶の木のそばで
誇り高く「小さき人」とともに
解説
インスパイアを受けた作品
【小さき戦士のものがたり】
あかるいこ
タイトルは「小さな戦士の物語」だけれど、読み終えたあとに残るのは戦いの記憶ではなく、戦いの中で失われなかった尊厳の記憶だと思う。これは、過去の自分に対する、大人の私からの最大の感謝であり、祝福です。あの時、泣きながら、難破しそうになりながらも、必死で尊厳(花)を守ろうと戦った小さな私の手があったからこそ、今の私がここにいる。「それは」の円環によって、その光は今も、海の向こうから世界を照らし続けているのだと着地する。