【死んだ小春の霊がタイムリープ】
気づいている者もいると思うが、アニメ『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』の第1話の冒頭と、最終話のラストはリンクしている。これに気づいた時、フルえた(感動で)。
第1話の冒頭には、何者かの視界に映る病院の廊下が出て来て、その者(の視界)はある病室に入る。そこにはベッドで眠る男性と、椅子に座る、付き添いの女性の後ろ姿があった。
そして若い女性の声で「私の望みは、死んでからも尚、生き続けること。」と呟いた。
次は大学の新入生の歓迎会のシーンになり、空野かけるはうたた寝していた。かけるは鳴海潮に起こされると、内容はよく覚えていないが、辛気臭い感じの夢を見ていた、という。前述の重い病気風の見知らぬ中高年男性が眠る病室の夢だから、そう思うのは当然。しかし夢の中で、病院の廊下を歩いていたのはかけるじゃない。
かけるは鳴海に無理矢理誘われ、部屋の隅に座る二人の女性の前に座った。かけるの前に座っていた女性は「冬月小春です。」と名乗ったが、盲目だった。
最終話の終盤、かけるは中高年(50歳ほどか?)になっていて、暗い顔をして、病室のベッドにいた。傍らには主治医と担当看護師。かけるは末期がんになっていて、治療が辛いから、もう治療を止めたい旨、主治医に話していた。
そこへかけるの一人娘、咲良(さくら)がハマユウを持って現れた。咲良はかけるの浮かない顔を見ると、「なんて顔してるの?天国のお母さんに怒られるよ。」と言った。しかしかけるは上の空。
咲良はバッグからボイスレコーダーを取り出すと、「お母さんのタンスから、こんなの見つかったんだ。」と言って、かけるに渡した。それは大学生時、かけるが小春のため、「アンネの日記」を朗読し、録音して渡していたものだった。
が、それを聴くとハッとした。かけるの朗読の上から、小春が死ぬ直前、かけるのため、メッセージを上書き録音していたから。聴くと、小春は今までの感謝を述べ、「出会ってくれてありがとう、私を選んでくれてありがとう。」と重ねて言った。
そして「私は歩みを止めちゃうけど、遠くへ行くかける君を信じています。顔を上げて前に進むかける君を信じています。どうか、笑って生きて下さい。」と、続けた。
かけるは号泣した。そこへ、花瓶のハマユウを新しいものと取り換えに行っていた咲良が再び入ってきた。
かけるは咲良にハマユウの花言葉「どこか遠くへ行く、あなたを信じます」を教えて、微笑んだ。
咲良は久しぶりに見る、かけるの笑顔に驚くが、かけるは「僕にも咲良にも、心の中には小春がいて、きっとこれからも、この言葉を投げかけてくれると思うんだ。」と言った。
かけるはがん治療を続けることを決意する。そして心の中で呟く。「ありがとう、小春と出会えて良かった。」と。
冒頭の夢に戻るが、ベッドで眠っていたのは、治療に疲れ果て、眠っているかける自身。付き添いの女性は、服装と髪型が咲良と一致する。「私の望みは、死んでからも尚、生き続けること。」の声も咲良。
咲良は若いから死ぬ訳ないじゃん、と言うかも知れないが、その声は咲良自身が発しようとして発したんじゃない。
「このままじゃ、かけるが死んじゃう。」と思った、あの世の小春(の霊)がやって来て、咲良の口を借りて伝えた言葉。
小春は大学生時、かけるに励まされ続けたから、ステージ4のがんでも40代後半まで生きることができ、かけるや咲良と沢山の思い出を作ることができた。その恩に報いるためにも、死んでからも尚、生き続け(魂が)、二人を見守っている、ということ。
だから、咲良にボイスレコーダーを見つけさせ、かけるに聴かせるようにした。
かけると小春が出逢い、お互い、助け合っていくことは定められた運命だった。だからこそ、かけるは小春に出会う直前、霊夢を見た。小春の魂がかけるを感じていたのだろう。
因みにタイトルの『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』の「駆ける君」は「かける君(くん)」にかけている事は皆も知っていることと思う。つまり小春が「かけるくんと恋をした。」と、公表しているということ。
この第1話冒頭の伏線回収を知ると、更なる感動の涙が出た。おかげで、シルバーウイーク後半は、何度も「かけ恋」を繰返し視聴し、家から出ることができなかった。
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