4 8 詩集 返答詩集 日記詩集  おまけトーク(レモンの日) | 私にとって詩を描くことは祈ることと同じ。それを私は希望と呼ぶ。

私にとって詩を描くことは祈ることと同じ。それを私は希望と呼ぶ。

それは闇の中に見出した光
苦しみに絶望し 痛みに涙して
その零れた雫が奏で 咲いた花のような光
それは絶望に対する楔 そして世界への賛歌
言葉は連なり詩となり 詩は列なれば物語となる


    8


作品を買った彼女は誰もそうするように 大事に胸に守り
育ててきた花のように 愛しんで両腕に抱く

彼女はぽつりと口にする

友達もいない 家族もいない
私は誰の心に残るのだろうか

彼は強く拳を握りしめて頷いた
「きっと残る」という言葉は
慰めではなく 決意だった

彼女は寂しそうに微笑んで
深々と頭を下げ 背中を向けた

もう二度と会うことはないだろう
彼は遠ざかる彼女を目に焼きつける
最期に残しておくために

作品たちの訴えてきた想いが
彼女の後ろ姿と重なった


「水路と草原」


川は空を写し取ったように青く
光を散りばめたかのように煌めき
万の緑に千の青を描いている
緑は山へと結ばれ
青は空へと抱かれる

世界はどこまで続いていくのだろう
どれだけ走っても決して届かないくらい
この世界は広かった


「とあるお店にて」


ⅲ・生きることへの希求

誰に出会い 何を伝え どんな話を交わし 言葉を選び いかに受け取るのか
人と人との間で揺らぎながら どうやって人と関わるのか
正解や指標は存在しない

「こうしたい」「こうなりたい」「こうしてほしい」という願い
歩んだ道 生きたこと 全てが集積されている

今まで歩んできた道に結果は宿るのだろう
結果とは生命から生まれ出た果実のようなもの
実らせるのは 命の営み

育む過程を 仕事や役割 働くという言葉で表すのなら
人間らしい生き方を 生きている実感を 希求するということ
人の生活から生まれ出る全ての営み
より豊かな命を生きようとすること

人が人として生きていくということ
人を必要とすること 手を伸べること
人から必要とされること 伸べられた手を掴むこと
人と人との間に関係を繋ぎ 絆を紡ぐこと

結果とは生きたことの一つの結末でしかない


    「生きるということ」


燃える命を灯のように掲げて 指先は暗闇を探る
泣くように鼓動打つ心臓を 何度も確かめながら

ここにいることの意味を
探して旅をしている

心臓の音色を知るために
旅は続く

何をしても聞き取れない
どこへ行こうと見えはしない

描き重ねた想いの全てが
意味がないような気がして

意味がないならどうして胸が一杯になるの
泣いたって言葉は出てこない

想いが零れるばかり

心臓の鼓動は誰に鳴らしているの
何のために生きていくの

答えを求めて旅は続く
通り過ぎた景色には二度と戻れない

剥き出しの自分で必死に生きる
ありのままの姿で 夢のように

世界を形作る線と心を成す線に絡め取られて
身動きが取れなくなって
混沌のような渦に飲み込まれて
藻掻きながら 彷徨って
足跡の数だけ 幾多の道が生まれた

彼方の星ばかりを見て走り続けていた
意味がなかったとはどうしても思えない
旅の中で出逢った物を紡いで歌にして
世界を彩り描いてみる

出逢ったもの全てが繋がって歌詞となって
全て心の宇宙の中で 星のように輝いている
無くしたものさえも この世界では拾い集めることができる

どれだけ時が経っても逢いに行ける

描いて 歌って 紡いで
生きている

心臓の鼓動は鳴り続けている
届けたいという 願いのために

 

 

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おまけトーク

誰かの要求に応えなければ。そんな気持ちが先行するから、断ったときに罪悪感が渦巻く。大丈夫だよ。私はもう誰かのためにしなくても、ちゃんと価値があるし、だから、無理に応えなくて大丈夫なんだよ。罪悪感よ。さらば!私は自分のために生きていいし、自分のしたいことをちゃんと優先していいんだよ。自分へ。一番の味方より。