過去50年間の年代別「別れ歌」MYベスト | ANIREISHA~アニメ、霊的スポット、旧車等~

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悲しんでばかりじゃいられないから

「夏が過ぎると恋も終わってしまった、あのひと時は一体何だったんだろう。」という者もいると思うが、今回の「過去50年OR60年間の年代別当該ジャンル音楽MYベスト」シリーズは「別れ歌」。

 

と、言っても、しんみりする曲ばかりじゃ落ち込むだけだから、ノリのいい曲やポップな別れ歌も紹介したい。

 

『1970年代:絶体絶命(山口百恵)』

この歌詞は普通の別れじゃなくて、三角関係になった三人が喫茶店で話し合う、というやばい状況の別れシーン。そんな歌を、1976年8月にピンク・レディーがデビューするまで、女性アイドルのトップに君臨していた山口百恵が歌った。

曲のジャンルは前作の「プレイバックPART2」同様、「ロック歌謡」。作曲者は「プレイ・・・」同様、宇崎竜童で作詞者も同じく、その妻の阿木燿子。宇崎は元ダウンタウンブギウギバンドのリーダーで、リーゼントにグラサン姿で歌っていたロッカー。

 

 

阿木はするどい感性で日常の一シーンを切り取り、それに登場人物の心情をのせることが上手い。♪一輪挿しの薔薇の花 その人はずらし 涙を隠すの♪等。

 

 

曲の歌い出しの♪別れて欲しいの彼と そんなことはできないわ 愛しているのよ彼を  それは私も同じこと♪という歌詞は、とてもトップアイドルが歌う内容とは思えないが、これは「今までになかったアイドル像を」という事務所の戦略。

一方、女優としては、三浦友和を恋人役として、清純な女性を何度も演じた。そのギャップも人気の一つだった。

『1980年代:愛の残り火(ヒューマン・リーグ)』

‘80年代の洋楽では、テクノビートによるシンセ・サウンドが全盛となったが、そのブームを牽引していた一組がヒューマン・リーグだった。

1979年にメジャーデビューし、翌年に、それまでの男性ばかりのメンバーに替わって、女性メンバーが複数加わったことにより、曲の表現も変わった。

 

1981年に発表された「愛の残り火」の歌詞は、男女の掛け合いで、一番の歌詞は男性が女性に対し、「ウェイトレスだった君が成功できたのは僕のせいなのに、僕を捨てるというのか」という未練がましい内容。

二番は女性がその男性に対し、「あなたがいようといまいと、もっと活躍できる場所を探すつもりだった」と、サバサバした回答。古今東西、男と女はこういうものか。

 

 

そんな歌詞とは裏腹に、この曲は全米・全英音楽チャート共、1位を獲得。恐らく日本の洋楽チャートでもトップになったんじゃないかと思う。それはエレクトロ・ポップでありながら、旋律が叙情的だったから。

 

 

『1990年代:サヨナラなんて言えないから(岡本真夜)』

元気になる応援ソングを、ピアノを弾きながら歌うシンガーソングライターとして、人気を博した岡本だが、別れ歌や寂しさを歌った曲も相当数ある。応援ソング系曲「FOREVER」のカップリングだった「サヨナラなんて言えないから」も同様。

イントロはバイオリン的楽器が印象的で、これから「別れのドラマ」の幕が開く感が仰々しくする。

歌詞も写実的で、♪信号で止まったあなたの赤い車 横顔のきれいな隣の彼女は誰?♪とか♪ボロボロのGジャン なぜか今日に限って 悔しさをぶつける恋さえ探せないよ♪と、情景描写から心情を吐露する。

 

 

演奏も歌詞も曲調もドラマティックなのに、ミュージックビデオは戴けない。フランスかどこかの外国の街中を流れる川を夜、小船で下り、カメラは終始、あまり変わらないアングルで、歌わない岡本の表情を撮るのみ。こんなにつまらないミュージック・ビデオは見たことがない。

 

 

『2000年代:さよなら 大好きな人(花*花)』

TBSドラマ「オヤジぃ。」主題歌。歌詞は前述の3曲のような写実的ではなく、曲もテンポがやや遅く、悲しさやさみしさを、ありきたりの短い単語で繰り返している。

ありきたりの単語での表現は普遍的でもあるが、作曲者でもあるデュオの一人、こじまいづみが16歳の時の体験の心情を、聴く人それぞれが、幅広い捉え方ができるようにしたものじゃないかと思う。

 

 

「くやしいよ」「悲しいよ」「何もかも忘れられない」「涙よ止まれ さいごに笑顔を覚えておくため」等の歌詞から、恋人を失った悲しみを歌った歌だと思いがちだが(ドラマの内容は見てないから分からないが)、実はこの曲、こじまが祖父を亡くした時の心情を歌ったもの。

 

 

それを知った上で聴き直してみると、自分の身内に置き換えて感情移入でき、より心に染みる曲になる。

 

『2010年代:さよならの代わりに(JUJU)』

和製リズム&ブルースというか、JUJUの曲やJUJUの歌い方は皆、ソウルフル。声量や表現力もある。この曲の歌詞は写実的でも汎用的でもなく、一般的な内容。

しかし曲の作りは少し違っていて、普通ならサビの部分が一番いいはずだが、この曲は個人的には、サビが過ぎた後の曲の最後が一番好き。その部分がなかったら、この曲を好きになることはなかった。

 

 

それは一番と二番の歌詞共通の♪つないだ手離すから さよならの代わりに もう一度抱きしめて さよならの代わりに♪というところ。この二行の歌詞は一般的ではなく、作詞者のセンスが光る。

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この二行が曲の全てを物語るもので、好きなのに別れなくてはいけない事情と心情に共感する者も多くいるはず。

 

 

と、いうことで恋人・パートナーと別れた悲しみや寂しさを、これらの曲を聴くことで、少しでも癒して貰えればと思う。

次回は今回とは正反対のジャンルの曲たちを紹介したい。

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