今,核兵器に関する小泉進次郎防衛相の発信が際立っている。
小泉氏は,ジャーナリスト・櫻井よしこのネット番組「言論テレビ」に出演。ロシアのウクライナ侵攻後,フランスが核戦力を増強し,フィンランドが自国内への核兵器の持ち込みを容認した事例に言及し,「日本もあらゆる政策をタブーなく議論し,推進すべき」「野党から非核三原則と原子力潜水艦について質問を受けた。これまでのものを守ることを優先し,本当に日本を守ることが後回しになっているのではないか」「日本にとって議論しづらい課題だが,言及せざるを得ないものの1つが核だ」などと,日本の核保有を念頭にしたと思われる発言を展開した。
国際ジャーナリストは,「日本には,核兵器を『持たず,作らず,持ち込ませず』という非核三原則がある。日本は米国の核の傘に依存しているが,非核三原則があるため,北大西洋条約機構(NATO)のように米国の戦術核兵器を自国に配備する核共有方式は認めていない。小泉氏の核保有の必要性を強調するかのような発言を聞いていると,高市政権が年内の改定を目指す安保3文書の議論の過程で,非核三原則も例外なく検討対象にするだろうな,という印象を受けている。それにしても,武器購入や核配備で日本の安全保障が確保されるとは単純に思えないが,小泉氏は防衛相に就任して以降,現実路線を強調しながら,大きく軍事力増強の方向にシフトしているようだ。当然のことながら,小泉氏の発言に中国,ロシア,北朝鮮は反発し,日本周辺での緊張がさらに高まるような軍事行動を実施するだろう。日本には世界に発信できる唯一の被爆国としての重要な役割があるのではないかと思う」と,日本の核保有に向けた動きに警鐘を鳴らす。
欧州を歴訪した小泉氏は22日,核抑止を含む今後の安全保障政策について「あらゆるタブーなく議論をしなければ,もはやどの国も一国で安全保障を確立することはできない。これは当然のことだと思う」と述べた。
一方,中国外務省の林剣副報道局長は21日の記者会見で,小泉氏が核兵器に関する議論の必要性に言及したことに反発し,現役の防衛当局の責任者がこのような発言をしたのは戦後史上,極めてまれで,挑発的かつ危険だ」と批判した。
なお,小泉氏の「核議論」に関し,木原稔官房長官は23日,政府としては非核三原則を政策上の方針として堅持する考えに変わりがないことを強調した。
小泉氏の発言でさらに溝が深まる日中関係である。